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選ばれたお米、そして一番美味しい提供方法とは

今回は、銀座朝食ラボで提供する「お米の品種」を決めるためのスタディ風景をご紹介します。

「炊き立てのご飯」がメイン食材になった理由

朝食ラボの企画段階において「朝食で一番食べたい食材とは何なのだろうか?」という議論が幾度となく繰り返されました。ある人は納豆だと言い、ある人は深川飯、そしてある人は梅干しであると。テーマがベーシックであるほど、なかなか全員がしっくりくる回答は出てこないものですよね。そんな中に発された、総料理長の回答。

「やっぱり、炊き立てご飯じゃないですか?」

ああー、そりゃそうですよねー、と一同これに納得。

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方針が決まれば後は進めるだけです。米の品種は何にする?どうやって炊いて、どうやって提供して、何と一緒に食べるのが一番おいしい?などなど、当ラボスタッフによるスタディが始まりました。

スタッフによる食べ比べ(6種類)

朝食に合うお米ってどんなものだろうか?朝だからあっさりした品種?でも、もっちりした品種の方も美味しそうだし。一般家庭ではお米は一種類しか置きませんから、日常生活で品種の違いを意識することはありませんよね。それならば実際に、食べ比べて判断するしかない!ということで、実際に試食会を行い、提供するお米を選ぶことになりました。

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「伊賀産 コシヒカリ」
「魚沼産 コシヒカリ」
「山形県産 つや姫」
「秋田県産 あきたこまち」
「北海道産 ゆめぴりか」
「岩手県産 ひとめぼれ」
以上、総料理長が厳選したお米6種類を、順番に土鍋で炊いて実食。

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ちなみに、今回試食したお米を、ネットで見つけたチャートに乗せると、以下の図のようになるようです。

チャート図

参考:お米の種類と特徴を知って、自分好みの銘柄米を見つけよう! https://panasonic.jp/life/food/110016.html

今回試食したそれぞれのお米に対する、ラボ員の感想は以下の通りでした。

1.伊賀産 コシヒカリ
「甘みが強い」「粘りが強いのにソフト」
2.魚沼産 コシヒカリ
「まさに優等生」「粘り強い」「甘さが美味しい」
3.山形県産 つや姫
「甘くて美味い」「ツヤがあってキレイ」「さっぱりした味」
4.秋田県産 あきたこまち
「お米はしっかりしてる」「あっさりしてて美味しい」
5.北海道産 ゆめぴりか
「柔らかくてツヤがある」「強い粘りと甘み」
5.岩手県産 ひとめぼれ
「粘りが強い」「柔らかめ」「あっさりしてる」

お米の品種の選考結果

さて結論。

「どれもそれぞれの美味しさがある」

でした。身も蓋もなくてごめんなさい。でも、こんなにおいしいお米を何種類も食べられるなんて、日本は本当に幸せで美味しい国ですね!
そんな中で「こんなにお米の味わいに向き合ったのは初めての経験で、これまでで一番おいしく感じた」という感想が。ということは「美味しいお米を比較して食べるからこそ、その美味しさをより強く感じられるのでは?」というのがラボ員たちが得られた仮説です。
そこで、お客様にもお米の美味しい食べ方を体験してもらえればと、銀座朝食ビュッフェではタイプの違う2種類のお米を選抜し、実際に食べ比べができるようにしました。

実際にお食事いただける2種類のお米

我々が実食で選んだのは「伊賀産 コシヒカリ」「山形県産 つや姫」の2種類でした。

1.伊賀産 こしひかり 【東海の魚沼!噛み締めてこの味】
  三重県の中でも、四方を山々に囲まれた伊賀盆地は、気象条件に恵まれ、古くから良食味産地として関西方面で知られています。噛みしめるほど甘みを感じる、大変美味しいお米です。味が強いので、そのまま食べても満足度が高いですし、味の強いおかずに合わせやすいでしょう。

2.山形県産 つや姫 【良食味!「コシヒカリ」を超える米!】
  粘りや艶、粒ぞろい、甘味や旨味などに優れている、バランスの良いお米で、品評会などではコシヒカリを超える評価をとることもあるそうです。バランスが良いぶん個性が強くないので、おかずの味を引き立てる効果があります。

「お米の味が強く、味の強いおかずに合うコシヒカリ」と、「お米自体の主張は強くないので、おかずを引き立てるつや姫」の2種類です。ぜひ実際に食べ比べて、気に入ったおかずと合わせてみてください。

土鍋炊きと提供方法

こうして選ばれたお米は、少しずつ土鍋で炊いて、炊き立てが定期的に提供されます。

■ 土鍋炊きの理由
「はじめチョロチョロなかパッパ、赤子が泣いてもフタ取るな」。土鍋は、この美味しいお米の炊き方を実践するのに最適です。
土鍋はゆっくりと熱が上昇するため、「はじめ」にチョロチョロと火が入り、その結果お米のデンプンがしっかりと糖に分解され、より甘く美味しいお米となります。また、保温性が高いため、蒸らし時間も高温を保ち、お米もツヤツヤ、ふっくらと立ち、美味しく炊き上がります。

■ 少しずつ、定期的に提供する理由
お米の炊き立てが美味しい理由、逆に時間とともに味が落ちる理由は、時間とともにデンプンが老化し、固くなるからだと言われています。

そこで朝食ラボでは、定期的に新しい土鍋ご飯を炊き上げることで、いつでも炊き立ての美味しいご飯を食べてもらう事を実現しました。
キッチン内の見えない苦労の分も、美味しく食べていただけると嬉しいです!

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なお、試食会の後にたわむれで食べたカツオ節ご飯が本当に美味だったことを最後にお伝えしておきます。銀座朝食ラボでは、店内で削りたてのカツオ節をご用意していますので、ぜひ気に入ったほうのご飯にかけて、醤油を少しだけ垂らして食べてみてくださいね!卵を乗せても最高ですよ!

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以上

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