「面白い」の作り方はスクリュー・ドライバーに学べ
先日、個人的にはショックな出来事があって、知り合いがツイッターでバズっていたのです。人によっては全然ショックではないかもしれないですけれども。
ですが、かれこれ1年半ぐらいSNSで発信している中でバズったことなど一度もなく、シンプルに「ワォ、羨ましい」と思ってしまったのは事実であります。知らない人がいくらバズっても気にならないのに不思議ですね。
そのツイートを読みながら、改めて「面白いってなんだろう」とまじまじと考えてしまいました。
皆さんは最近「面白い」と思うことはありましたか。頑張って思い出してみると結構これは!と思うものを思い出すのは難しいものです。私もメモを読み返さないと思い出せず、ああ「面白い」って道端のポストのように、気を付けないと目に入らないものだなぁと思ったものです。
で、メモを見ながら面白いと思ったものを手当たり次第に並べて、天井のシミを見るようにボーッと眺めていると、2つの共通点を感じました。
まずは「理解できること」です。「共感できること」と言っても良いかもしれません。目に浮かぶように具体的に言っていることがわかること。当たり前かもしれませんが、これは「面白い」と感じるための大切な前提です。
一方で、もうひとつの要素は「違うこと」です。早速言っていることが真逆なのですが、「この人は自分とは違う」「思っていたことと違う」と思えることは、やはり「面白い」と思うために欠かせません。
「分かるのだけれども違う」こと。「面白い」はそんなものの中にあると思いませんか。
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問題は分量です。「分かる」と「違う」がとても良い分量で混ざっていないと「面白い」にならないのです。
例えば研究論文って9割は先行研究のレビューなんです。これはちょっと「面白さ」が足りませんよね。それは「違い」が少なすぎるからではないでしょうか。それでも面白いと感じる研究者の方々は本当に素晴らしいです。
一方で、5割も理解できないことを言っていたらワケがわかりません。ちょっとズレますが、例えば下の文章。「分かる」ギリギリですが「面白い」と感じる余裕はないのではないでしょうか。
やっぱり面白いためには、無理なく「分かって」、でも「違う」と感じる絶妙な比率が必要なのです。その配合比は「分かる:違う=3:1」程度ではないかと思っています。ちょうどスクリュー・ドライバーの黄金比率と同じぐらいですね。
スクリュー・ドライバーはオレンジジュースと度数40%のウォッカを混ぜて作るカクテルです。3:1でトータルの度数は10%。大体ワインと同じ程度の度数と、飲みやすいのに強めのお酒です。混ぜるだけのロングドリンクなのに、なぜか作る人によって味わいが変わると言われます。何事にもセンスってあるから世の中難しいものです。
そして発信も同じで、「知っていること」を3、「違い」を1で混ぜれば「それっぽいもの」は出来るのですが、やっぱり最後に「面白い」かは微妙なセンスの差が大きく出ると感じます。
でもそのセンスは、ある程度までなら美味しいスクリュードライバーを飲み続ければ磨けるものではないかとも思います。良いアウトプットは良いインプットの先にあるのです。
なので今日もせっせとツイッターを読み、noteを読み、そして面白いエッセイを読み漁るのです。これだけインプットか続くのですから、もはや「快」の感覚を伴う本能的なものなのでしょうね。
生き物は常に新しさを求めます。古いものを新しいものに置き換えるのは自然の本能ですから。
だからこそ、新しさのある「違い」が受け入れられるとき、「面白い」と良い方向に感じるのではないではないでしょうか。
ちなみに、細胞も思考も全てが入れ替わった時に、私たちはもともとの存在と同じ存在と言えるのでしょうかね。面白い。
ではでは。
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