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週日記 2024.02.04 - 10

02/04 Sun.

息付く暇もないまま迎えた消防設備士の試験当日。朝から勉強しようと思って6時にセットしたアラームを止めてからそのまま二度寝して、ああもう鑑別(マークシート以外の筆記試験)は運だなと割り切った。3日前に平田(学生時代からの親友)が同じ試験を受けると聞いていたので、互いの近況報告をしながら会場まで一緒に行った。結果は3月に出るけれど、よほどのことがない限り受かっていると思う。合格への手応えよりも、しばらく気を張らずに生活できることへの喜びの方がずっと大きいなあと思いながらお昼ごはんにラーメンをすすって、夜は僕と遊ぶ時間を心待ちにしてくれていた楓芽に絵本を読んであげた。自分の読書も1ヶ月ぶりで、ここ1ヶ月で溜まっていたやりたいことに明日から手を出せる。勉強している時間も楽しかったけど、やっぱり好きや好奇心に勝るものはない。まずは昨日のブックフェアの反省会と、ウニマキzine(zineのイベント)に向けた準備だ。

02/05 Mon.

昨夜読んでいた『26歳計画』が頭から離れなくて、そのもやもやをInstagramの鍵をつけた方のアカウントで発信してみる。すると今までで一番のリアクションがあって、似たようなところで立ち止まったり、悩んだりして生きてるのかもなあと勝手に親近感を覚えた。夕方は唯を歯医者に送って、それから楓芽と蒼空を連れてゲームセンターでバスケやマリオカートをして、それからみんなで晩ごはん。はじめは資さんうどんまで行こうと話していたけど、向かう途中でおなかが空いてしまったので新大工の喜助うどんに変更。たぶんウニマキ座談会のあとで行った以来だった。なぜだかあの頃の思い出がじわり浮かび上がってきて、回想に耽るうちに小鳥書房の落合さんと話したYouTubeラジオを聴いていた。26歳の僕も今日と同じようなことで悩んでいて、何も変わっちゃいない気もするし、少しだけ成長できている気もする。

02/06 Tue.

先週の残工事を済ませるために佐世保へ行く。メインの作業は昼からしかできなかったけれど無事に終わって、2tトラックに揺られながら睡魔と戦った。「運転している先輩の横ではさすがに…!」と思ってたけど、たぶん何回か白目むいてた。消防設備士の試験が終わったので夜は少し余裕ができて、楓芽と話しながら毎日読む絵本を2冊ずつ選んでいる。昨日はおもちゃで遊んだので「今日は4冊読んで」とうまいこと言うから読んであげた。この間の移動書店で焼き菓子を売ったからか、次は「本と一緒にパンを売りたい。たくさんの人に食べてほしい」と言う。パンを作って売るには大人の事情をいろいろとクリアしないといけないので「練習でお母さんにつくってみようか」と伝えると乗り気だった。まだ読み書きはうまくできないけれど、近頃の楓芽との会話はひらがなじゃなくて漢字になっている気がする。

02/07 Wed.

朝礼を終えると先輩が「〇〇さんがマダイ釣ったよ」と声をかけてきた。そう言ってクーラーボックスを開くと、あらかじめ準備していたであろう大量の氷と、丸々と太ったマダイが入っている。埠頭にある会社なので外に出るとすぐに釣りができる環境ではあるのだけど、だからと言って毎朝5時から釣りをしようとは思わない。でも先輩は僕とちがって釣った魚を食べようとは思わない。そんな気にもならない小さな壁はいつまで経っても消えないけれど、明日には覚えちゃいない小さな話ができるようになってきた。ここのところ程よく忙しい日々で、時間の経過が本当に早い。家に帰ってごはんやお風呂を済ませると、社用携帯に先輩から着信が入っていた。折り返しても出なかったけど、きっと夕まづめの速報だろう。釣れた魚をくれようとしていたのなら、逃した魚は大きいなあ。

02/08 Thu.

昨日はやっぱり魚が釣れていたらしく、朝礼のあとに大きなヤズとマダイの写真を見せてくれた。逃した魚は本当に大きくて、社内で誰ひとり知らない僕のLINEを今度こっそり伝えておこうと心に決める。夕方は楓芽と蒼空にそれぞれ絵本を読んで、夜はウニマキzineに出す作品をせっせとつくる。勢いで申し込んでしまったから、仕事で忙しいもりきょんにあまり負担をかけないように、でも僕たち2人のzineだから互いの感性を殺してしまわないように編集しよう。印刷費や時間を抑えるために浮かんだ製本方法が案外いいかもしれなくて、形になるのがとても楽しみ。買ってくれる人、どれくらいいるかなあ。どれくらい準備しようかなあ。

02/09 Fri.

定時で仕事を終えて、夜のまちへ赴く。今日から始まったランタンフェスティバルの灯りを眺めながら「ランタンと言えば『るるるるん』だなあ」と思い出す。またみんなで会いたいなあ。それから好文堂書店で本を3冊買って、コバチにたどり着いた。僕ともりきち、それからさだぽんの3人が久しぶりに集まる(かつての)ミナトメンズ会。3人が揃うのは、1年ちょっと前に僕が退職して以来だった。懐かしい話に花を咲かせたり近況を報告しあっていると、みんな大人になってるんだなあとしみじみ感じてしまった。しみじみ、という言葉がしっくり来るのも、僕たちが大人になったからかもしれない。年齢を重ねるほどに現実を知るとか、若い頃が羨ましいとか言うけれど、僕たちはそれぞれあの頃よりいい環境にいて、いい顔をしていると思う。それはきっと、そこに至るまでに出逢った人たちへの感謝を忘れていないからだ。

02/10 Sat.

朝からのんびり家事を済ませて、お昼ごはん(パン)を買いにle'pangに行く。すると、あとひとつだけ残っていた苺のパンを唯と楓芽が取り合っている。会計のときに「これが楓芽のパンだよ」とお店の人に話しかける楓芽はすっかり覚えられていて、まだ上手に文字は書けないけれど、人見知りをしない分たくさんの人と話すから言葉を身につけているんだろうなあと思う。子どもたちのお昼寝、晩ごはんの支度中、そして夜にかけて少しずつzineの制作を進める。製本の方法に迷ってmakijakuさんにLINEをするとすぐに返してくれて、どちらかというとレスポンスのわるい僕のペースを受け入れてくれる優しさに頼ってしまう。無事に製本の方法が決まって、忙しいもりきょんに忙しなくLINEを送りつけて、なんとか形にできそうな気配がしてきた。僕たち2人の天秤はそのときによって片寄り方がちがうのだけど、いまは限りなく僕に片寄っている。それでもちゃんと進められる理由は、僕たちだから。この付かず離れずの関係性がお互いを支えている。

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