映像編集
はじめに
撮影前の下準備をプリプロダクション、撮影をプロダクション、撮影後の編集をポストプロダクションと言います。
それで今回はポスプロに関するお話です。
事前準備
さて、ポスプロのお話にいく前に、一旦撮影の時の話を。
今回、国際情報工科自動車大学校様の依頼で撮影をさせていただきました。
屋外(青空満開でした)の撮影でかつ日陰もあるということからLog撮影することに決めておりました。
このLog撮影は、見た目としては彩度が低い状態(”眠たい絵”と表現されます)で撮影されるのですが、その分、暗部と明部の色潰れがしにくいという特性があります。
明部が真っ白になってしまうことを「白飛び」と言って、真っ白になりその部分に何も映っていない状態を指します。
白は、全ての色を含んでいますが、同時にそこから一つの色だけを復元することはできません。
方法としては、後付けで色を足していくことだけです。
明るさを引いても白は白のままなのです。
逆に、暗部は「黒潰れ」といい真っ黒に潰れてしまうことを指します。
黒つぶれの場合、明るさを足すことで「色が戻る場合」もありますが、その分ノイズが発生しやすくなります。
と色つぶれしないようにLog撮影をしました。
ただ、このLog撮影は後々、色味調整(カラーコレクトやカラーグレーディング)することが前提になってきます。
また、Logはただの動画データより多くのデータを持っていますので、データ容量も必要になります。
余談ですが、Rawデータ>Logデータ>ただの(大変語弊がある"ただの"ですが便宜上"ただの"とさせていただきます)動画データの順にデータ容量や動画データを圧縮していきます。
撮影機として使用しているCanon R6はLog撮影は可能なので、必要に応じてLog撮影も増えていくかと思います。
編集
普段からBlackMagic Design社のDaVinci Resolve Studioを使用しているので今回もDaVinci Resolve Studioで編集していきます。
まずは、カット編集(カット割または割編:わりへん)をしていきます。
必要な箇所だけ抽出する作業になります。
この作業をこなさないと色味調整も音声調整もできません。
なぜなら、カット割の前に色々な調整をするとなると、不要なカットの色味を調整したり音声の調整をすることになります。
「ここ使わんのかい!」ということが発生します。
ですので、割編が終わってから色味や音声調整になります。
カット割
カット割は音と絵を見ながらどこからどこまでを使用するか決めていきますが、Chofuでは個人作業である場合が多く、クライアントやプロデューサーから要望があれば立ち合いでの割編を行いますが、ない場合はこちらで進めます。
今回特にインタビューカットが重要なポジションになりますので、インタビューで答えているときの動きやインタビュワーの声、その他の雑音(車の通る音)などに注意しながら進めていきます。
収録時は必要があれば一旦止めたりします。
今回は必要がなかったのでそのまま進めています。
インタビューシーンには、必要に応じてインサートカットを入れていきます。
インサート自体が差し込むのような意味なので、その名の通り差し込んでいきます。
テレビ番組でも、タレントさんが食事をしているときに食べ物の全景が見えるように映像が差し込まれますが、あれがインサートカットになります。
色味調整
割編が終わると色味調整に入ります。
色味調整は、ホワイトバランス(WB)を合わせるところから始まります。
太陽光と室内の蛍光灯やLEDとの差がありますので、白を基準に合わせます。
ただ、今回はほぼ色味調整の部分ではWBは手をつけていません。
空の青さや芝生の緑、肌の色や服の色それぞれに違和感がないようにつけていきます。
逆に色を抑えることもあります。
特に反射による色は引いていきます。
音声編集
Chofuでは音声にこだわることが多いです。
元々音楽をやっていたのもありますが、ノイズや音量バランス、最終の掲載場所(YouTube,Instagarmなど)によってラウドネス(これは最後の最後になります)という音量を整える必要があります。
まずは、ノイズを除去します。
iZotope社のRX9を使用してエアーノイズ(サーとなっているノイズ)やリップノイズ(唇が離れるときになる破裂音)、場合によっては車の通過音や他のノイズも除去していきます。
もちろん、全てのノイズが除去できるわけではありませんが、極力消していきます。
最後にBGMを入れるので多少のノイズは残っていても大丈夫です。
テロップやトランジション
色味・音声編集した後は、全てを入れ込んでいきます。
その後、テロップでの文字データやトランジションと呼ばれるエフェクトなどを追加していきます。
また、同時にBGMも追加していきます。
完成
完成品がこちらになります。
Behind the scene(制作の裏側)としてこちらもご覧ください。
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