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【特別区採用試験】区面接対策 Aグループ

※当記事は令和3年度受験に向けたものですので、割引きしております。4980円→2980円
今年度も十分使える内容が多いかと思いますが、情報は当時のものであることをご承知おきください。


 年間45万~50万もの人が受験する公務員試験。その中でも特別区採用試験合格後に待ち受けている「区面接」対策用テキストです。
 それぞれの区を、統計・政策・構想・計画等の多彩な観点から研究・分析し、「強み・魅力」、「課題」、「重要施策」「求める人材」を集約しています。

 区面接を想定したテキストですが、もちろん希望区選びや論文、2次試験の面接でも有効活用できます。

 特別区採用試験の中でも最後にして最大の関門が「区面接」です。特別区採用試験に合格した者たちが競い合う試験なので、高いレベル間での戦いになります。
 同じレベルならば、面接官としては当然、区に対して熱意と愛着を持つ者を採用します。だからといって、ただ単に「この区が好きです」「この区のために全力で働きたいです」と言っても説得力がありません。

 区への熱意・愛着を示す最善の手段は「知識」です。具体的には、区の「強み・魅力」を語ることができ、「課題」を理解しており、「重要な施策」を押さえている。そんな受験者がいれば、採用しない理由がありません。特別区採用試験では既に知力、コミュニケーション力があることは証明されていますので、区面接ではこういった区への「知識」が勝敗を分けます。

 また、裏の話をすると、面接官は「合格後に辞退しそうな人」や「入区後に辞めそうな人」を採用してしまうことを非常に恐れます。責任が問われるからです。あなたが本当に第一志望だったとしても、それを裏付ける「知識」が無ければ面接官の不安を払拭することは非常に難しいでしょう。特に、内定後に他自治体へ人材がとられることが多い特別区において、面接官の疑いはシビアです。
 したがって、「絶対この人は辞退しないな」と思わせるような確固たる安心感を、あなたの「知識」をもって示す必要があります。

 そのために当テキストでは、それぞれの区を、統計・政策・構想・計画等の多彩な観点から研究・分析し、「強み・魅力」、「課題」、「重要施策」「求める人材」を集約しています。これにより、一般的な受験者では到底たどり着けないレベルの研究・分析結果を手に入れることができます。

 さらに、受験する区だけではなく他の区と比較することで、より説得力ある発言ができますので、比較研究できるように1つのテキストに複数の区を収録しています。収録区は次の通りですので、くれぐれもお間違えの無いようお願い致します。

Aグループ(当テキスト)・・・足立区、港区、板橋区、新宿区、杉並区、文京区、目黒区

Bグループ・・・世田谷区、渋谷区、江東区、墨田区、荒川区、江戸川区、葛飾区、中央区

Cグループ・・・千代田区、大田区、品川区、台東区、中野区、練馬区、豊島区、北区

 なお本来、特別区職員向けに提供する高度分析ダッシュボードを試験的に公開しております。
 現在、特別に無償で3件のレポートを公開しておりますので、ぜひご活用ください。

 さらに当記事の購入者の方には「10年間の人口動態」や「定住意向」等を含む追加11件のレポート(計14レポート)を掲載したダッシュボードも特別に提供しています。

 これにより、他区との相対的な比較とデータに基づいた説得力ある提言が可能になります。EBPMが重視される昨今の特別区において、あなたはその力を示すことで圧倒的に有利に立てます。

※利用に当たっては、ダッシュボードのトップページにある免責事項に同意したものとみなします。

※無断頒布・無断転載は固く禁じられています。

足立区の研究は無償公開しておりますので、ぜひご活用ください!

足立区

 足立区は東京都区部の北東部に位置しており、北区、荒川区、葛飾区と隣接しています。隅田川と荒川に挟まれた千住地区と、面積の大半を占める荒川以北の地区に分かれています。

 足立区の歴史は江戸時代まで遡ります。千住に日光道中で最初の宿場が定められたことをきっかけに発展を続け、明治以降は軽工業・重化学工業が盛んになりました。その後、鉄道の開通とともに人口が増加。大正時代の関東大震災では足立区域の被害が比較的少なかったことから、多くの人々が足立区へ移り住むようになり、年々都市化が進んでいきました。近年では、つくばエクスプレスの開業や日暮里・舎人ライナーの新設によって交通利便性が飛躍的に向上しました。これにより、北千住を中心に住宅地として高い人気を誇るようになりました。荒川をはじめとした豊かな水辺、豊富な公園、西新井大師等に代表される名所旧跡は多くの区民に愛されています。
 そんな足立区ですが区の憲法ともいえる基本構想で、目標とする将来像を次の通り掲げています。

「協創力でつくる 活力にあふれ 進化し続ける ひと・まち足立」

この将来像のキーワードについて、次の通り定義されています。

「協創力」・・・「協創」により、区民・地域・事業者・団体・行政等、それぞれの想いや力が重なりあい、 互いの役割を果たすことで、地域課題を解決していく「力」、ともにまちを創り魅力を生み出していく「力」、すなわちこれが「協創力」です。 「協創力」は、未来に向けて踏み出す第一歩となるとともに、区を取り巻く社会状況の変化に柔軟に対応するために必要なエンジンとなります。

「活力」・・・持続可能な社会を支えるための力であるとともに、進化のためのエネルギーでもあります。「活力」には、区民一人ひとりの活力、まちの活力、行政の活力、つながりや新しい動きから生まれる活力など、様々な形があります。「活力」は、多様な人々や団体などが、ゆるやかにつながることで生み出される「協創力」によって一層増大します。まちに「活力」があふれることで人やモノが自然と集積し、つながり、新しい動きが巻き起こります。それが、まち全体の活力として足立区を動かし、「進化」へとつながるエネルギーとなります。

「進化」・・・今後起こり得る様々な変化に柔軟に対応し、課題を克服し、危機的状況を乗り越えていくことです。「進化」には、一人ひとりの成長、人と人とのつながりの深まり、まちの発展、行財政の改革など、様々な形があります。「活力」によって、人やまち、行政が進化し、より幅広い多様性の 受容が進み、刻々と変化する状況への対応力が高まります。「協創力」によって呼び起こされた新たな「活力」が、さらなる「進化」を生み出す、というプラスのスパイラルにより、「進化」はより深まります。

これまで足立区では「協働」によって区民と同じ方向を目指し、主に行政から区民や地域、団体に呼びかけや依頼を行い、協力・連携する形が多く見られました。その後 「協働」の考え方が浸透するにつれ、区民や民間事業者の主体的な取組みも展開されるようになりました。
そこで、足立区は「協働」から「協創」へと一歩踏み込むことを決意しました。

 子どもから高齢者、障がいのある人等、多様な個が夢や希望に向かってチャレンジし、 社会と関わる中で、自ら誇りや生きがいを感じることで、時代の変化から生じる課題を克服するとともに、新たなまちの魅力を創出していくことを目標としています。そのうえで、互いの個性や価値観を認めあい、ゆるやかにつながり、支え合うことができれば、より一層力を発揮することができます。足立区ではこの仕組みを「協創」と呼び、持続可能なまちを築き上げる根本と位置づけています。

 これを実現するために区職員には、区の方向性を示して主体的に取組むこれまでの役割に加え、個が輝くために必要な支援を強化・充実させるとともに、個々の目的を持って行動しようとする多様な主体をつなげていくコーディネーター役も担うことが求められます。面接ではこの点を理解することが重要です。

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【交通利便性と生活のしやすさ】
 近年の足立区の交通網発達は目覚ましいものがあります。鉄道は、東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)・大師線、JR常磐線、京成本線、東京メトロ日比谷線・千代田線、つくばエクスプレスの5社7路線で構成され、平成20年3月30日には、東京都交通局が運行する新交通システム「日暮里・舎人ライナー」が開業しました。さらに、区内鉄道利用不便地域のさらなる解消と鉄道ネットワークの向上をめざし、環状(東西)方向に「環七高速鉄道(メトロセブン)」、区東部地域に「地下鉄8号線の延伸」を優先整備促進路線として位置付け、都や国に働きかけています。また、鉄道駅を結ぶコミュニティバスの路線増設などにより、公共交通が不便な地域(交通空白地域)が大幅に減少しています。今後はさらに、交通不便地域(花畑周辺地区等)の解消に向けたバスの検証運行や、コミュニティバス「はるかぜ」の車両等購入費を補助するなど、地域の「足」を絶やさない取り組みを行っていく方針です。
 また、足立区は都心に比べ物価が安いこともあり、とりわけ若い世代の転入増が顕著です。足立区の人口増総数のうち約3割もの人が同じ都内から転入してきた人です。この割合は23区内でもトップクラスです。競争が激しい都内自治体の中でも足立区を選び、住む人が増えているのです。以前はあまりプラスイメージで語られることが少なかった足立区ですが、北千住を中心にブランド力の向上が目覚ましく、区政努力の成果といえます。努力次第でさらなる発展が期待できるので、職員としてはやりがいがあるでしょう。

【協創による地域のつながり】
 古くから足立区は、下町地域ならではの人情味あふれる地域コミュニティを中心とした「協働」が根付いています。区が「協働」の理念を掲げる以前から、住区センターの自主管理など「協働」の形をとった取組みが行われてきました。以前の足立区基本構想で「協働」の理念を推進した結果、協働事業の数はさらに増大しました。区ではこれまで、町会・自治会をはじめとする地域団体、区民組織、ボランティア団体との協働を進めてきました。後述するビューティフル・ウィンドウズ運動や孤立ゼロプロジェクト、絆づくり、子ども食堂などの分野では大勢の区民、事業者が係わり合い、区内に協働の理念が広く浸透してきました。こうした経験から、ボトルネック的課題への取り組みには区行政だけではなく、住民との協働によって高い効果が得られることが分かりました。そこで足立区は「協働」を進化させた「協創」へ歩みを進めていくことを基本構想で掲げ、活動をさらに強めました。今では、「環境活動プラットフォーム」や「健康経営プラットフォーム」、「子どもの未来プラットフォーム」など、テーマごとに協創基盤をつくり、担い手の多様性の「広がり」・自主的活動の「深まり」を支えています。
 一方で足立区の発展に伴い、単身の若者やファミリー層が流入してきていますが、こういった層は地域コミュニティへの関心が薄いことが特徴です。毎年実施している「足立区政に関する世論調査」によると、「協創」の認知度は少しずつ増加しているものの、まだ1割台半ばに留まります。また、「協創」について「関心はあるが、特に活動していない」が6割弱で、「関心がない」が約2割ということからも、足立区の良さである「人情味ある温かいつながり」をいかにして維持・継承・浸透させていくかが今後の課題です。

【区内の大学との連携】
 これまで足立区は区内に高等教育・研究機関が少なく、学習環境が不十分であることを指摘されてきました。そこで、千住エリアを中心に積極的な大学を誘致施策を行った結果、キャンパス数の増加につなげることができました。これは足立区行政の努力の賜物です。足立区では、区内6大学(放送大学、東京藝術大学、東京未来大学、帝京科学大学、東京電機大学、文教大学※2021年)の学術的な資源を活用して、その特色を生かしたさまざまな連携の取り組みを進めています。
 これまで小・中学校を対象とした各種体験教室、区内産業との共同研究による技術力向上など様々な連携を行い、成果をあげています。その他、大学の幼児保育学科の先生や大学生が子どもたちに遊びを紹介する動画の配信や、アートボランティア講座の開催、商店街の新しいフラッグデザインの考案、創業期の事業者の自立を支援する創業支援施設の設置、音楽教育支援、遠足の実施など連携は多岐にわたります。
 区行政は、大学を「足立の未来を拓く、力強いパートナー」として大いに期待しており、今後は、さらに世代を超えて幅広く区民が恩恵を受けられるような連携事業を展開していく方針です。

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足立区では、「治安・学力・健康・貧困の連鎖」の4つをボトルネック的課題(区の発展のためにどうしても打開しなければならない課題)と位置づけ、全庁横断的な取組みを進めています。都市機能面の評価が徐々に高まりつつある足立区ですが、根強いマイナスイメージの払しょくが課題です。こうしたイメージが区民意識や民間の経済活動などに与えるダメージは計り知れないため、重点的に取り組む必要があります。

【治安(犯罪件数のさらなる減少
 足立区の令和2年11月末現在の刑法犯認知件数は、3,387件で前年同期比902件減少し、23区中、上位19位でした。昼間人口と夜間人口の合計を刑法犯罪発生件数で除した犯罪比率は上位15位と、23区内では最悪レベルを脱していますが、依然として良好とはいえない状況です。「誰もが実感できる安全で安心なまち足立」の実現に向けて、地域総ぐるみで区内刑法犯認知件数や自転車の放置率の減少に取組んでおり、これらの成果は確実に表れています。また、町会・自治会が自ら行う防犯活動を認定する「足立区防犯まちづくり推進地区認定制度」や、防犯環境設計を基準にした考え方を定め防犯に配慮したまちづくりを推進する「足立区防犯設計ガイドラインの策定」など、まち全体で防犯を強化しています。その他、地道な防犯啓発活動や、地域の自主防犯パトロール活動助成など多様な施策によって徐々に治安は回復しています。
 一方で、区外からの治安イメージは思うように改善されていません。今後は、区内外からの評価を高めるため、防犯だけではなく、美化・景観を重視したまちづくり等の取組みをこれまで以上に拡張していくことが求められます。また、足立区政の強みである広報力も活かした戦略も期待されています。

【学力(基礎学力の定着・向上)】
 23区内の学力格差は顕著です。足立区は「児童・生徒の学力向上を図るための調査」をはじめとした学力調査で常に下位という状況です。その背景には、所得や親の学力といった様々な要因があるため一筋縄ではいきませんが、区行政はできる範囲で支援を行っています。たとえば、学力調査結果等から得られる個々の学習状況の把握・分析に基づき教員の授業力向上を図ります。これにより「わかる授業、魅力ある授業」を実現します。また、きめ細かい学習指導や学習支援でつまずきを解消する「個に応じた指導」の充実を図り、児童・生徒の 基礎学力の定着と向上につなげます。さらに、GIGAスクール構想に則り児童・生徒1人1台のタブレット端末等を配備しましたが、これを活用した授業を通じて、協働的な学び(子どもたちが相互に学び合い、教え合いながら、様々な人達と協力して課題に取り組む学習)を実現し、学力の向上につなげます。ファミリー層の人気を獲得しつつある足立区において、充実した教育は今後ますます求められていくことでしょう。

【健康(健康寿命の延伸)】
 足立区では他区に類を見ないスピードで急速に高齢化が進んでいます。平成11年までは23区中22位だった高齢化率が、令和元年度には約25%と23区内では第1位になっています。一方で、生産年齢人口(15~64歳)の割合は平成19年以降最下位となっています。問題は高齢化そのものにあるわけではなく、健康寿命の短さです。
 足立区の調査では、区民の健康寿命は都平均より約2歳少ないという結果が明らかになっています。さらに、区民一人当たりの糖尿病医療費・受診件数は23区内でトップでした。この原因として、重症化するまで対処されないケースが多いこと、糖尿病未治療者などの健康無関心層が約4割存在することが挙げられています。そこで区は、「住んでいると自ずと健康になれる仕組みの構築」によって努力や労力を極力要さない形で健康寿命の延伸を図っています。たとえば糖尿病対策としてスタートした「あだちベジタベライフ」施策では、従来の教育や情報提供によるアプローチではなく、「野菜を食べやすい環境づくり」や「子どもの頃からの良い生活習慣の定着」といった環境面からのアプローチを行っています。区内の協力飲食店のメニューに“ベジファースト”や“野菜たっぷり”メニューを追加してもらうことや、給食で区内で採れた新鮮野菜や旬の野菜を使った「野菜の日」メニューを提供するなど、取り組みは多岐に渡ります。健康推進施策は「健康あだち21行動計画」に沿って行われており、今後も足立区の健康寿命増進の為にさらなる施策が期待されています。

【貧困の連鎖(貧困の連鎖の解消)】
 足立区の生活保護受給者数は増加傾向にあります。令和元年度統計では生活保護の保護率が23区内で2位の多さでした。さらに、ひとり親や外国人家庭を中心に、生活に困窮する世帯も増加しています。家庭の経済的な格差から子どもの教育格差が生じ、さらには非正規雇用や無業による生活困窮など、格差の再生産と固定化による貧困の連鎖が足立区で大きな課題となっています。
 これに対して足立区では平成27年度、全国に先駆けて「未来へつなぐあだちプロジェクト 足立区子どもの貧困対策実施計画」 を策定し、子どもの貧困に対して積極的に取り組んできました。全ての子どもたちの現在及び将来が、生まれ育った環境に左右されることなく、子ども一人ひとりが夢や希望を持てる地域社会の実現を目指すこと等を理念として、教育から健康・生活まで多面的に施策を行ってきました。その結果、子ども食堂や子どもの居場所づくりなど地域の人々へも活動が広がりを見せており、まさに「協創」によって貧困に立ち向かう基盤が出来つつあります。
 子どもの貧困は一時的な支援で解決できるものではないため、生まれる前から青少年期、就職に至るまでのライフステージに応じた切れ目のない支援を行っていく方針です。

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【オンライン申請システム拡大】
 オンライン申請により、土日や夜間など都合の良い時間に手続きを終えられるシステムは足立区を含め、既にいくつかの区では実施されています。令和3年度は、eKYC(electronic Know Your Customer)の採用により申請できるメニューを64種から200種超まで拡大する予定です。これは23区トップレベルの豊富さです。わざわざ窓口まで申請しに来る必要が無くなるため、コロナ禍でも安心して行政手続きを行うことができます。また、区職員としても申請を電子データで受け取り、そのまま各業務のシステムに取り込めるので、業務効率化にも繋がります。

【「あだち子どもの未来応援基金」創設】
 これまで見てきた通り、足立区がボトルネック的課題として位置付ける最優先事項には「貧困の連鎖」がありました。それに対応すべく令和3年度、「あだち子どもの未来応援基金」が創設されます。これまで、子どもを支援する活動はいくつかありましたが、いずれも単発の支援でした。そのため継続支援を行うことができず、根本的な解決に至らないことが課題でした。そこで基金を活用することで、安定的・継続的に活動を支援します。また、児童養護施設等を巣立つ若者が、一人暮らしを始めるためのお金に苦労することも大きな課題でした。そこで、施設等から巣立ち進学・就職して一人暮らしをスタートする際の費用の 一部も基金から支援します。貧困の連鎖を断ち切るには、継続的な支援が効果的なので、基金の設置には大きな期待が寄せられています。

【パートナーシップ・ファミリーシップ制度のスタート】
 パートナーシップ証明書を発行し、住宅や医療機関等あらゆる場面で戸籍上の夫婦と同等に扱うよう理解・協力を求める動きはいくつかの区で既に実施されます。令和3年度、足立区は一歩踏み出してファミリーシップ制度を導入しました。これは全国2例目で都内初です。これにより、同性カップルが育てている子どもとの関係も家族として証明する併せて宣誓可能になりました。

【ビューティフル・ウィンドウズ運動】
 「割れ窓理論(ブロークン・ウィンドウズ)」を参考に、平成20年度から『「美しいまち」は 「安全なまち」』を合言葉に犯罪抑止を図る「ビューティフル・ウィンドウズ運動」を実施しています。平成21年度には警視庁生活安全部と「治安再生事業に関する覚書」を取り交わし、さらに、平成26年度には区内4警察署とも協定を締結しました。 「ビューティフル・パートナー」を中心に、区民や地域などが一丸となって運動に取組ん だ結果、刑法犯認知件数はピーク時(平成13年)の16,843件から平成27年には約 41%の6,939件へと、大きく減少しました。加えて、平成27年の世論調査では、居住地域の治安状況について「良い」と感じる人の割合が5割を超え、「悪い」と感じる人の割合 を大幅に上回り、区民の体感治安が改善されました。 しかしながら、区外からの治安イメージは、区民の体感治安ほど改善されていない状況です。今後も引き続き、区民・区・警察・民間企業など、総ぐるみの運動を継続し、さらなる刑法犯認知件数の減少と体感治安の向上を図ることが必要です。

【孤立ゼロプロジェクト】
 核家族化やコミュニティの希薄化等により地域の中で孤立する高齢者が増えている問題に対応するため、足立区は平成25年1月から「孤立ゼロプロジェクト」を推進しています。町会・自治会、 民生・児童委員による高齢者の実態把握や地域包括支援センターと連携した「絆のあんしん協力員」による見守り・声かけ体制の充実を図りました。平成28年6月末現在、1,009名が「絆のあんしん協力員」として登録され、1,634世帯が孤立のおそれがある状態から脱却しました。超高齢社会が進展する中で、足立区では今後10年間で後期高齢者が約3万人増加し、約11万人になることが見込まれます。高齢者がいつまでも住み慣れた地域で生活できるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援を一体的に提供する「足立区版地域包括ケアシステム」の構築が求められます。

【シティプロモーション】
 足立区のイメージアップを図るため、平成22年度に23区初の「シティプロモーション課」を創設しました。民間からの人材を登用してチラシやポスター等の情報発信ツールの質を高めることをはじめ、「伝える力」の向上に力点を置き、区政の透明性を高めてきました。その結果、足立区世論調査における「足立区を誇りに思う区民の割合」が、平成22年の29.8%から平成27年には48.8%まで上昇するなど、成果を上げています。転入者数が転出者数を上回る社会増が、平成22年度の3,249人から平成27年度には6,021人に増加していることも、シティプロモーションの成果の一つと言えます。全国広報コンクール上位常連の足立区ですが、積み重ねてきたその成果をついに令和3年ついに書籍として出版しました。チラシ一枚にまで徹底的にこだわり広報改革を行ってきた足立区の本気度が伺えます。

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 これまで足立区は新線開通や大学の移転、駅前開発など社会基盤を整備してきました。そして、いよいよこれらを起爆剤としたまちづくりを展開していく段階になりました。区民ニーズが多様化する中で、迅速かつ正確にサービスを提供することがこれまで以上に求められます。そのため、足立区では3つの「ソウゾウリョク」のある人材を求めています。

・区民の視点に立ってものごとを考えることができる「想像力」のある人
・数十年後の足立区を見据えた政策を提言できる「想像力」のある人
・足立区の持っている良さを活かしたまちづくりを展開できる「創造力」のある人 

また、区長は次の通り述べています。

いざという時、地域の皆様の痛みを感じることができ、その解決のためには少々の無理はいとわない、心身ともにタフな人材が今、地方自治の最前線で求められています。

区民と共に「協創」していくことが求められる足立区職員にとって、「ソウゾウリョク」はその原点となる考え方です。さらに、区長が述べている通り、タフさも求められています。これは他の区ではほとんど見られない要求事項です。したがって、面接で問われる可能性が高いので、タフさを発揮したエピソードは用意しておくと良いでしょう。面接にあたっては、少なくともボトルネックと定められた4課題についてはしっかりと把握しておきましょう。また、これまで挙げた通り、特徴的な施策も多いので、気になったものについて語れるようにしておくと安心でしょう。


港区

 港区は首都東京を代表する一大都市です。台場、六本木といった繫華街、汐留、竹芝、赤坂といった多くの大企業が本社を構えているオフィス街、青山、麻布、高輪といった高級住宅街など個性豊かな街並み、歴史を感じさせる文化財や史跡等、伝統的なものと近代的なものとが調和した、魅力あふれる都市です。各国の大使館が集う場所でもあり、国際色豊かな住民と文化が各所で見られます。港区内には品川駅、新橋駅、浜松町駅といった主要鉄道駅が乗り入れており、さらに、山手線、東京メトロ銀座線、丸ノ内線、日比谷線、千代田線、半蔵門線、都営三田線・浅草線など各路線も走っているため仕事でもプライベートでも各地へのアクセスが非常に良好です。東京の都心として確固たる地位を築く港区ですが、区の憲法ともいえる基本構想では、目標とすべき港区の将来像を次の通り描いています。

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