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上出長右衛門窯の道行

現在進行中の新作開発の紆余曲折するストーリーを、テキスト、写真でお伝えしています。旅は道連れ世は情け。これまで秘密にしていた新作とそのアイディア、プロセスを上出長右衛門窯六代目・… もっと読む
月に2〜3本くらいが更新目標(絶対に1本は書きます)。現在公開している全てのマガジンがここで読めま… もっと詳しく
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2023年2月の記事一覧

【窯まつり・絵付】の道行#1「心の絵」

こんにちは。上出惠悟です。 2018年のパリ、ポンピドゥーセンター(国立近代美術館)で私は1枚の油絵に目を奪われました。それは「La quai de Paris in Rouen」という絵で作者はアルベール・マルケ(1875年-1947年)。大きな橋のかかった埠頭を描いた風景画でした。日頃絵を見て、巧いと思うことはあっても、好きだと感じる絵に出会うことはあまり多くありません。私は何と良い絵だろうとしばらく動けなくなりました。 日本での知名度はそれ程大きくなく、この時初めて

【干支水滴 卯】の道行#11「もう一つのゴール」

こんにちは。上出惠悟です。 寒い季節になると週の半分以上は着ているスウェットがあります。「世界一、正統なスウェットシャツ」という高い志を掲げ、「吊り編み機」という今は殆ど稼働していない古い編み機から生まれる「LOOPWHEELER」のスウェットです。代表の鈴木諭さんと初めてお会いしたのは2019年の春だったと思いますが、私はそれまでスウェットやジャージ、そしてスニーカーはスポーツマンが身に着けるものだと思っており、スポーツとは縁遠い私が着るとどこか落ち着かなさがあって仕方な