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平和自動車 フィパラムⅠ

フィパラムⅠ(または単にフィパラム)は平和自動車で最初に生産された小型セダン。イタリアのフィアットが発展途上国向けに輸出するシエナを輸入、セミノックダウン生産したものである。シエナはウーノをベースに、フィアット178という世界的なプロジェクトに基づいて開発された。当初は南米市場向けにブラジル工場で1996年に生産され、21世紀に入ると中国やベトナムでも生産が開始された。平和自動車の大元の統一教会はベトナムにメコン・オートという自動車製造会社を持ちそこでフィアット車製造を行っていたため、その繋がりでシエナの輸入と生産が行われたと思われる。フィパラム(휘파람)とは口笛を意味する。

フィパラムⅠは2002年4月20日に生産が開始され、当初はセミノックダウン生産だったが翌年からは完全ノックダウン生産に移行した。当時プロモーションビデオも制作されたが、まだフィアットのエンブレムがついたままで、後に平和自動車のエンブレムに付け換えられた。生産は2006年に終了したと見られ、生産台数は約500台と推測される。生産台数が少ない理由として部品コストが高く、小型セダンであるため実用性が低く(北朝鮮での需要に合わない)収益も見込めないためと思われる。

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完成したフィパラムⅠ(中央日報)

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朝鮮映画「생명선」(命綱)のフィパラムⅠ(KCTV)

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朝鮮映画「복무의 자욱」(服務の足跡)で登場する詳細不明のフィパラムⅠを使用したシミュレーター(KCTV)

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まだフィアットのエンブレムのままのフィパラムⅠ(MBC NEWS)

参考文献


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