*第1話はこちら⇒「プロローグ」 それはごく普通のチョコとゼリーだった。 しかしなぜか食べるのを躊躇してしまう。 額のあたりに圧のようなものを感じた。 ふと顔を上げると専務の鋭い視線が自分の顔に注がれている。 どうした?そのチョコを食べるのがそんなに怖いのか? そう言っているように見えた。 僕は軽く頷き、そっとテーブルの上の置かれたチョコを一つまみ、指で獲った。 焦げ茶色にコーティングされたボンボンショコラ。 別になんてことのないチョコレートだ。 そのまま
僕の名前は黒藤茶太郎。 ひらがな読みで「こくとうちゃたろう」だ。 職業はチョコレートエージェント。 勤務先は世界。 今いる場所はヨーロッパの某所。 詳しくはいえないが、私は”あるもの”を仲間とともに探査する任務についている。 数年前に日本から派遣され、それ以来ずっとだ。 相棒は2人。 いや正確には一人と一匹、というべきか。 一人は凄腕のベテランエージェント、もう一人(一匹)もそれに劣らない優れた探知能力をもっている。 え? いったいエージェントってなんの