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バレエのこと🩰

遠い昔、バレエを習っていた。

3歳から小学校3年生に引っ越すまで続けていた。
これは全く自分の意志とは関係なく、股関節亜脱臼で生まれてきたのを心配した親が、バレエを習わすと良いかも、ということで通わせたようだ。

記憶力はそこそこいいと自負があるが、それを体に反映させるのがとっても苦手(だと、もう少し大きくなったら気づいたが)で、どうしてもうまく踊れない。

父が良かれと思って撮ってくれた発表会の写真も、自分だけ反対の足を出していたり、自信なさげに隣の子の振り付けを確認しているという、バレエが下手な証拠写真となっている。

体も硬い。
みんなができているポーズができない。
股も開かない。
(そりゃそうだ。股関節亜脱臼だもの。)
ただ、少しはマシだったのが回転だ。
(バレエでは何というんだっけ?今調べたらピルエットというらしい)

目は回るんだけどこつがあって、頭を後から持ってくるんだっけな?するとあんまりグラグラしない。
回転だけは何とか及第点がもらえていたような気がする。(誤った記憶かも?)

そんな私なので、上手くて細いバレエ体型のレッスン仲間を見ながら、日々劣等感に苛まれていくという日々を過ごしていた。

それに輪をかけたのが、バレエの先生である。
とにかく怖くて怖くて、ポンコツな私は怒られてばかり。
呆れられてほっとかれたりもした。

大人になってからアルバムを見てみたら、ものすごい美人だったけど、幼い私には鬼に見えた。

バレエの時間が嫌で嫌でたまらなかったが、股関節からくる膝痛に悩んでいたこともあり、バレエで何とかなるかなと惰性で続けていたある日、引越しが持ち上がる。

やった!これで辞められる。
もう一つの習い事のピアノは、引越し先でも先生を事前に見つけていたが、バレエは金輪際やらない、と探さなかった。

ただ一つの心残りは、トゥシューズが履けなかったこと。
引越し前の最後の発表会が終わると、トゥシューズの練習に入るとのことだったが、私はその発表会と同時に辞めることになっていたので、履けなかったのだ。

憧れのトゥシューズ!
絶対トゥシューズも上手く履けなくて、先生に怒られる未来しか見えなかったけど、でも履いてみたかった。

さて、その最後の発表会でくるみ割り人形をやることになったが、なんと!私は主役のクララを割り当てられた!

こんな下手っぴがどうして?と思われたみなさん。
安心してください。
ちゃんと理由があります。

私をクララに選んだ後、先生が私に放った言葉。
40年以上経っても忘れられない。

「一番簡単だからよ」

私を勘違いさせないためとはいえ、もう少しなんとかならないのか。
確かに、くるみ割り人形といえば、色々な国の踊りや金平糖の踊りなど、複雑で難しい踊りがたくさんあり、上手な子はそちらにキャスティングされていた。

私は、とにかくみんなの踊りを横で椅子に座って優雅に眺めていて、最初と最後にちょこちょこっと踊るだけで済んだ。
先生、ナイスキャスティング!
(当たり前)

でも、みんなと違う衣装!主役の衣装!は、いくら簡単だからという理由で選ばれたとはいえ、単純に嬉しかった。
可愛かったし。

自分で踊るのは全く向いていなかったが、バレエを観るのは大好き。
今も時々劇場へバレエ観に行く。

そしてアラフィフになった今、カッタイ体をほぐすため、バレエビクスなどにも興味がある。
行ってみたいけど、結構高い。

お金を貯めている間に、アラ還になっちゃうかもなぁ。


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