![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86684148/rectangle_large_type_2_97c5b7ce5a46e54894f7e4e93f54befa.jpg?width=800)
コロナのあいだ、合唱どうしてた?
2020年3月から自粛や行動制限がはじまった日本。思い返すと、この2年半のあいだにいろいろありましたね……。
まだ終息していませんが、屋内のマスク着用が任意になったシンガポールにいる私としては、ひとつの区切りを迎えた気分。ここで、コロナ前から現在までの合唱との付き合い方を、個人的に振り返ってみたいと思います。
まず最初は、2020年3月下旬。出演を予定していた東京での演奏会が、前日に中止(延期)となりました。その後、控えていた演奏会は軒並み延期・中止に。
そこからは、毎週集まっていた練習も中止。所属する合唱団のメンバーと、オンラインで自宅から練習を続ける方法を模索する日々でした。指揮者、合唱指導者には、オンラインだからできること、地力をつけるための練習など、とても工夫いただきました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86670319/picture_pc_d159457e7a8c0211c5ccf67f23314f04.png?width=800)
各自で楽譜を購入して、新しい曲に取り組んでみたり。曲の理解を深めるために、背景となっている本を読んだりもしました。zoom練習だと周りの人の声が聞こえないので、頼れるのは自分だけ。いかに周りの音にこれまで頼っていたかのかがわかりました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86670433/picture_pc_ceaa7a39339832f8d612b914b67eed29.png?width=800)
さらに、屋外で練習をしてみたり、パーティション越しでボイストレーニングをしてみたり。
合唱練習や合唱でのホール、公共施設利用のガイドラインが整備されてきたら、ガイドラインに従いながら、感染の波が低くなったタイミングで対面練習をしていました。
練習の際は、もちろんマスクを着用。合唱団のメンバーと情報交換をしながら、マスク選びも試行錯誤をしました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86670646/picture_pc_9457018077a4c447cde11a9cb1b94253.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86670701/picture_pc_14d8e95cbf07d998cbd13e08d8a40344.png?width=800)
ウレタン素材だと呼吸がしやすいけれど、その後、不織布のほうが感染予防効果が高い、というニュースが出て、不織布マスクを使用するようになりました。口元にワイヤーが入っていると、歌っているときに口元にマスクが張り付かなくてよいと聞いて、ワイヤー入りマスクを購入。
この時期、首元まで覆う合唱用マスクが販売されて、話題になったりもしていました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86671074/picture_pc_dd26f6464f4def88528eb5eacb5985e0.png?width=800)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO64028360Y0A910C2L83000
合唱用マスクといえば、はじまりは東京混声合唱団。2020年10月21日のNHKの解説記事に、東京混声合唱団の「歌えるマスク」が生まれた経緯が紹介されています。合唱をあきらめなかった東京混声合唱団と、ご自身も合唱経験者で丁寧に取材・解説している水野 倫之 解説委員の情熱に胸を打たれて、今読んでもこの記事にはじーんときます。
そして、2020年の年末。例年、12月は第九の演奏会に出演していたのですが、ステージ上に合唱団員がところせましと並ぶ第九演奏会への出演は、この年はなし。その代わりに、近場で行われる演奏会を探して、聴きに行ってきました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86677761/picture_pc_94ea21b3a916428d68f01a1c07bd18ed.png?width=800)
横浜みなとみらいホールでの、新日本フィルハーモニー交響楽団の第九演奏会です。
各パート数人ずつ、間隔を空けて配置された合唱が歌うのを聴いていて、なんだか悲しなりました。この日、席はステージ横のバルコニー席。指揮者の広上 淳一さんが、さみしい人数の合唱を補ってあまりあるほどの豊かな表情で、のびのび歌っているかのように(声は出してなかったと思いますが)指揮をしていたのが印象的でした。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86678595/picture_pc_f75f36b5bc9161daaeeffbfe7ca5e5aa.png?width=800)
2020年9月に出版されて話題になっていた岡田 暁生「音楽の危機《第九》が歌えなくなった日 」は、おすすめされて、私も読みました。ちょっと難しかったけれど、第九の誕生とともに近代化、都市化を進めてきた社会が、感染症でなにもかも突然停止して、これからを見直すときがきたのかなと思いました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86678662/picture_pc_0e2068a0b4294a53eeb8aa1a1f78d5ab.png?width=800)
そして年が明けて2021年。無観客で、収録という形での演奏会にようやく参加することができ、その後、私は日本の合唱団をはなれて、シンガポールに移り住みました。
こちらに来てから、シンガポールの合唱団メンバーに昨年までの様子を聞いてみると、やはり練習はオンラインで続けていたそうです。
2020年4月から部分的ロックダウン「サーキットブレーカー」で大半の職場が閉鎖されていたシンガポールなので、日本とはまた違った苦労があったのだろうと思います。
他の国では、コロナのあいだ、合唱をどうしていたんだろう?そんな疑問に答える本を最近見つけたので、そちらはまた今度、ご紹介したいと思います。
おまけ
9月10日は中秋節でした。日本でいうお月見です。蓮の実の餡と卵の黄身を使った伝統的な月餅を、私もいただきました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86681058/picture_pc_a955ef0e9f82703fcb8242ae3a4e60d7.jpg?width=800)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?