どうしてフリーナ様はここまで愛されるキャラになったのかを全力で言語化したい【原神ネタバレ全開】
フォンテーヌの敵キャラが可愛すぎてしばけないしょこらです。
早いもので、私たちがフォンテーヌの海に初めて潜ってから1年が経とうとしています。もともと原神には数え切れない程の魅力的なキャラがいた上に、この1年でも多数のキャラクターが登場して来ましたが、中でもフリーナ様の人気はダントツです。
登場から1年の間で、瞬く間に原神のトップスターへと駆け上がったフリーナ様。「笑顔を守りたいキャラといえばフリーナ様だよね」と道行く旅人(=プレイヤー)たちにアンケートを取れば、全世界1億人の旅人たちが全力で頷くことでしょう。
では、なぜフリーナ様はここまでの人気を得られたのか。愛らしいキャラデザ。Yes。新しい性能。Yes。そして、素晴らしいストーリー。YEEEES!
すると今度はなぜフリーナ様のストーリーがここまで多くの人の心に刺るものになったのかとの疑問が。もちろん「だって素晴らしいものは素晴らしいのだもの。心で感じるものに言葉なんかイラネ」とも思います。
…とは思いつつも、いよいよフリーナ様も復刻される昨今、やっぱりちゃんと自分自身と向き合ってみようぜ、ということで今回頑張って言葉に落としてみようと思った次第です。
皆さんもうフォンテーヌのストーリーは見ましたよね。まだの方はネタバレ満載だから気を付けてね。と注意喚起もしたところで、ストーリーのレビューから始めて、その人気の理由を探りましょう。
キーワードは「変身」です。
Ver.4.0 フリーナ様 (笑)
原神はメインストーリーを各バージョンのX.0、X.1、X.2という3回のアップデートで展開します。私が原神を始めたのはVer.3.3からでして、今回初めてリアルタイムでメインストーリーを追うことに。
すると「結末が分からないのはこんなに面白いものなのか」と次のアップデートを楽しみに待つ程の魅力的なストーリー。週刊マンガや連ドラの続きを待つような感覚です。リアルタイムってやっぱりいいね。
Ver.4.0ではフリーナ様は、うん。なんだろう……落ち着いてもらってもいいですか?(笑) 的な愛されキャラっぷりを遺憾なく発揮してきます。ゲーム内でもフォンテーヌを治める水神様として民衆にマスコット的に愛されているフリーナ様。お茶目な一面がとても強調されたバージョンです。
初対面からシームレスに法廷での逆転裁判バトルに突入するのですが、その中でも簡単に旅人に論破されるというポンコツぶりを見せてくれます。
これには、フリーナ様の側近として数百年仕えてきた審判官ヌヴィレットも苦笑い。
こんなフリーナ様の愛くるしいキャラクターに、全世界はメロメロ状態。ネットでは来る日も来る日もフリーナ様を愛を持ってからかいまくって応えるという平和な一時を過ごしていたのでした。
それが原神製作会社であるHoYoverseの掌の上であるとは知りもせずに…。
Ver.4.1 フリーナ様……?
一方で、Ver.4.1になるとフリーナ様の笑顔に影が差します。このバージョンでは洪水によってフォンテーヌの人々が滅びる危機が目前に迫っていることがより顕著になります。
フリーナ様はこの危機を回避するために何百年も手段を探していたのですが、ずっと奏功していません。それを理由に糾弾されてしまったり。
挙げ句の果てには刺客に狙われてしまったりと散々な目に遭います。
そして結局、当面の洪水の危機はヌヴィレットが力業でなんとかするという結末に。
このバージョンで「ここまでポンコツなフリーナ様は本当に水神なのか?」との疑いがネットの中でも沸いてきます。それはそうですよね。フリーナ様の見せ場が何一つ無いまま最終章を待つことになったのです。どうやってこの話を締めるんだとの疑問と共に。
それがHoYoverseの狙い通りであったとは知りもせずに…。
Ver.4.2 フリーナぁぁぁぁ…!(涙)
Ver.4.2ではまさに私たちの言葉を代弁するかのようにフリーナ様が全ての人々に詰められていきます。側近のヌヴィレットからも例外なく。
そしていよいよフリーナ様が水神ではないことが明らかにされます。自分の命よりも水神ではないことを隠すことを選ぼうとするフリーナ様。そんなフリーナ様の行動意図が全く分からないまま物語はクライマックスへ。
そして現れるもうひとりのフリーナ様(水神のすがた)、フォカロルス。
世界を統べる「天理」を欺いて計画を実行するために、水神であった自分から「ただの人間」としてフリーナ様を切り離したことが語られます。
そしてその計画とは、かつて天理がヌヴィレットから奪って水神に与えた力を、自分が消滅することによって返すというものでした。
しかし、自身の消滅を叶える程の力を溜めるためには、途方もない程の時間が必要になります。その無限に終わらない時間を「何も知らずにただひたすらに耐える役割」がフリーナ様に与えられたのでした。
ここから、フリーナ様がどれだけの苦痛に「ただ耐えてきた」のかが、詳細に、綿密に、そして執拗に描かれます。それだけの日々を過ごしてきたことを全ての旅人が骨の髄まで理解するように。
この500年間のフリーナ様の努力を経て、いよいよエネルギーが溜まり、水神は自壊によってその力をヌヴィレットに返します。
結果、フリーナ様の努力は実を結び、フォンテーヌは洪水による全滅の危機を免れます。
水神様は変わらせたい
こうしてストーリーを見返してみると、なぜ私たちがここまでフリーナ様に惹かれたのかが分かります。それは圧倒的な「共感」と「変身」があったからです。
人は理解できないことには共感することが出来ません。たとえどんなに壮大な努力をしていようと、たとえどんなに深い愛情を持って接していようと、理解出来ない限りそれを「ある」と認識することが出来ないのです。
その点、フリーナ様の苦悩は完璧に私たちの悩みに置き換えることが出来るものでした。
程度の差はあれ、全てこれまでの人生で経験したことのある「何か」で理解できるものだったのです。
これが「神様になれ」や「神の力を取り戻せ」といった、私たちの生活から想像の出来ないものだったら、ここまでの共感は無かったことでしょう。
このフリーナ様のひたむきな努力への圧倒的な共感こそが、私たちを惹きつけてやまないフリーナ様の魅力です。
一方で、人は理解できるからこその共感とは相反して、理解出来ないほどの劇的な変身を求めます。ビフォー・アフターのギャップが大きければ大きいほど、カタルシスは大きくなるものです。
そして、今回のストーリーによる変身は極めて大きなものでした。ただ、問題は誰が変身したのかです。
ヌヴィレット?確かに彼は大きな変身を遂げました。力を取り戻したのもそうですし、人が好きになったからこそ、かつて力を奪われたことも許せたのでしょう。フォカロルス=フリーナ様にもメロメロですしね。
でも、ヌヴィレットの変身は私たちがフリーナ様を熱狂的に推すことの直接の原因にはなりません。
では、フリーナ様?ですが、フリーナ様は物語の最初から最後まで何ひとつ変わっていません。何の能力も情報も権限も持たずに、ただひたすらに、ひたむきに劇を演じてきた主役です。
フリーナ様は変わっていない。でも、フリーナ様を見る目は変わりました。
そう。この物語で劇的に変わってしまったのは、私たちです。
何も知らずにフリーナ様をからかっていた私たちは、そのひたむきで曇りの無い努力を知って、もう真実を知る前の私たちに戻ることが出来なくなってしまったのです。
この「知ってしまった」ことが産んだ変身があまりにも大きかったために、私たちは圧倒的なカタルシスを感じながら、フリーナ様を熱烈に推しているのです。
こう考えると、最初はからかい、次第に不安がり、最後に涙していた私たちもまた、フリーナ様の元の人格である水神フォカロルスの歌劇に魅せられていただけのような気もします。
でも、その歌劇があまりにも緻密で、遠大で、そして素晴らしい舞台だったので、心地よく驚かされたとしか言えません。
BRAVO!
ということで、こんなに素敵なストーリーを持つフリーナ様がいよいよ復刻されますので、皆さん万難を排してお迎えの準備を進めましょう。
また、このnoteで原神に興味を持たれた方は、今や世界最高峰の会社となったHoYoverseプレゼンツの素晴らしい体験をぜひトライ下さいませ。
徹頭徹尾、HoYoverseにしてやられましたわ!
ではでは。
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます!頂いたサポートは、noteを書きながら飲む珈琲になっています。一緒に珈琲乾杯しましょう!