マガジンのカバー画像

【窯まつり・絵付】の道行

13
窯まつりに向けた若い絵付師達と上出惠悟とのやりとり。キーワードは「伝えること」、「歴史と繋がること」、「長右衛門窯らしさ」、そしてラストには「なぜ手で作るのか」という大きな問いに…
本マガジンは「上出長右衛門窯の道行」からの抜粋です。月額500円/初月無料の「上出長右衛門窯の道行…
¥500
運営しているクリエイター

#水墨画

【窯まつり・絵付】の道行#9「奥出のサンプル」

こんにちは。上出惠悟です。 突然ですが、皆様は墨の匂いはお好きですか? 多くの大人にとって墨や硯はもうあまり触れることのないものかも知れませんが、私やその他の九谷焼作家にとっては、墨はかなり身近なものと言えると思います。墨は焼くときれいに燃えてなくなるので絵付の際に下描きに使いますし、木箱への箱書きや熨斗書きなどかなり頻繁に活躍します。 それに加え、私は最近になって水墨画を始めました。水墨画は言うまでもなく墨の濃淡だけで描く古典絵画で、日本では雪舟や等伯や狩野派が有名で