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「えこひいき」は生まれるものだ

学校からの卒業もあれば、新しい仕事をみつけて今の職場を後にする。
そんな卒業もあります。
自分自身でも卒業を何度か体験してきたけれど、一番思い出に残っている卒業は、番組からの卒業かなぁ。けれど、終わりは始まりでもあるので、どんな卒業でも悲しみはありません。

そして、生徒を持っていると、必ず見送る側に立ち、彼らを見送ることになるのです。今日も一人、背中を押して生徒が一人、卒業しました。

授業の最後。
彼と共に学んだことを、A4のシートにまとめて手渡しました。それを握り締めて彼がこんなことを言ったのです。
「質問があります。どうしてこんなに熱心に僕に授業をしてくれたんですか?」「何が先生を動かしたんでしょう?
すごい質問でしょう?(笑)彼のひと言を聞きながら、今日のタイトル「えこひいきって、生まれるんだよ」という言葉が浮かびました。

先生も、上司も、部下も、良く行く食堂やラーメン屋のおばちゃんも人なんです。そこには必ず人に対する感情が生まれます。
これは抗えない事実です。勿論、その上で平等を心がけますが、実は、少しだけ違うと私は思うのです。

相手を動かせるものはなにか。というのは、相対する人の価値観や感性に直結していることですから、初対面の相手同士では、何が鍵になるのか、あるいは地雷になるのかなど分かりません
そうした意味では、第一印象で90%は決まるというようなことが言われていますが、たとえ第一印象が悪くても、残りの10%で大逆転もあるということなのです。

私の場合は、「率直さ」や「懸命さ」「誠実さ」に動かされることが多いように思います。その方の「懸命さ」は、確実にこちらに、相手に伝わります。たとえ、上手く話せなくとも、どんなに下手でも、最初は構わないのです。なぜなら、技術は身につくからです。
技術ではなく、成長したい、変わりたいと、懸命に何かに取り組む様子に触れる、あるいは、目標に向かって「どうしても」と欲する時の、人の取り組みに心が動くのです。
懸命に行動し続ける人と、変わりたい、変化したいと言いながら、自分自身の行動を振り返ることもなく、他人まかせで行動に移さない人とでは、相手に届く熱量がまるで違うのだということです。

一生懸命は、人を動かし、
思いやりは、人を動かし、
自分をさらけ出して飛び込んでくる人にも、心が動きます。

けれども、他人まかせで
誠実さのない表面的な、
取り繕いだらけの人には、まったく心が動きません。

両者がいれば、どうしても、前者のほうに思い入れが強くなってしまうのは仕方のないことだと思うのです。
上手く世渡りをすること、人に取り入ること、マニュアルどうりに出来ることが、人を決めるのはないと私は信じています。
同じ時期に、同じ年齢で、同じ立場で現れた人でも、心が動く人とそうでない人がいるということなのです。

勉強の出来る頭の良さは大切ですが、それよりももっと大切なことは、人の心を動かしていける人ではないかと思っています。
相手の心を燃やせる人、というのは、相手を一生懸命にさせてしまう人です。「コイツのためなら、人肌脱ごう」と思わせてしまうというのは、どんなことより凄いことなんです。

今日、卒業した生徒さんは本当に熱心な方でした。
最初は滑舌が悪い、声が通らない、聞いて貰えないという悩みを持って通ってきてくださっていましたが、人と相対することというのはどういうことか。を共にディスカッションをし、トライアウトをし、困ったことがあればその振り返りをする。といったことを繰り返すうちに、声の問題はまったく気にならなくなりました。
その熱心さにほだされ、私はせっせと授業の準備をしたのです。それは共に成長することの喜びだったように思います。
そうです、半年間の授業は、私の大きな学びになりました。

今の時代は、物質的なものが中心になっているように見えますが、それだけでは、決して人と人は繋がれないのです。


今日送り出したビジネスマンの彼は、これから故郷に帰って家業を継ぎます。経験すべてが学び、そんなことの端っこが少しでもわかってくれていたら嬉しいなと思っています。
とても清々しい春分の日でした。

私のえこひいきの想い出は、ラーメン屋のおばちゃんです。
いつも一人でお店に行っているうちに、ご飯をサービスして貰ったり、お金のない劇団の子を連れて行けば、ご飯と卵をサービスして貰えたりしていたのです。嬉しかったなぁ(笑)

今日も、たくさんある情報の中から私のnoteを読んでくださり、ありがとうございました。また、明日からも書けそうです。
それではまた明日。
同じ場所で。


choko

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