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週日記 2024.03.17 - 23

03/17 Sun.

スッキリした顔をした楓芽とはちがって、蒼空の顔色がわるい。家で過ごしながら様子を見ていると夕方から熱が上がって、唯と「こりゃインフルエンザ移ったばいね」と顔を見合わせる。義母が車を出してくれることになったので、楓芽と留守番をすることにした。お風呂あがりに「ちょっとごろごろタイムしてくる」と言うので洗い物をしていると、すやすやと寝息を立てていた。蒼空は結局インフルエンザじゃなくて、3人が寝静まったいつも通りの夜がやってくる。洗濯機を回しながら『シティガール未満』を7割くらいのところまで読み進めて、本を閉じるときにちょっぴり寂しい気持ちになる。好きだなあと思う本に出会ったときはいつもそう。

03/18 Mon.

目の前の仕事が上手いこと片付いてきたので、夏に予定している工事の現調を早めにしておこうと佐世保へ。1人で音楽を聴きながら走っていると、SHISHAMOの『みんなのうた』が流れてきた。前職でエンジニアをしていた頃、行きたくない出張に駆り出されるときに決まって聴いていた曲だ。「だから今日も鏡に向かって笑う、がんばってる私を私しか知らなくても」。自分に甘い自信はあるけど、しんどいなあと思ったときに他人へ相談することが苦手で、だめな自分を肯定するのはいつも自分だった。多分それは今も変わってなくて、これからも変わらないと思う。けれども、少なくとも『みんなのうた』はいまの僕になくてはならない曲じゃなくなった。思い出は必ずしも残したいものとイコールではなくて、自分自身の変化を感じるための物差しでもあるのかもしれない。

03/19 Tue.

仕事はきちんとこなしたけれど、気持ち的には朝から夜までずっと明日の出店準備に追われていた。まだ数えるほどしか出店してないから、行く先々が「初めまして」である場合がほとんど。だからといって準備してこなかったわけじゃないのだけど、いつもバタバタしている。

03/20 Wed.

今日は野母崎でフリマイベント。しっぽ文庫と放課後SUNKIDS(快さんの活動)で合同出店する日だった。はじめは張り切っていた楓芽だったけど遊んでくれる人がたくさんいたので、子ども店長は省エネモード。けれども子ども店長だからこの場に居られて、会いに来てくれる人がいる。それってすごく素敵なことなんじゃないかと思った。畑作業の合間を縫って遊びに来たかいかいに「君のSNSが好きすぎるんだ!」とずっと伝えたくて、押し付けがましく伝えてしまって、おまけに聞かれてもない理想の本屋さんを語ってしまう。うっかり拘束しちゃったなあと反省していると、さやさんから「いま、かいちゃんと、ちょーのくんみたときのあんしんかんあるよねーてはなしてました」とメッセージが届いて嬉しくなった。かいかい・さやさんから見た僕はゆったり(?)していて、今日初めて見た楓太くん・ももさんは何年も連れ添った2人に見える。快さんと話していると時間はすぐ経っちゃうし、楓芽が早めに帰ったあとの時間は少しだけ長く感じた。過ぎゆく時間を大切に思えるのは、同じ1分1秒の感じ方がどれもちがって、誰かと色んな気持ちを共有してるからなんだろうな。

03/21 Thu.

仕事をしていると楓太くんから「オンラインサロンの告知画像をつくってほしい」と連絡が来る。二つ返事でOKして、夜になってももさん(楓太くんのパートナー)ちまで車を走らせた。作ってほしい画像の要約を聞いて、それから2人の馴れ初めを時間が許す範囲で聴かせてもらう。内容にふれるととても日記じゃ収まらないけれど、2人は出逢うべくして出逢って結婚するんだなあと思った。今や7,000人以上もフォロワーがいるから発信ばかりが注目される楓太くんだけれど、僕から見ていると聴く力もすごくある。一度話したことを覚えてくれていて「やりたいって言いよったことぜんぶ実現してきよるね!」と一緒に喜んでくれた。まずは家族を大切にしてからだけど、と言うと楓太くんも、ももさんも大きく頷いてくれてなんだか安心。全力疾走で走っている人に追いつけなくてもどかしい日もあるけれど、僕は僕のペースを大切にしたい。

03/22 Fri.

朝から福岡まで日帰り出張。いつもは午前中で終わってしまう調査が午後までかかって、ヘトヘトになりながら楓芽を迎えに行く。今日は外食でも……思ったけど唯は明日も仕事だよなあ。踏みとどまっていると唯から電話がかかってきて「今日はもう外食にする?」と言ってくれたのでジョイフルで晩ごはんを済ませることにした。昨夜の話の中で「2人の話を聞いて家族との関わり方を見直したって人が結構いて」とももさんが言っていた。僕ももれなくその1人になっていて、デザート頼もうかなあと言う唯も、お子さまランチを残さず食べた楓芽も、食べても食べても足りないとグズる蒼空も、ぜんぶが昨日よりも大事に思えた。活動的な僕を許してくれる家族を大切にすることが、いま僕がやるべきことだなあと思う。今週は自分が大切にすべきことを見直すための1週間なのかもしれない。

03/23 Sat.

朝から唯と蒼空を保育園に送り届けて、とびひが出ている楓芽を皮膚科に連れていくためにネット予約を入れた。けれども20人以上待たないといけなくて、次の予定を崩せなかったので諦める。皮膚科に行きたくない楓芽は「本当は行きたいんだけど仕方ないよね」と嬉しそうだった。それからLe'Pangにお願いしていた蒼空の一升パンを受け取りに行くと「待ってました」と笑顔で出迎えてくれて、いつまでも喋りつづける楓芽の話を真剣に聴いてくれる。おいしいパンの香りと優しい雰囲気が立ちこめるからやめられない。ここのところ推してるパンはレモンティだけど、どれもおいしいから、もしこの日記を読んでいる人がいたらぜひ食べてほしい。お昼からは恭一とほなみちゃんに付き合ってもらってハイハイレースに出て、それから蒼空の誕生日ケーキを予約するためにココウォークへ。接客してくれた若い店員さんが荷物を持って抱っこ紐をつけている僕を気遣ってくれて申込用紙を書いてくれていたのだけど、先輩が取り上げて「書いてもらった方が早いから」と言う。たしかに書けないことはなかったし、おそらく先輩はメッセージや住所の間違いが起こらないようリスクマネジメントをしてくれたんだろうけど、用紙を見せてもらいながら進めていたので気の毒だった。受け取った優しさを無駄にしたくなくて、「丁寧にありがとうございました」と伝えて店を後にした。

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