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【映画感想】花束みたいな恋をした

今日は雨だから映画感想でも。

もっと語彙力と文章力のある人たちによって、散々語り尽くされてるだろう映画だし、ほぼあらすじだけど、読んでみて興味が湧いたら是非観てみて欲しい。ひとりの夜に部屋を暗くして、ベッドの中で。

そうすれば泣いてもそのまま寝られるから。


✳︎

主人公は、菅田将暉演じる「麦」と、有村架純演じる「絹」。

ふたりは偶然出会った。趣味の合うふたりは共通する価値観を尊きものと感じ、付き合い始めた。もちろん趣味の全てが一致した訳ではなかったが(麦はガスタンクが好きで、絹はガスタンクに興味がなくとも)、ふたりはこれ以上ないくらい互いのことが好きだった。

ふたりは卒業後も社会から目を背け、互いの存在に没頭していた。


フリーターとなり共に暮らし始めたふたり。

駅から徒歩30分。
多摩川沿いの遊歩道をふたりで歩く。ふたりの部屋には昼間は陽光が降り注ぎ、ときおり心地よい川風が吹き込む。新しい家の近くには老夫婦の営むパン屋があった。焼きそばパンを買って「美味しいね」と笑いあった。
休みの日はふたりベッドで漫画を読み、いつもそばにいた。
完全なるふたりだけの空間。前半はひたすらに甘い。


しかし、物語は段々と影を帯びる。

ふたりとも両親や社会からの責任感の圧力からは逃れられなかった。
ついに就職を決意する麦。絹もともに就職活動を始める。先に就職が決まったのは後から始めた絹だった。彼女は事務の仕事に就いた。
春、やっとのことで就職先のきまった麦。彼は営業として、業務時間外も出張のための準備や人付き合いに時間を割き、懸命に働き、「社会人」としての責任感を背負っていった。

絹と過ごす時間は減り、ふたりは趣味を共有して楽しむことも出来なくなっていた。
仕事に余裕のある絹には不満が募った。


ふたりは喧嘩することが多くなった。
「じゃあ、もう、結婚しよ!」と言う麦に
「思ってたのと違ったなあ....」と零す絹。
こんなやけくそなプロポーズじゃなくて、もっと余裕があって幸せいっぱいでしょうがないプロポーズを夢見ていた。


人のために働くのが社会人。仕事には責任をもって。男として、絹を幸せにしなければ。「俺頑張るから」「絹を幸せにするから」。二人で頑張って乗り越えればいいことも、麦はひとりで背負おうとした。


そんな将来の話じゃなくていまの私をみて。
映画にいこう。漫画を読もう。ゲームしよう。
また二人で笑い合おう。
そんな日々が私は好きだったよ。楽しければいいじゃん。絹はそう思っていた。


そうして麦と絹の間には徐々に、確実に溝が生じていった。


別れのとき。昔みたいにデートをした。

「やっぱり別れたくないよ」と言う麦。


「今日が楽しかったからそう思うんだよ。
一緒にいたらまた辛くなるよ」と言う絹。

ふたりして辛いのは、絹にはもう十分だった。


✳︎

彼氏と付き合い初めて一年半くらいで、この映画をひとりで観にいった。自分たちの行く末を見ているようで辛かった。

なによりリアリティがすごい。自分も社会人になって2年目で麦の責任感も分かるし、一方で絹の楽観的な感じも少し自分に似ていて、同族嫌悪しそうなほどだった。

内容は多くの若者の心に刺さるんだろうな〜。


次は似たような(?)映画でいうと「愛がなんだ」を観たい。

観たらたぶんまた感想書きます。


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