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ジブリは映画館で見よう


過去のジブリ作品を映画館で見る。
こんな幸せなことって、あるだろうか。


ジブリ4作品を3週間上映!

そんなニュースが駆け巡った6月。
そして6月末から週に1回映画館に通って、3作品みてきました。

「千と千尋の神隠し」
「風の谷のナウシカ」
「もののけ姫」
(「ゲド戦記」は信条的な理由で見ませんでした。)

どれもすばらしかった。
あと1ヶ月続けてくれれば、ぜったいリピートしたのに。

見終わったあと、どうにもウズウズしてしまって何か書こうとしたのですが、いかんせんジブリには根強いファンというかオタクたちがいるので、わたし如きが思いつく考察はおそらく語り尽くされていることでしょう。

新書でも読みやすい解説書やエッセイも出ていることですし、作品についてウンチクを語るのは、そちらに任せようと思います。


ではわたしに何が書けるか、というと、これはもう、「映画館で見た」感想というか、今回改めて見て感じたことを、ただ殴り書くだけです。


でもほら、人の感想をみて、「そうそうわかる〜〜〜!」てするのって、結構需要あるじゃないですか。
そういうのに使ってもらえればと思います。


わたしが今回特に感じたのは、「音」そして「色」です。


ところで映画館の話になりますが、今回ちゃんと上映スクリーンを調べてから見に行きました。
なので、どの作品もTOHOシネマズ日比谷のスクリーン1で見れたんです。
スクリーン1はプレミアムシアターと呼ばれる、日比谷で一番大きなスクリーンで、音響も一番いいやつです。
もちろん座席もいい。
このシアターの、真ん中より前の列のど真ん中で見るのが、一番没入感があって好きです。
ま、今回はど真ん中取れなかったんですけど。

もともとの公開年は
「風の谷のナウシカ」が1984年
「もののけ姫」が1997年
「千と千尋の神隠し」が2001年
です。

どれも、公開時にはこんなに大きなスクリーンもいい音響もありませんでした。

公開時よりもいい環境で見れる。
これほどすごいことって、なかなかないでしょう。


また少し話が飛んで、わたしのジブリ歴のことですが、映画館で初めて見たジブリは「千と千尋」だった気がします。
「もののけ姫」が公開していたときの記憶はありますが、当時は映画館で映画を見る、という習慣がありませんでした。
「もののけ」についてはDVDで1度か2度見たことがあり、それ以前のジブリは金曜ロードショー(とその録画)で散々見ていました。
「千と千尋」はDVDで何回も見ています。

なので、物語も映像も音楽も、どれも馴染みがあるものです。


でもやっぱり、映画館の音響はすごかった。

包み込まれるような大音量。

制作年の古い「ナウシカ」でさえ、もともと曲の収録にオーケストラを使っているだけあって、音楽に厚みのあること。

「ナウシカ」のすごいところは、音楽の不快感がけっこうギリギリを攻めていることでした。
蟲の出てくるシーンの音楽が、どれも不協和音満載で、聴いていて気持ち悪さが際立つのです。
それでいて、音楽として成り立っている。
1984年でこんな攻めた曲をガッツリ盛り込んでくるの、さすが久石さんだと思います。

あとは、酸の湖で風が消えるシーン。
静かすぎて耳が痛い、という「静けさ」を、音で表現する。
ものすごい説得力。

結論:久石譲はすごい。

音楽に限らず、アニメというのは環境音でさえも”作り込まれた”世界で、実写のように「偶然入り込んだ音」や「意図したものとは違う音」というのがないんですよね。
だから、風の音や人のざわめき、足音、金属のこすれる音、そいうったひとつひとつが、世界を構築している。

それを体全体で受け止められるのが、映画館体験のよさだと、改めて実感しました。


そして、「ナウシカ」の酸の湖のシーンの、青の美しいこと。

ジブリは美術がすばらしいことでも有名ですが、あの水彩画のような色の美しさは、なんともいえません。

空の青や水の青が特にうつくしいと感じます。

「ナウシカ」の青は、夜から朝焼けに移りゆく色で、濃い青と白っぽいピンクの入り混じったところが最高に美しい。
「千と千尋」の青は、雨上がりの空の抜けるような空色、そして空を映した水の色。
「もののけ」の青は、夜空の暗さと森の暗さが混じり合ったような、緑がかった青で、重さがある。

すばらしいなー……
空の色の表現だけで、どれだけ表情があるのだろう。
ジブリの背景だけを延々と流す番組とかあったら、一日中見ていられる気がします。

あとは水の表現。
これは「もののけ」や「千と千尋」に軍配があがるのですが、透明感だけでなく、温度や質感までも感じられるような、あれは一体どうなっているのでしょう。
シシガミ様の池なんて、本当に美しいじゃないですか。
森の中の水って、海や川と違って、なんだかあんな感じですよね。


物語自体についても、語りたいことは山とあるのですが、いったん終わりにしておきましょう。


ああでも、あの音と色に溺れるために、ジブリは定期的に映画館で上映して欲しいですね。


まだ見ていない方、あと2日は楽しめますよ。

ぜひ。






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