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サイアノ和紙作家日記 vol.20 『因州和紙展開幕』

因州和紙展が始まった。
僕の作品のポイントは、
若き職人さんが手掛けた和紙の
柔らかな質感、風合いをどう活かすのか?
試行錯誤した結果、サイジング加工を施さない
サイアノタイプでつくることにした。
これなら深い青と和紙の風合いが両立する。
3点出品中の1点は比較の意味で
サイジングしたものも展示。

ただ、この作風がこの場所どうか、
一抹の不安もよぎる。
でも、いざ蓋を開けてみると、
和服姿の方々も僕の作品の前で足を止め、
写真の技法など説明するとみな一様に驚く。
そして、「この青が好き」とか
コンセプトにおもしろいと
気に入ってくれる人もいた。

写真界隈とは違う場所だからこそ、
お客さんに新鮮さも感じられて、
僕自身も刺激になる。
やっぱりジャンルにこだわることなく、
視覚を駆使したアートとして、
これからもやっていこうと改めて思った。

作品以外にも素敵な和紙が沢山ある。
つくった本人から直に話も聞けるし、
墨で試してみると一枚一枚特徴があって、
ホント、勉強になる。
作家、職人、悪い意味ではなく
立ち位置の違いに
気づくキッカケにもなった。
今回の展示に参加できて本当によかった。

因州和紙展2022 『伝統を未来へ』
12/12-17 10時から18時(最終日15時迄)
小津和紙2階小津ギャラリー
東京都中央区日本橋本町3-6-2

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