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韓国ひとり旅 #1「自分の目で確かめたい」

この記録は2019/8/19~8/25までの、私の渡韓一人旅の記録です。
記事のあれこれは私の主観によるものですが、国対国のゴタゴタを乗り越えて、人と人としての交流を大切にしたいと考えている方たちに、渡韓を考えている方には旅のヒントにして貰えるようであれば、とても嬉しく思います。
最初に書いておきますが、この7日間、慎重に行動していたということもありますが、地下鉄や徒歩、タクシーを使いましたが、一度も危ない目には合いませんでした。

渡韓出来るの?

私は5ヶ月ほど前に渡韓を決めていました。
けれども、日が近づくにつれて政治的な情勢が不安定になり、日に日に悪い噂しか聞こえなくなって行ったのです。
テレビもSNSも、謙韓を煽動するような発言や記事が増えていきました。
私は以前渡韓した折、見ず知らずの韓国人の方から、心温まる優しい計らいを幾度か受けていたこともあり、「何が真実で何が嘘なのか」「自分は起きている物事に対してどう感じ行動したいのか。」ということを、日々考えることになりました。
そして結果、私は「自分の目で見て、自分の耳で聞き、感じたことを信じたい」と、韓国に渡ることにしたのです。

留学中の友人や、宿泊先のオーナーに連絡を入れて情報を集めました。
心強かったのは、ゲストハウスのオーナーから「日本と韓国のリレイションシップは今とても難しい局面だけれど、皆、元気に帰ってくるから安心しておいでよ。僕たちは大歓迎するよ」と連絡を頂いたことでした。
こうして、私の、片言韓国語でのはじめての一人旅の幕があがったのです。
괜찮아、괜찮아。大丈夫、大丈夫と思いながら。

成田からソウルへ

成田のソウル行きの出発ロビーには、思った以上の日本人。航空運賃が値崩れしていることもあるのか「え?こんなにいるの?」「おぉ!すごい」という具合でした。入国審査もこの通りの人、人、人。

初めてのゲストハウス

前回の韓国旅行はホテル滞在でしたが、暮らすように韓国を体験したいという思いから、私の滞在はミニキッチンと洗濯機が付いているゲストハウスの個室に決めました。
ソウル駅から徒歩5分もかからないところにあるゲストハウスです。
これまではソウル駅の表側(ロッテマートやヒルトンホテル等がある)市庁や明洞といった近代的な場所に近い所しか見ていなかったのですが、私の泊まるゲストハウスは、駅の裏側。
AREX(空港鉄道)からの移動が便利な15番出口が最寄です。
目の前には、ソウルの庶民が暮らす景色。
病院があって、公園があって、そこで近所のおじさんが昼からシートを広げてソジュを飲んでいる。駅までの道ではハルモニが表に出てひなたぼっこをしたり、野良猫が歩く、そんな光景があたり前にある場所でした。

大都市ソウルの裏側

裏側といえども、観光客はいます。でも、白人や日本人、中国人はあまりいない場所でした。
そして、駅の近くでは、ホームレスの方たちを何人もみました。外側から内側を見るとこう見えるのか。日本でもそうした方たちを見ますが、改めて都市の華やかさの裏側にある、社会の端に追いやられた人々の姿をみたことは、「国」の政策がどう動いているのかを考える機会になりました。
政治の闘いの裏側には、私を含めてそこに暮らす人がいます。
庶民の代表と呼ばれる政治家たちが、本当に見なくてはいけないところを疎かにしているのは、日本も韓国も変わらないのかもしれない。
そしてそこで暮らす人々の未来のビジョンを思い描けている政治家はどれくらいいるのだろう?そんなことを考えました。
先進国の裏側にある貧富の差という大きな課題に垣根はありません。

民の思い

韓国の教育方針を学んだことはありませんが、私が韓国にいて思ったのは、16世紀の秀吉の朝鮮出兵から、韓国では日本への「悔しい」思いが受け継がれてきたのだと思います。
「痛み」が受け継がれてきた、と言ってもいいのかもしれません。現在の安倍対文ということではなく、もっとずっとずっと根深いものなんだなと思ったのです。時代は変わりましたが、それが根底に流れている国と、アメリカに核爆弾を落とされても、それを広島や長崎だけの問題として流せてしまう国民性の違いと言ってもいいのかもしれません。
どこか他人事のこの国の人達との大きな大きな差を、隔たりの源を見たように感じました。

儒教と天文学

今回は博物館や街中に残る門を沢山見ました。
ヨーロッパを旅した時にも、感じた、古いものを残しながら新しいものと融合をさせていくという文化の違い。私は、歴史に限らず、新しいものに塗り替えるのはでなく、排除するでもない融合が必要であり大切だと考えているので、韓国の街中に残るこうした場所をとても心地よく感じました。
韓国は古くから儒教を重んじてきた国ですが、「普信閣」には大きな釣鐘があって、都城の開閉時間や火災などの緊急時に鐘をならしてそれを知らせたという場所がありました。開門の時には三十三の神にちなんで33回、閉門の時には、天球を28のエリアに分けた中国の天文学や占星術にちなみ、28回鳴らしたのだそう。天と地そして人という韓国語の文字の成り立ちにも通じるところがあって、韓国という国の古来の人々の思いが伝わってきたのでした。

働く人たちとお酒

今回、どうしても行ってみたかった乙支路~鐘路エリア。この辺りを歩くと、ミシン通り、ジュエリー通り、工具通り…と様々なお店が並びます。
汗を流して働いている人たちが沢山いるエリアです。そして仕事のあとに気軽に一杯できるお店がたくさんあるのもこのエリア。
今回はそうした人情味ある飲み処の本を何冊も出版しているチョン・ウンスクさんにご案内をお願いして、数件訪ねました。
一人ではなかなか入れないお店。棚には一杯のお菓子が並び、缶詰も!私は小さな貝の缶詰を選んだのですが、おかみさんが、皿に移し変えて、赤唐辛子粉と青唐辛子の刻んだものをかけてくれました。美味しかった。
先客には4人のアジョッシ(おじさん)。そしてそのあとあっという間にお店は満席に。そして、路地裏を通り次のお店に向かう途中で、アジョッシ達が路地のテーブルにおいていたマッコリに目を止めたウンスクさん。おじさんに尋ねると、出してくれているお店を教えてくれて、私たちはそこへ向かうことになりました。発酵したエイのツンとしたところにマッコリを飲むと清涼感!と教えて頂き挑戦!!!いや、なかなかに手ごわい(笑)
おつまみとして出てきた玉ねぎとねぎを巻いて頂きました。
お酒に弱い私は、ビール2杯とマッコリ2杯で上機嫌。
その後、ソウルのデートスポットでウンスクさんと人生を語り合い、空を見上げ、宗廟といって歴代の王朝の皆さんが祭られている大きな敷地の左側の通りにある青空カフェでアイスコーヒーでブレイクしたあと、行きたかった、安国駅のちかくにある「アリラン」へ向かいました。
アリランのママは、歌手でもありその透き通るような歌声のCDを聴きながら夜は更けていったのでした。ママを見ていると、身のこなしが軽やかで、そして自然体。元気を貰って深夜の帰宅となりました。  続く

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