懐かしいコンテンツをNETFLIXで観る：＃いま、会いに行きます(2004年)

当時、観そびれたコンテンツを今更ながら観てしまったので孤独に語る第二弾です。

いま、会いにゆきます | Netflix (ネットフリックス)

【当時のわたしのイメージ】

・メディアミックスなんだかしらんがこういうの流行っているのですな

・セカチューの二番煎じかよー（セカチュー/2004年5月　いま、会いに行きます/2004年10月)最近大切な人が亡くなって云々の映画多いなー。流行ってるんだなー。亡くなった奥さんが戻ってくるんだから黄泉がえりものだな

・うわー、中村獅童さんと竹内結子さん、結婚したんだー(2005年)。そりゃ可愛かったもんなー。うわー。そっかあ(ちょっとひいている)

絵にかいたような流行りものを観ない人の感想。絵にかいたようなビフォー。こういうスタンスの人ってそのコンテンツが一番盛り上がる時に置いていかれるんですよね。だからって15年後にやっと追いつくって遅すぎると自分でも思いますけど。

【2019年観た感想】

当時、全く情報として入ってきてなかったのですが、中村獅童さん演じる主人公の男性は、「脳内で化学物質が異常分泌される奇病」によって、生活やお仕事に若干困難さを抱えている方なのです。具体的な病名は明かされていませんが、作者の市川先生がASDを公表されているので、類似する病気を想定されているのだと考えます。

竹内結子さん演じる奥さんが亡くなってから、時間がいつもギリギリで、ごはん作りも失敗が多くて、洗濯はできるけど干しっぱなしでアイロンとかできなくて、いつも息子さんに謝っています。息子さんも、「カレーまずいよな」と何度も何度も言うお父さんに「大丈夫だよ、食べれるよ」と何度も返します。(でもカレーは残してました。ちょっと笑った)奥さんが家事が上手な方だったので、手抜きの方法などは知らずにただひたすら奥さんがされてたように自分もしようとしてらっしゃる。

お仕事も、司法書士の事務所にお勤めのようなんですが、出勤すると今日することを一つずつ紙に書いて、実行する順番に並び替えているんです。そして市川実日子さん演じる同僚の女性(主人公の男性に若干の好意あり)が通りすがりに「この順番の方がいいですよ」って並び替えてくれる。

この設定と描写と中村獅童さんの演技に、ちょっともっていかれてしまいました。多分、発達障害という言葉自体も2000年頃から広まったように記憶していますが、この「脳内で化学物質が…」って表現、割といいなーと思ったりしました。よくある恋愛ものって思って完全に見逃してしまっていましたが、とても柔らかいある疾患についての啓もう映画だなと思ったのです。

例えばですが、発達障害じゃなくてドパミン代謝異常症とか実行機能困難症とか、そういう表現の方が本人や家族も受け入れ易そうだし、周囲もかかわりがしやすそうだなとか。発達障害って聞くと、実際とのあたりが難しいのかよくわからなくて、詳しく聞くのもなーって思ってしまうし。大きなくくりの方が逆にいいこともあるのかな。

ちょっと脱線してしまいました。この作品はミステリー要素もあって、「なぜ亡くなった奥さんが戻ってきたのか。なぜ自分が戻ってくるタイミングと期間を知っていたのか」という謎もあるのですが、その種明かしがラストにされます。

前半は、戻ってきた奥さんは記憶をなくしているので、主人公は自分と奥さんの出会いを彼女に語ります。そのなかで自分がどれだけ彼女のことを好きでそれが自分の片思いだったかを伝えますが、ラストは奥さん側の視点で謎の解明と奥さん側もどれだけ主人公のことが好きだったかが明かされます。

謎の解明と奥さんの本当の気持ちが同時に明かされることで、こちらはめちゃめちゃ感情を揺すぶられ、さらにORANGE　RANGEの「花」でトドメです。泣ける映画なぞ観ないと決めていますが、それは観たら泣いちゃうからです。てのひらコロコロです。

また、竹内結子さんの初々しさというか品のない言い方で申し訳ないのですが処女性がものすごいのですが、これは完全に演技というか映画のストーリー上意味があってやっていることなんですよね。竹内さんのプロモーション映画なのではなく、必要があってそうなっているってこと。だってそうなんだもん。「記憶を失っているからそれもそうかー」とぼーっと観てましたが、違う違う。だってひまわり畑の再開シーンでは竹内さん母性の塊ですもん。こういうヒントを何も拾えないので、私はよい観客だと思います。そうだったのかー！のオンパレード。

ちょっと昔の作品を観ると、「今売れているあの人のかつての姿」に会えてちょっとお得なのですが、竹内さんの大学時代の同級生に田中圭さんがしれっといらっしゃいます。あと、息子さんの同級生の女の子にやたらと美少女がいるわーと思いましたが美山加恋さんでした。

あと、中村獅童さんの学生時代は浅利陽介さんなのですが、途中でどっちがどっちかわからなくなりました。ずっと浅利さんだと思ってたら中村さんだったりしました。見た目は全然違うのに役者さんってすけーな。

流行っているからといって避けてはいかん。NETFLIXでやっているのでよければ夏のおともに。