転生できるか分からない人のための、1周目の人生を善く生きる方法
「転生コンテンツ」全盛期です。転生したら主人公に飽き足らず、悪役令嬢になってしまったり、スライムになってしまったり。
生きることは辛いもの。異世界に夢を求める気持ちも分かります。夏目漱石先生ほどの才能の持ち主ですら嘆いているのですから。
私も転生ならぬ「強くてニューゲーム」は結構スキなコンテンツです。積み上げた知識と経験を活かしつつ、新しく始めから。素敵ではありませんか。
とはいえ、転生できるか分からない現世。転生無しで善く生きるにはどうすれば良いのか。今回はそんな、チート無しで生き抜くスキルのお話です。
学習の一番の敵とは
少し前の話ですが、気になるニュースが目に飛び込んで来ました。
簡単にまとめると、以下の2点が言えるかもとの研究結果が出たそうです。
内容を理解できる程度の授業ならば、2倍速で見ても学習効果は同じ
試験直前に見直すと、学習効果はより高くなる
これは、随分と昔の話ですが、私が試験勉強をしていた時の経験からも、その通りだと感じます。そういえば授業のテープを2倍速で聞いていました。
試験勉強を含め、学習の一番の敵は「忘却」です。少し前まで覚えていたのに、本当に必要な時に忘れてしまっていることに気付きます。
スーパーまで来て、赤・緑・黄色と色鮮やかな野菜を目に楽しみつつ、はて自分は何を買いに来たのだっけとなってしまうアレですね。
オススメの対策は、学習の時間を短くして、頻度を上げることです。一回あたりをパパッと終わらせる代わりに、何度も見直すのです。
単語カードに覚えるべき事項を全て書き、その全てに毎日目を通す。それを繰り返すことで、記憶が安定して成績が上がったのは、ちょっとした発明でした。
「下見」の考え方が役に立つ
人は覚えていたいと思っていることすら忘れます。覚えていたい人の顔。忘れられないはずの想い出。とにかく、人は忘れる生き物なのです。
ですから「忘れること」は大前提です。上のお勧め学習法も、忘れることを前提に、「忘れる」と「思い出す」をひたすら繰り返そうというものです。
そうなると、1回目から全てを完璧にする、という気負いが無くなってきます。1回目は「下見」に過ぎないのですから。
1回目は下見として、何がどこにあるか、何が重要なのかを把握する。すると、2回目以降は自分に必要な場所を手早く見つけることが出来ます。
この「下見」という考えが、学びを豊かにするのだと思います。著名なブロガーの読書猿さんも、同じように再読について語っていました。
これって一世一代の大恋愛をするも失恋し、二度と立ち直れないと思った失恋の痛みが癒えると、また恋をしてしまうというアレでもありますね…
転生無しの人生を善く生きる方法
このように、2周目は1周目よりも、より深く理解しやすいものなのです。
さて、話は本題。転生無しに善く生きる方法です。
転生モノで主人公が無双するのは、転生のオマケのチートスキルもあるものの、1周目の下見を終えた後の2周目の人生だからとの点が大きいです。
人生の下見が終わっている主人公達が、2周目の人生で勘所を押さえた対応を取ることができるのは、正に上述の学習効果そのもの。
つまり、私たちだって、2周目の人生はきっと1周目の人生より上手く対応できるのです。…が問題は、私たちは1周目の人生であることですよね。
そこで、見て頂きたい映画がこちら。
冴えない主人公が、素敵な彼女をつくるために記憶をキープしたまま過去に戻って…というお話です。タイムリープ、部分転生です。
最初は、記憶をキープしてやり直す無双物語かと思って見ていたのですが、段々と人生で大切なことを教えてくれていることに気付きます。
人生では、毎日特別なことが起こっています。ただ、私たちにはその特別なことを、その時その瞬間に大切にするだけの余裕がないのです。
何気ない家族との会話、人生を賭けた試験、一所懸命に取り組んだ仕事、一生に一度の恋愛、子どもと過ごす慌ただしい毎日。
全てが特別なことですが、全てが時と共に流れ去っていきます。そして、忘れてしまうのです。人は忘れる生き物なのですから。
転生出来ない私たちが、1周目の人生を善く生きる方法。それは、昔を振り返ること、思い出すことではないでしょうか。
慌ただしく過ごした日々を。本当はしっかりと向き合いたかった瞬間を。喜びも後悔も含めて、全てを大切に振り返ることではないでしょうか。
振り返りが、当時の経験を「下見」にしてくれます。転生する必要もなく、これまでの人生を基に、明日から2周目は始められるのです。
しっかりと、自分の経験を振り返ってさえいれば。
その後には、私たちは一歩進んでいます。つまり、人生を善く生きるための「強くてニューゲーム」が始まった、と言えるのではないでしょうか。
時折、昔のことを思い出してみませんか。大切な想い出を。
ではでは。
<似たような話題かも>
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます!頂いたサポートは、noteを書きながら飲む缶コーヒーになっています。甘くて素敵な時間を頂きまして、とっても幸せです。