見出し画像

韓国での一人旅(終)とめちゃめちゃ長い余談

そもそもだ、なぜ韓国にチュソク真っ只中一人旅をすることになったのか、私はその説明を省いている。
なぜなら、認めたくなかったからだ。
自分がツキに見離されていると認めたくなかった。ただもう認めるしかない所まで来てしまっている。
私のアイドル運は底をつきた。君は聞いてくれるか。

ストレイキッズのチュソク真っ只中の公演が発表された時、私には参加する以外選択肢が無かった。翌年以降アメリカへの引っ越しが控えており、韓国へ行くのはしばらく難しくなる。公演が発表された時点で、飛行機とホテルの予約を終えた。友人と、ホテルの朝ごはんは豪勢らしいとワクワクして、チケットも持っていないのに私たちはそれはそれは韓国でのライブ参加を楽しみにしていた。

チケット発売時期を過ぎても、諸々の発表が無くそわそわしていると、
ライブの日程が変更された。

なんで。
発表された日程も会場も全て大変更された。

なんでよ。

変更後の日程へのライブ参加は難しく、その悔しさから、私は飛行機もホテルもキャンセルせず、そのまま一人で韓国行きを敢行した、というのが一人旅の経緯なのだが、発表されたライブの延期も会場変更も、そうあることじゃ無いので?お分かり?ないので?普通は?

なかなか無い事だけど、私の落ち込みの割には面白くも無いだろうと書くのは省いた。

ただ、これに端を発したかのように、私に起こったツキの果てを以下に挙げていく。

まず、チュソク真っ只中、本来はライブをしていたはずのストレイキッズからメンバーの半分がソウルを離れている。
おい。
可愛えとおもって見ていたボーイネクストドア(ボネクド)も韓国を離れて日本に来ており、その後、ボネクドの推しであるリウくん目当てでチケットを買ったボネクドがでるライブで、その可愛えリウくんだけがビザと体調不良で参加しないライブを二度見た。二度だ。おい。

スキズ次点の推しであるピーワンハーモニーは2021年にデビューして以来、日本で活動をしてこなかった。彼らを見るために韓国へ足を伸ばし、日本での活動はないと諦めていたが、私がアメリカに出発する2024年夏、ピーワンハーモニーは日本デビューします!!!!!日本ツアーも、リリースイベントも、ツーショット撮影会もハイタッチ会もします!!!!!私はそのどれにも参加できないわけだ。おいおいおいおいおい。おいおいおい。何回言っても足らない。おいおい。

であってもだ、世界を股にかけるピーワンハーモーニーはアメリカでもみる事ができるのだ。ちょうどアメリカに引っ越すタイミングで彼らのアメリカツアーは敢行されており絶好の機会が巡ってきていた。友人が住むアトランタに遊びに行くタイミングに、アトランタ公演を一緒に見られる手筈を取った。私はVIPのチケットを購入し、いってみたかったサウンドチェックに入り、彼らと集合写真を撮ることもできる!!と、勇んでアトランタまで、足を伸ばす。家族を残し、ホテルからラガーディア空港までハーレムを抜けるバスに乗り、飛行機でアトランタ空港まで移動したその夜、アトランタ市街の水道管が破裂、市街が浸水の被害で水道が止まり、翌日の市街でのライブは全て中止となった。


おいおいおいおいおいおい、ええええええええええ?!!!!!!!!

私が着いたタイミングで水道管が破裂し、ピーワンのライブ参加の1日だけアトランタ市街開催の全公演に対し市長から中止のお達しが出た。その日の晩には、水道管は復旧したらしい。

おおおおおおおおおおお、これはさすがに、おかしくない?????!!


このツイてなさを大笑いしてくれる友人がいなかったら、私は人知れぬアトランタの土地で、どうなっていたか、わからない。

アトランタを観光することになったが、水道管が破裂しているので、軒並みどの観光スポットも閉館しており、それは全て私がアトランタにアイドルを見に来たら破裂した水道管のせいつまり、私のせいということになり面白かった。本当に、どこに行ってもなにもやっていなかった。

極め付け、スキズを推し始めた2020年からその開催を待っていたハイタッチ会が、私が日本を離れる2週間後に開催されると決まった。
4年待っていたハイタッチ会だ。
おそらく最後のハイタッチ会だ。
ヒョンジンくん触るまでは、なんでも頑張る!!!!とこの4年間、私を支え続けていたハイタッチ会である。おい。
おいおいおいおいおいおいお。これ、なんか、おいおいおい以外言えない。

ここまでが私に起こったツキのなさだ。余談のつもりがこのボリュームである。

このツキの無さの中でもご機嫌に過ごせているのは、韓国一人旅の成功体験によるところがおおきい。

チュソクは我らがリーダーバンチャンの誕生日が近く、センイルカフェと呼ばれるファンが個人的にカフェを借り、推しの誕生日を祝うイベントがある時期だった。ホテルをチェックアウトした私はバンチャンのセンイルカフェを目指して、若者の街ホンデまで移動する。
我らがリーダーバンチャンは、オーストラリア生まれの韓国人のナイスガイ。
で、チュソク真っ只中のバンチャンのセンイルカフェにいるファン、私以外全員欧米人。
アジア人が店員のお姉さんと私しか居ない。

ここホンデ、ソウルきっての若者の街。そのカフェで、アジア人がこんなに少ないのはバグである。ここどこなの…だし、最高におしゃれなカフェの雰囲気には欧米の風が吹いている。アジア代表として不遜な振る舞いはできない、ヘマをする前に切り上げる事にする。

実は、韓国で楽しみしていたことがもう一つあった。

ヒョンジンのnoteでも書いたが、私は仏像が好きだ。
特に半跏思惟菩薩像が好きで韓国中央博物館に半跏思惟像だけを展示する部屋をみることをとても楽しみにしてきた。

他のアイドルからは振られ続けているが、仏像はいつもそこにいてくれる。推すならやはりアイドル(偶像)だ!!!と、いざ韓国中央博物館へ向かう。
無料でこれを見ていいのか?と思うほど、博物館は大きく、綺麗で、混雑の割には見やすく、とても楽しめた。そして、


推し、最高に綺麗だった。(サムネが内一体の画像)

静かに無呼吸で鎮座する様に、後ろからも前からも見られる展示の仕様に大興奮した。
若干、周囲がガヤガヤしており、荘厳さが日本の寺社とは違うが、それはここが博物館だからである。ちょっと興奮しても、周りは私に興味はなく、あまりの綺麗さに呆けていた私に、
韓国語で「写真を撮って」という老夫婦に声をかけられ写真を撮り、
「check it out」
とカメラを返すと、ありがとうも言われず怪訝な顔をされた。
韓国人だと思って頼んだ女が英語で話したから困惑したのだろう、ここは菩薩の笑みで私も受け流す事ができた。

その後は空港に移動し、空港内のレストランで韓国にも蔓延っている配膳ロボットから、ジャジャ麺を恐る恐る受け取る。外国でマクドナルドを見つけた時と同じ安堵と、ロボットにはより言葉が通じない…という怖さで、複雑な気持ちになりながら食べたジャジャ麺は想像より美味しくなく、どうせ配膳ロボットに対峙するなら日本の方が気楽だし、韓国料理なら新大久保で十分だと思う。

韓国一人旅の予定は、ここで終わりだ。旅の終わりが近づく中でよぎるのは、明日からの日常のことだ。

明日からも私は普通の顔をして、暮らすだろう。旅の終わりの気だるさと、この旅までの準備を思うと終わる寂しさと、日常への恋しさとで気持ちはいっぱいである。

そんなことを考えながら寄った、搭乗ゲート前のお手洗いで、この旅2度目の男性トイレに誤侵入をしでかす。

なんでよ。表記がわかりにくいのよ。
2度あることは3度あるじゃない。例えばライブが2度ドタキャンされたってことは3度目があるってことじゃない…違うよね??もう無いよね??

初めての一人海外は、面白かった。
何はなくても私が面白かったと思えたから、よかったし、面白がろうと思えた私が、何よりよかったと思う。
アメリカに短期ではあるが住むことにしたのは、自分がこれまで経験していないような世界を感じる経験を我が子にはしてほしいと思うようになったからだ。韓国アイドルの世界を目指す姿から触発されてる面も少なからずある。世間知らずの私でも、韓国一人旅が出来た自信は一人でアメリカ国内を移動する勇気をくれた。これは、一人で飛行機に乗った事がなかった去年の夏を考えれば、大躍進である。

なんかツイてない割にご機嫌に韓国を楽しめたことが、上手く行ってるかはわからないけど、多分大丈夫だな!と思える起源となっている。「韓国一人旅、やってみたらできたから嬉しいの気持ち」は、じんわりと私の中で今も大きくなっている。

アメリカに来て約一ヶ月半が経ち少し生活にも慣れて来たところだが、私たちは明日からまた別の土地に引っ越しをする。

日本を発つ時よりも不安や寂しさが大きい自分の気持ちが不思議だ。自分が今の生活に幾許かの居心地の良さを感じていることに驚くし、その図太さにも改めて気付かされる。

何はなくても、なんだかんだ、やれる。
そう自分を鼓舞する。
引っ越したらすぐ、スキズの新譜のCD買う!!!!やっぱりアイドル無いと、やってられん!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?