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#120 創業100年のプロバイオティクス製造会社。森永乳業株式会社。

毎日夜19:30に更新中!腸内細菌相談室。
現役の研究者である鈴木大輔が、腸内細菌にまつわるエピソードをお届けしております🦠

今回お届けするエピソードでは、創業100年を2017年に迎えたプロバイオティクス製造の大御所、森永乳業株式会社についてのお話をします。先日は、研究者が創業者である株式会社ヤクルトについてのお話をしましたが、森永乳業株式会社の創業者である森永太一郎は研究のバックグラウンドは持ちませんでした。今日の森永乳業株式会社ができるまでの変遷についてお話をしていきます!

今回のお話は、森永乳業株式会社のホームページを骨子としています!

このお話は、聴いて楽しむポッドキャストでも公開しております!ぜひ遊びに来てください!

森永乳業株式会社ができるまで

森永乳業株式会社の創業は1917年9月1日です。しかし、そのルーツはさらに20年ほど前にさかのぼります。森永と聞くと、森永乳業の他に森永製菓が思い浮かぶのではないでしょうか?そうです、森永乳業と森永製菓は兄弟会社に当たり、古い歴史を持つのは森永製菓です。森永乳業はアルファベットのMがロゴマークであるのに対して、森永製菓は天使のマークがロゴマークです。森永製菓といえば、チョコボールやアイス、ハイチュウなど製菓の最大手です。

森永乳業のルーツとなる森永製菓は、明治の半ば、1899年の赤坂に開店します。創業者の森永太一郎は、学校に通えず12歳まで名前がかけないほどに十分な教育を受けることができませんでした。おじの山崎文左衛門に面倒をみてもらい、太一郎は商人を目指すことになります。ヤクルトの創業者である代田稔は、医学博士で研究者ですから、かなり対照的なバックグラウンドをもつ創業者であると言えるでしょう。

森永太一郎は、海外にて洋菓子の製造技術を5年間学んだ後、マシュマロを製造することにしました。当時は洋菓子に対する認知や理解が少なく、販売には苦心したようです。やがて、銀座の有名なパン屋や菓子屋が洋菓子を販売し始めることで、時代がついてきました。このストーリーは、森永太一郎物語にまとめられています。とても興味深い動画なので、是非御覧くださいね。

やがて、ミルクキャラメルの需要が爆発的に伸びることで、第一次世界大戦の煽りを受けて難しくなった乳原料の輸入を自給自足へ転換するために、1917年、森永乳業の前身となる日本煉乳株式会社という会社を設立しました。

森永太一郎から森永製菓や森永乳業の名前は来ていたんですね。日本煉乳株式会社は、森永製菓との合併分離を経過して1949年に森永乳業設立へ至ります。

創業100年を迎える森永乳業は、2022年3月末日現在で3349名の従業員数を誇る、牛乳、乳製品、アイスクリーム、飲料その他の食品等の製造、販売を行う会社です。2021年度の売上高は3668億円に登ります。株式会社ヤクルトと肩を並べる森永乳業は、プロバイオティクスのみならず様々な食品を手掛けている点、より消費者の食生活に近い会社といえるかもしれません。

では、森永乳業株式会社はどのような研究開発を手掛けているのでしょうか。

森永乳業株式会社の研究開発

森永乳業の研究開発は、複数の分野に渡ります。研究所としては、チーズの専門研究者が在籍する食品開発研究所、育児用ミルクの製造を手掛ける健康栄養科学研究所、プロバイオティクスの可能性を追求する素材応用研究所、腸内細菌の研究に特化する基礎研究所、レシピ開発や提案などを行うフードソリューション研究があります。

栄養科学研究所では、健康な乳幼児に向けた育児用ミルクに加えて、先天性代謝異常症等向けの特殊ミルクの開発を行っております。この業績が認められ、2022年12月23日には厚生労働大臣より感謝状の授与も行われています。また、育児用ミルクに加えて、宇宙飛行士の効率的な栄養摂取を目指したミルクの宇宙食を開発し、2020年には宇宙食認証を受けて宇宙に飛び立ちました。

このように、老若男女を問わないプロバイオティクスの開発や応用を行っているのが、森永乳業株式会社の特徴となります。中でも、素材応用研究所や基礎研究所は、腸内細菌相談室に関連が深いですね。例えば、独自の登録商標であるシールド乳酸菌の研究開発は素材応用研究所管轄であり、シールド乳酸菌には加熱殺菌された状態であっても抗体生産と免疫機能の維持に役立つとされています。殺菌された状態でも効果を発揮することから、利用用途が広がります。

森永乳業が発表する研究を覗いてみると、 Bifidobacterium属菌を含めた乳酸菌に関する研究が主であり、乳酸菌の基質利用から抗老化作用、分子生物学的なメカニズムの解明など、基礎から応用まで多岐に渡ります。

プロバイオティクスの紹介

森永乳業株式会社が提供するプロバイオティクスの主力商品は、ビヒダスプレーンヨーグルトです。ビヒダスプレーンヨーグルトは、Bifidobacterium longum BB536株を含んでいるプロバイオティクスとなります。他にも同じ細菌株を含む商品が展開されています。

今回は、創業100年となる森永乳業株式会社の紹介をしてみました。今後も、Bifidobacterium属菌についての研究報告を楽しみにしています!

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本日も一日、お疲れさまでした。

参考文献

森永乳業株式会社、Access: 2022/12/26

森永製菓と森永乳業の違いって?, エンゼルPLUS, Access: 2022/12/26

森永製菓商品の見分け方, エンゼルPLUS, Access: 2022/12/26

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