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「会社を辞めずに緩く起業する」という選択肢

*本記事は内容は個人の意見・見解の表明であり、所属組織の意見・見解を代表しません。


はじめに

「起業というものは大変だ。大きなリスクや責任を負う。銀行の融資や株式発行で資金を調達して、自らのMissionを叶えるために死ぬ気で働く。だからこそ賞賛を浴びるし、キラキラしている。自分とは程遠いものだ。」

そんな私のイメージが一気に払拭されたのは、リクルートに入社したことがきっかけだった。

本業を続けながら起業する「スモールビジネス」

確かに冒頭のイメージは、スタートアップやベンチャービジネス、大企業にはある程度当てはまっていた。

しかしどうだろうか。全く当てはまらない世界がそこにあったではないか。

私が新卒で配属された場所では、体感約2~3割ものメンバーが副業として起業していた。これは一般的な会社では中々考えられないことだろう。

さらに特徴的だったのは、そのメンバーのほとんどが気軽に会社を立ち上げており、自分のリソースを全身全霊で打ち込んでいる感じも全くない。

衝撃的であった。「起業=色々えげつない」イメージを持っていた新卒当時の私は「優秀な人はなんでもできるんだなぁ」くらいで、とても身近なものに感じられなかった。

しかしそうではないようだった。入社2年目にして入ってきた後輩でさえも、起業していたのである。

そこで初めて「あ、後輩でも気軽にやってるってことは起業というものは何も特別なことではないんだ。もしかしたら緩くやってもいいかもしれない」と次第に思うようになってきた。

そしてその実態に関心を強く抱き、起業しているメンバーに片っ端から話を聞くことにした。

本人たち曰く、どうやら本業で培ってきたスキルや専門性を活かして、自らの強みを市場に売っているらしい。

いわゆる「スモールビジネス」としての起業である。これが冒頭のイメージに当てはまらない領域であった。

彼らのスモールビジネスの特徴

彼らのスモールビジネスの特徴は以下の通りだ。

  • とにかく初期コストをかけない

  • 積極的に融資やベンチャーキャピタルを受けない

  • あくまで副業くらいの立ち位置。

  • 軌道に乗ったら本業をやめて副業を本業とする。

ざっくりとこんな感じであろうか。
本業がセーフティネットとして機能するので、初期コストをかけないビジネスモデルであれば失敗しても傷は全くない。

むしろ、経営者目線で動くことができる経験をお金をもらいながら得ることができるのだ。これは本業にも良いスパイラルが生まれる。

しかし、副業で首が回らなくなってしまうのは本末転倒だ。株主から監視を受けたりひたすら利益を追求されるのも大変である。そういった理由で融資や投資を受けるのを避けたがる人が多い。あくまで副業として起業するのだ。

ただし、その副業が軌道に乗り、収益も安定して出るようになればそちらに乗り換えるケースも少なくなかった。これまで退職された方(リクルートでは卒業と呼ぶが)の中の一定数は、このケースに当てはまっていた。

そんなこんなで、私自身も起業に対するハードルはどんどん下がっていき、気づけば起業していたのだ。

スモールビジネスが上手くいくケースとそうでないケース

じゃあ誰でもスモールビジネスをすれば良いのか?と言われれば疑問が残る部分もある。

人によっては本業より余裕で稼いでいる人(副業で2000万ほど)もいれば、そこまでの人ももちろん存在する。

では、どういった人がうまくいくのか。そして、どういった人がうまくいきにくいのか。

たくさんのスモールビジネスをやっている人たちの話を聞いていく上で、ある程度の共通点が見つかってきた。起業している自身の経験も照らし合わせて、特に説得力のあったものを紹介したいと思う。

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