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週日記 2024.02.18 - 24

02/18 Sun.

唯が夕方まで用事があったので、楓芽と蒼空を連れて実家の家族と買い物に出かける。『どすこいみいちゃんパンやさん』を読んだ楓芽がしきりに「パンをつくりたい」と言っていたので、材料を買ってお昼すぎからパンづくり。片や僕は蒼空を寝せて、UNIMAKIZINE2024で販売するzineの製本。結局どちらも夕方までかかってしまって、バタバタとウニスカさんへ搬入に行った。毎年のことながら、この時期はひとつ終わればまたひとつと押し寄せてくる。終わってみれば何となく楽しかった記憶が残るのに、渦中にいる間はあんまり楽しいと思えないなんてことも多々あって、今がその時期だと思う。楓芽のつくったフランスパンはきちんとフランスパンで、味もおいしかった。

02/19 Mon.

午後から社長と一緒にスタジアムシティの工事現場へ行く。1年半前にパンフレットの原稿を書いて、今は配管の図面を描いている。どちらもたくさんの人たちが関わる仕事の一端にすぎないけれど、こんな大きなプロジェクトに全く異なる視点から携わることができたのは僕だけかもしれないなあと思って嬉しくなった。夜は溜まっていた原稿を書き進めて、拠点づくりの調べものをしたり、思いの丈を語り合ったりしているうちに日をまたぐ。明日の朝がしんどくなるのは分かっているのに夜更かしがやめられない理由は、「忙しい」のひと言で片付けられない。

02/20 Tue.

仕事から帰ってすぐにお風呂を済ませて、唯と子どもたちを実家へ送り届ける。それから三和の地域センターで開かれたナナフェスの打合せに参加した。「この間、伊王島共生幼児園に本を届けたでしょ?」と、帰り際に林田さん(伊王島地区の地域おこし協力隊)が声を掛けてくれた。「写真を見せてもらってちょーのくんだと分かって、『一緒にやってる仲間なんですよ〜』って話をしてさあ…」と続けてくれて、去年は協賛でしか力になれなかったのになあと思う。何気ない言葉を拾い集めては一喜一憂しちゃう性格は時にめんどうだけれど、だからこそ何度も言葉に救われてきた。既にあるコミュニティに入っていくことは僕が最も苦手とするところだけど、少しずつでも力になれたらいいなあ。

02/21 Wed.

小鳥書房文学賞の原稿を仕上げるか、フリーペーパーのデザインを練るか、どうしようかと悩んだ末に確定申告をすることにした。ここのところ、自分が大切にしたいことややりたいことにはお金が必要だなあと思う瞬間がよくある。だから会社員(健やかに暮らすためのお金)と個人事業主(営みを続けるためのお金)の二足のわらじという道を選んだけど、その土壌が少しずつ整ってきている気がする。何をするにも不器用で、飽きっぽいけど、無駄に見えちゃう小さな積み重ねを見落とさないようになってきたからだと思う。そしてその要因のひとつは、まちがいなくこの週日記だ。

02/22 Thu.

僕のタスクが増えていることに気がついた社長や常務が、仕事をうまく分散してくれる。それはとてもありがたいのだけど、どうしても気を遣ってくれているような感じがしてもやもや。もちろん「仕事を勝手に減らさないでほしい」という意味ではなくて、ハラスメントにまみれた世の中の摂理なんだと思っていた。けれども、ここのところ人付き合いが上手ではない僕の方に原因がある気がしてならない。SNSひとつ取っても、僕は自分の声や表情が見える投稿は滅多にしないし、相対するように楽しそうな様子を投稿している人たちが羨ましくさえ思えてしまう。毎日が充実しているのに、人生楽しいのに、よく作り笑いをしている。

02/23 Fri.

義叔母が福岡から遊びに来ていたので、義母、義弟夫婦と一緒にハウステンボスへ行く。入るときこそ小雨が降っていたけれど、歩くうちにやんで気にならなくなった。空模様よりもテーマパークに夢中な楓芽は目に入るものすべてがキラキラしているようで、誰かの手を引いては走り出す。「次どこに行くと?」と聞くと「もっと楽しいところに行こうよ!」なんて抽象的な答えが返ってくる。けれども楓芽がいま見ている世界のすべてが楽しいで溢れていることだけは十二分に伝わってきて、僕たちがここに来た理由を体現してくれた。帰ろうとすると「今日はばあばの家にお泊まり!」と言うので、長崎へ戻ってからお泊まりの道具だけを届けた。明日は義弟の家にお泊まりするらしい。

02/24 Sat.

今日も義母と義叔母と一緒に、雲仙市まで車を走らせる。思っていたよりも人は多くなくて、待たずに足湯に入ることができた。すると楓芽に近づいてきて、おもむろに話しかける老人。回想しなくても分かる、いつかの週日記で書いたノーデリカシーじいちゃんだ。足湯で気持ちよくなったところで気分を害される体験は二度とごめんなので、そそくさとその場をあとにした。それから蒸したさつま芋と温泉たまご、肉まんを食べて、帰り道でじゃがちゃんを食べて、楓芽を義弟の家まで送り届けた。四六時中しゃべっている楓芽がいないと車内が静かで、ちょっと寂しい。わがままなのはいつだって親なんだなあ。

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