ことのはのおと

ことばに携わるしごと一年目の新人OL。

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優等生と呼ばれて長き年月をかっとばしたき一球がくる (俵万智)

 高校生の時、表題の歌を引用して、「この歌について、「一球」とは具体的にどのようなもののことか、自分の体験を交えて200字以内で書きなさい」というような問題が現代文の試験に出題された。試験の最後の大問に毎回200字作文が課されていて、はなから書くのを諦めている友達も少なからずいた。昨年度、教育実習で80人分の作文の添削に泣かされた身からすると、毎回のテストの最後に200字作文を出題して採点し、3日程度で返却、優秀作品のピックアップと講評まで済ませていた先生方には頭が上がらない

    • 「心の恋人」という考え方 ー 江國香織『間宮兄弟』

       友達に、普段あまり本を読めないがしいて言うなら江國香織が好きだと話したら『間宮兄弟』をおすすめされたので読んだ。金曜の夜と土曜の移動時間を利用して3時間程度かかったと思う。  江國香織については、日常を生きているのにどこか非日常的でアンニュイな女性たちが恋に没頭する物語を好んで読んでいたため、『間宮兄弟』というもてない中年男性2人が主人公の小説は、自分から進んで手に取ることはしていなかった。  読んでみて、江國香織は女性を主人公とした恋愛小説のイメージが強かったのに、も

      • はじめの一歩

        2022年3月12日(土)、ひさしぶりの2連休に気をよくして、noteをはじめることにした。 過去を振り返りながら、きっかけを整理してみる。 わたしは幼いころから、本を読むことがたいへん好きであった。幼稚園生のときには何冊も読み聞かせをねだったという。 小学2年生のころだったか、毎週末図書館で20冊借りていた本を土日のうちに全て読み切ってしまって、母親にたしなめられたことを覚えている。それでも一気に本を読むわたしを見かねた母は図書館だけではなく公民館でも10冊借りるように

      優等生と呼ばれて長き年月をかっとばしたき一球がくる (俵万智)