東京出張 9/14

主任とは犬猿の仲というか、人としてめちゃくちゃ合わない。
僕自身、主任の求めているスマートに試験を終わらせ、主張時には上の人をエスコートしていく後輩像とはほど遠いからである。
ポンコツさを愚直さと後輩キャラで誤魔化している僕とは最悪の相性である。
それでも、最低限やることはこなしているのと、反抗的な感じが昔の自分と重なるらしく、可愛がってはくれている。

この日は東京出張で、いつも通りスマホをぽちぽちしながら、取り敢えずカフェ連れてってと言われ、探す。
偶然近くにあったため、行くがその場所に見当たらない。
探してもないと思ったら、上にあるよと言われた。
田舎っぺの平面の視点では見えない場所。
階段で上に登ると、店へはエスカレーターをご利用をとのこと。
本当に苦労かけるなと言われ、申し訳なさを隠しきれずえへへへみたいな反応しかできなかった。
店へ着くと、3人ほど並んでいる。
だが、店内で暑さは逃れられたので、ご機嫌斜めにはならなかった。
この人とは話もぼちぼちだし、どうも沈黙での空気感も合わない。
普段コーヒーはほとんど飲まないけれど、lサイズのコーヒーを飲んでみた。
たくさん飲む動作をすればその分時間を潰せるし、慣れない苦味で誤魔化せるから。
主張先の方の役職、名前は覚えてるか?とか何時に出ればいいか分かってるか?みたいな子供への父親みたいな会話をし、沈黙になった。
王様にでもなったかのようなふかふかのソファと店内のbgm、コーヒーの苦味ありきでもあまり落ち着かなかった。
そのあとそこそこ大企業との会議に出席した。
こういう時の主任は、たくさん喋るし理論的だし、何より全て言い負かすような毅然とした態度で場の信頼を掻っ攫っていて、かっこいいなと思った。
帰り道、この辺でドラム用品買ったんですよと話したらまさかの新しいもの買いに行こうみたいなノリになった。
多分、僕が提示したホテル3つを理由も言わず却下し日帰りにした罪悪感も少なからず入っていると思う。
ホテルの件は僕もむかむかしていたため、優しさに乗じて見に行った。
ここの店員さんは、めちゃくちゃ信頼できる。
僕の拙い音のイメージを伝えていくと、最短距離でドンピシャに近い
そして、45分ほどで2択まで絞ったのだけれど、最後がどうしても決めらられない。
だって、どちらもそれぞれ譲れない良さがあるもの。
でも高い。
でも譲れない…
これを繰り返していたら、気づいたら2時間半経っていた。
結局どちらも買った。
主任にめちゃくちゃ謝ったら、嫌味を感じさせない軽い弄りをしてた。
さらに、ご機嫌に会話を振ってくれた。
なんでかっこいいんだ…
背中で見せるとはこういうことか…
主任に会議の議事録、会議で洗い出した試験を全て任せられているので、そこで示さねばと気が引き締まった。


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