見出し画像

6/2/2023

前回記事を書いてから時間が経ってしまった…。一年以上も。
Uganda生活も残すところ7か月程となった。
ここまで来ると色んなことを諦めてしまっていることに気づく。
これまで約1年半の活動の中で、挑戦・失敗・諦め or ちょっと前進・逃避を繰り返してここまできた。

まだパンデミックの影響が色濃く残る頃、現地の人たちの生活はボロボロだった。学校も長期間閉校していて子どもたちは働くか家の手伝いをするかのどちらかだったと思う。
ある日配属先でサポートしているお家の子どもが具合が悪いとオフィスにやってきた。病院に連れていくとマラリア陽性で貧血の症状も酷かった。
医師からは栄養状態がかなり悪いことを指摘された。聞くと食事は毎日一食で毎日同じメニュー、茹でたキャッサバだけを食べていて、空腹はチャイを飲んで紛らわしているとのことだった。帰り道に買ったイエローバナナを貪るように食べているのを見て何とも言えない気持ちになった。

それからこの子は氷山の一角かもしれない、現地の人のリアルな生活を知りたい、と思い半年くらいかけて村々を回り家庭訪問とsurveyを繰り返し、生活実態調査を行った。
自分なりに調査結果をまとめて、たどり着いたのが「残りの任期は栄養改善に注力しよう」ということだった。
感染症対策隊員だけど…という思いもあったが、食生活が酷い家庭では圧倒的に医療機関を受診する回数が多く、易感染症状態の子どもが多くいた。栄養改善が様々な感染症から身を守ることにつながると考えて、何ができるか試行錯誤しながら活動している。

Orage-Fleshed Sweetpotatos (OFSP)は、USAIDが2010年頃からウガンダでの普及を試みているビタミンAが豊富な作物である。ウガンダで一般的に育てられているサツマイモと栽培方法は同じだが圧倒的に栄養価が高く、また調理も簡単で鮮やかなオレンジ色は子ども達の関心も引くことができると思い、活動に取り入れることにした。
試験的に5家庭にOFSPの苗を配布し栽培を始めたが、うまくいかないことも多かった。野菜栽培の専門家ではないので、自分自身詳しい栽培方法は分からないまま、現地の人が言う「育て方知っている」を信じてなんの手ほどきもなく配布してしまい失敗したケースもある。
なんで私の家には苗くれないの?と小言を言われたこともあった。
そんなこんなで3月の収穫時期を待っている。

嬉しいこともあった。このお父さん、本当に貧しくてでもたくさん子ども作って、家庭訪問する度に子どもたちのケアが全然できてないんじゃないかと、どうしようもないな、とか思っていた人だった。

でもサツマイモをすごく丁寧に育てていて、誰よりもこまめに草むしりをして苗の再配布にも協力的で、彼の畑を見てうれしくなった。

OFSPと、これから配布するAmaranthは現地の人たちの栄養改善においてはほんとに小さな一歩だけど、うまくいくか分からないけど、やるしかないのでやり切りたいと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?