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続・文芸ユニット〈てんびん座〉
2021年4月、ライター仲間の森恭佑くん(通称・もりきょん)と結成した文芸ユニット〈てんびん座〉。
結成後の僕たちは、noteでの公開往復書簡、それからTwitterの音声配信機能を使った推しラジオ『Library』(リブラリー)をそれぞれ1年ずつ続けてきました。
お互いの書きはじめを語り合ったり、音声配信がきっかけで本屋さんでのイベントを企画したり、それはそれは楽しかった。
けれども、昨年2月頃から互いの暮らしや仕事の環境に変化が生まれて、それに比例するように本気の雑談を交わす時間は減っていきました。
一緒にメディアをつくってみたいとか、もっと音声配信をやりたいとか、妄想ばかりは膨らんでいるけど、忙しさを理由に何もできないんじゃ寂しい。だから、原点に帰ることにします。
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「往復書簡をリスタート」とは言えども、公開するからには誰かの琴線にふれられるものであってほしいなあと思っています。僕たちは下心を隠すことが苦手ですので。
なので、今回はてんびん座の小さな足跡を振り返ります。もりきょん、さっそく返事が難しいかもしれないけどお付き合いください。
往復書簡で印象に残っている言葉たち
(前略)大学1年生の夏休み。いよいよ、東北地方の被災地へ足を運ぶのです。
その時に抱いていた感情は「怖い」でした。
何も知らず、九州のあたたかい地域で幸せに生きてきた自分が、
東北へ行って何ができるのだろう?
何が言えるのだろう?
無知が故に、被災された人を傷つけてしまわないだろうか?
そうして不安になりながらも、東北に訪れた時の感覚。
涙を流してくれたガイドさん。津波で流された建物。
あの感情は、今でも忘れられない。
と、言いたいところだが。それはきっと無理なのだ。あれ?
いつまでも当時の記憶を鮮明に保っておくことはできないし、見たこと聴いたことをありのまま誰かに伝えることはできない。ましてや、僕は当事者ではなく、ただの他人。どれだけ寄り添いたい気持ちを持っていても、その壁は決して越えられないんだなと悟った。
最後に、僕がいま暮らしている地域の自慢。
斜面地に建つ「つくる邸」という古民家でシェアハウスをしておりまして。長崎といえば夜景ですが、毎日対岸の稲佐山の灯りを眺めることができます。
ただ、僕が好きなのは、どちらかというと朝のほう。さっきはこれからの季節について散々憂いたけれど、だんだん日が昇る時間が早くなるので、朝の明るさに起こされる爽やかな目覚めはとても気持ちがいい。朝起きていきなり視界に入ってくる、空と海の青さには感動します。夜は誰でも夜景を見にこれるけど、朝の景色って、住んでいないとなかなか出会えないでしょ?
「おはよう」ではじまる朝。そこからたくさん話す息子の言葉は、風船のようにふわふわと空へ飛んでいく。可視化されたそれは、空を少しずつ黒に染めて、ついにお日さまは海に沈んでいく。これが夜になるということらしい。
この子が発した言葉は空いっぱいに広がって、疲れ果てて眠りに落ちた夢の中で記憶として蓄積されていく。そしてまた朝を迎えて、青空の下で「おはよう」と笑う。
せっかく空が言葉で埋まるのなら、やさしい言葉を教えたい。あかるい言葉を伝えたい。そんな言葉で埋まる空は、今日も真っ黒に染まりゆく。
僕はそれを、子育てと呼ぶのだ。
どう? 覚えてる? ちなみに僕は、僕自身が過去に書いた文章を読み返すとき、ほんのり懐かしいような、ちょっぴり恥ずかしいような気持ちになります。
読書会したら、読書会の依頼が来た話
厳密には「読書会の依頼がきた」わけじゃないけども、結果的に読書会をしてたよね。東京の本屋さんと一緒に、長崎の本屋さんで。(お時間ある方はぜひ読んでみてね)
実は次に書きたい内容も決まっていて、久しぶりの往復書簡がこんなに楽しいだなんて知らなかった。まあ、まだ返事は受け取ってないのだけど(笑)。
もりきょんは、これからの往復書簡で話したいテーマとか浮かんでますか? 例えば音声配信のときの「サブカル」とか、お仕事で携わっている「まちづくり」のこととか。もっと言えば、その都度変えるのもいいかもね。
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