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破壊殺:膝枕「無限膝枕編」

はじめに

#膝枕リレー  の55膝目なのだが53膝目までの方が優秀すぎて
これはやっちまったな、と後悔しながら今井先生の本編をアレンジしている
初演からかなり経過して膝番号も順調に増えていて「オマイらどれだけ膝枕好きやねん」状態なことは誠におめでたい事でございます。

もともとオーソドックスに朗読しようと思っていたのだが
今井先生の「物まねを入れてもらってもいいですし」という一言で
私の中で何かが壊れた
いや、先生としては「気楽にやってください」のおつもりだったと思いたいのだが私には「物まねキボンヌ」としか聞こえなかったw

いや、入れますけどw

というわけで考えた構成はこれ

原作の「膝枕」を昔、スーパーファミコンで遊んだ「弟切草」みたいに、選択肢次第で展開が変わる様な解釈にしたらどうだろうか。
お出かけも買い物ではなく別の目的になったり
オチもこの後さらに続くようにしてもいいのではないのか?(弟切草でもやり直しエンドもあった)
というところから始めてみました。

~ここからZeroの設定~

この世界線では膝枕という作品は既に世に出ている。
ドラマ化されていて認知度もそれなりにある。
いや、下手したら大ヒットして今井先生はウハウハかもしれない。
なので正規のグッズだけではなく紛い物のアイテムも氾濫している。
主人公は無趣味無関心典型的ヲタそして体形はおそらく太い。(つまりシュタインズ・ゲートのダルこと橋田至)

~Zeroここまで~

とにかく似てなくても声真似を入れて膝枕のキャラ付けをころころ変える
Ver.1、最初は禰󠄀豆子だが既に那田蜘蛛山で糸に絡められている状態(爆血リーチ)
ガチャ発動で炎柱うまいうまいで夜も寝られず
Ver.2、アプリインスコ後初回ボーナスが猗窩座、その日のガチャで炎柱。2人が部屋で戦ってる間に朝が来る。当然猗窩座は逃げる炎柱は心を燃やせとか言いながら沈黙。主人公は寝不足
同僚と膝枕リフレに出かけて生身最高!
その日のガチャで風柱
Ver.1、御館様の真似で黙らせる
Ver.2、主人公の頭突きで黙らせる
星5確定ガチャ発動
パワハラ会議膝枕で無事End

Ver.1、そして振り出しに戻る
Ver.2、そして派手派手な配達員が立っている。
遊郭を連想した主人公は延長契約する(そういう男である
(ここを書き換えることで他の作品に繋げられる)

そんなお話・・・

注意事項


配信された音声、文章や画像などの無断転載、自作発言は絶対にやめてください

多少のアドリブや語尾を変える程度の変更は許容出来ますが、作品の世界観を大きく変えての上演などはご遠慮ください。
台本を使用してのボイスドラマの作成は事前に相談してください。
誹謗中傷などは絶対にしないでください。

原本は脚本家の今井雅子様による創作「膝枕」を二次利用させていただいております。
本作を三次使用される場合は
私へのご連絡、及び
原本作者、二次創作者(さんがつ亭しょこら)の名前を提示してください。
内容が特に公序良俗的に問題ない限り
ご連絡いただきさえすればお断りすることはありません

複数劇を行う際には
すべての演者が明確に参加を了承している事を確認してください。

特にclubhouseでの上演をされる場合には次の手順をお守りください。

私の他に今井雅子様への上演ご連絡
clubhouse内膝枕リレーへの加入
(ルーム被りを防ぐため)
なるべくスケジュールからルームを開くこと
その際、ホストクラブに「膝枕リレー」を選択すること(クラブメンバーにも通知が届き、ルームへの訪問者が増えます。)
ルーム内で本作の(note等)直接のリンクを提示していただくこと。

その他のプラットフォームなどで上演する際にも作者名・二次創作者名、台本名、URLのリンク提示をよろしくお願いいたします。

---Zero---

これは正調膝枕がドラマ化されたあとの物語
「なんとも奇妙な物語」内で放送された「膝枕」は
「打ち上げ花火、下からなんちゃら」
の様に当初短編ドラマであったものが単独のドラマ、アニメ、実写化といったメディアミックスや二次創作で人気のコンテンツとなっていた
女性の膝を妄想させる膝枕はヲタク界隈でも人気となっており
アニメキャラやセクシー女優の膝枕などと喧伝する物まで現れている。
もちろん、ほとんどはただの枕である・・・

だが一部の界隈でとある奇妙なうわさが流れていた。
少年雑誌の裏表紙、開運グッズのような広告に載っている膝枕は
生身の女性より心地よく、買った者にも幸運がやってくる、と
広告には一回のみ有効の二次元バーコードが印刷されており
雑誌はご丁寧にビニールで包装されている昔懐かしい仕様のため
裏表紙だけを破ることができず、店頭に並ぶや否や即売り切れとなり
ネットオークションやフリマで転売されている、というのだ

そして、特にそれが目当てではなかったが、たまたまその雑誌を手にした一人の男がいた。
会社勤め結構小太り、どう見ても彼女いない歴=生きてきた時間。
モテないさえないだらしないこの男がこの雑誌の裏表紙に目を止めた。

「創作と妄想が交差するとき、物語は始まる」

膝を崩す破壊殺「膝枕~無限膝枕編」
この後すぐッ!

---Ver.1.00+0.01---

昨日は何も目新しいことは起きなかった。
今日もきっとなんでもない平凡な日に違いない。明日も明後日もずっと判で押したような毎日が過ぎていくだけのつまらない人生をただ無為に過ごしている典型的なヲタ男がいた。

二次元しか興味がない、深夜アニメは異世界転生ものが氾濫して食傷気味
夏と冬は閻魔様から何かを盗んだ貴族が現在にタイムリープしてプリン好きになるアニメは休止期間。
誰でもアイドルになれる世界でトップアイドルを目指すアニメも終わってしまい、今期は乗り遅れた、前期から続いている元カノを助けるためにタイムリープを繰り返す男の話でつなぐか、と思っている男である。

そんな男の目に止まったのはどこにでも売ってそうな雑誌の裏表紙のいかにも胡散臭い開運グッズの広告。
「あの膝枕を忠実に再現!話術が向上!買った宝くじは一等前後賞まとめて当選!馬券は万馬券が的中!内向的な性格も社交的になり彼女もできて毎日バラ色」とかいかにも怪しさ全開の広告。札束を浮かべた浴槽の中から美女に挟まれたいかにもモテそうにないふとった男がどや顔でこっちを見ている。

「いや俺の興味はお前じゃないむしろこっち見んな」

と男は思った。何しろ無趣味無関心な人生を送ってきたこの男、銀行にはそれなりにお金を預けている。
ただ、「どんな膝枕になるかはあなた次第」という、「妄想が具現化」するかのような、下心をくすぐる宣伝文句に惹かれてついポチッてしまった。

こいつはそういう男である。

数日後、インターホンが鳴る
期待に胸を膨らませて玄関を開けると顔色の悪い今すぐにでも死にそうな配達員の男が立っていた。

「お届け物をお持ちいたしました」

「いやいや、どう聞いてもこれはあの列車の車掌でそ?あーこれは関わらないほうがいい案件じゃね?」

やばいと思いつつ受け取りにサインをしてぶっきらぼうに配達員に渡す。

「確認、いたしましたぁ」

これで後ろを振り向いたときに鬼がでてきたら確変だがさすがに昼から鬼は出てこなかった。誠に残念!

朝からテンション下がりまくりの男は受け取った箱を抱えて家の中に入って行った。
箱なんかどうでもいい
ガムテープを力任せに引きはがし、大量の緩衝材は部屋中に撒き散らし、箱の中からお目当ての膝枕を取り出すと
男のさっきまでダダ下がりだったテンションは一気に頂点に達したッ!。

「キタコレー!」

ピッチピチのショートパンツの裾から膝頭が二つ顔を出している。
色白で穢れを知らなさそうな柔肌には生きているかのような体温すら感じる。
「俺の妹膝枕」は
竹を咥えているように「うんうん」としか言わないがとにかくかわいい。どこから声を出しているかは全くの謎仕様だがとにかくかわいい。

「もう我慢できない!猪突猛進~!」

本編より展開が早すぎるッ!これでは尺が持たないッ!
頑張れ俺!

男は全力で膝枕に頭を預けた。
確かにこの膝枕、見た目も手ざわりも生身の膝そっくりに作られている。
生身の女性の膝枕なんて知ってるわけがないのにこの男にはそう思えた。
こいつはそういう男である。

だが膝枕は全く動かないしなんのイベントも発生しない。
会話ができるわけでもなくそれどころか眠っているかのように全く動かない。
これは不良品をつかまされたか?と男は疑った。
念のために説明書を読んでみる。
確かに「どんな膝枕になるかはあなた次第」と黒バックに白い極太明朝体で書いてある。アレか、
そして肉眼で読めないほどの細かい字で注意書きが添えられていることに男は気づき、読み上げる。
「すべての機能をご利用いただくためには有料サービスに登録していただく必要があります」
男は察した。

「どう見ても課金です本当にありがとうございました」

普通なら返品するか粗大ごみにボッシュートするところであるが
この男はいろいろな意味で私たちの期待を裏切らない。
何しろ無趣味無関心な人生を送ってきたため銀行にはそれなりにお金を預けている。
彼の財力がそこで諦めることなど許すはずがなかった。

「手放すわけありませんよ常考」

こいつはそういう男である。

ユーザー登録は説明書のバーコードから簡単にできた。
支払いはいつもニコニコ銀行引き落としの一括払い。
個人情報?何それ美味しいのとばかりにどんどん入力していく。
登録ボタンをスマホの画面が割れんばかりに力強くタップする。
しばらくの静寂の後・・・
膝枕からうめき声のような音が聞こえてきた。
どうやら課金情報を受け取って膝枕本来の機能が起動したようだ。
だがうめき声は次第に苦痛にゆがむ悲鳴のような声に変ってきた。

「まさか?暴走?」

男はここで展開が第3東京市のあれにでも変わったかと思ったが
その直後膝枕が発した言葉は

「血鬼術・・・ばっ」
「爆血はマジ勘弁!いろんなところが怒ってくるから!」

男は全力で部屋から外に逃げようとしたッ!後ろから何かが襲ってくる気配に死を覚悟した男が後ろを振り向くと。
男を襲ってくるものなど存在せず、
部屋の真ん中の炎を纏った膝枕からあの男の声が聞こえてきた。

「よもやよもやだ・・・膝があったら、寝てみたい!」

「いや、アンタ膝だし寝たいのはこっちの方ですけどーーーー!」

どうやら必死に逃げている最中に手に持っていたスマホの画面から偶然膝枕ガチャを購入してしまっていたらしい。
今夜のお楽しみ、「俺の妹膝枕」はその柔肌を感じながら眠ることも出来ぬまま、
どこを向いてしゃべっているかわからない(いや、そもそも顔がない)やたらテンションの高そうな「炎柱膝枕」に変わっていた。
残念なことに、膝枕ガチャは一日一回限定らしく、今日はこのぎょろりんめん玉膝枕で寝るしかない。ザマァw

「重課金して100連ガチャとか実装しないんですかね運営」

この男、もはや太い客確定である。
結局、男はその夜、膝枕から聞こえてくる
「うまい!うまい!」と牛鍋弁当を食べ続ける声を延々聞きながら眠れぬ夜を過ごすことになった。

翌日、男は寝不足のまま仕事に行ったわけだが当然顔はやつれ目の下にはクマーーーッ!。
さすがに同僚も心配になって声をかけてきた(おそらく仕事に穴をあけられると自分にとばっちりがくるからだろうが)
仕事終わりにいいところに連れて行ってやるから、と無理やり男を誘って夜の街に繰り出した(自分が行きたかっただけである)
耳かき&膝枕リフレと書かれている、いかにもいかがわしさメガパーな店に入る。
膝枕してもらえる女性を選ぶと耳掃除や息を吹きかけてくれる癒しの店だ。
男は

「いやいや家に帰ったら膝枕あるし今日こそスーパーレアの膝枕出るし」

と根拠もなくそう思ったのだが結局断る勇気もないくそチキンなので適当に女性を選んで膝枕サービスを受けることになった。クソがッ!

男にとってここは桃源郷だった?!血の通った生身の膝枕!襲っても来なければ騒がしくもない!しかも優しく囁いてくれる(当然ですそれがお仕事です)
男は大人の階段を上ったと確信した。お金を払って膝枕をしてもらっただけなのに・・・こいつはそういう男である。
調子に乗ってあれやこれやオプションを付けて楽しく散財しまくった男は会員証を作って次の予約まで入れてしまったアッ!。いいカモである。

男がスッキリした顔で家に帰ると玄関先で例の膝枕が仁王立ちで待ち構えていた。

「一体全体どういうことだ?」
「この膝枕より生身の膝枕のほうが気持ちいい?そんなことはなぁ・・・
ありえねぇんだよ馬鹿が!」

今日のガチャ、風柱膝枕に近づいたら間違いなく殺される!
男は自分の記憶の中から最適解を見つけると、膝枕に向かってこう語りかけた。

「あまり下の子にいじわるをしないこと」

すると膝枕は

「御意」

と一言発して動かなくなった。さすがお館様である。
見ていてよかった柱合会議編。あっさり退場ご苦労様です。

「とりあえず昨日からいろいろなことがありすぎますた。今日はまともに眠りたいですぉ。1日一回の大事なガチャですよ頼むから厳選させてくれませんかね。」
(厳選も何も運営次第だからお前が頼みこんでもどうしようも無い。いい加減気づけよこの潰れ甘食)
さっきから全く何の動作もしない膝枕に頭を預けながら男がスマホをいじっていると膝枕サービスのホームページに「☆5確定膝枕ガチャ」の文字がこれまた目を引く様に光り輝いている。

「これはッ!間違いなく上から目線で煽ってくる蟲柱膝枕かなんでもほめてくれそうな恋柱膝枕か寝付いたらバンバン叩いてくる三人娘膝枕待ったなし!」

ダメだこいつ、早く何とかしないと・・・

課金が桁違いだがそんなことは関係ない。男は有り余る財力でこの状況から脱することしか考えていなかった。こいつはそういう男である。

支払いを済ませると膝枕からなにやら不穏な音が聞こえてくる。
三味線の音が響くたびに頭が膝枕に向かって叩きつけられる!
離れようにも離れることができない!離れるどころか体と膝枕は一体化していく。
男の頭上から冷徹な声が聞こえてきた。
「首を垂れて蹲え、平伏せよ」
「こ、これは・・・星5スーパーレアのパワハラ会議膝枕!ちょ、やめろ離して、くれっ!・・・」
「お前は私に指図した。死に値する」
男は察した、
「あぁ何を言っても反論される、逃げられない
俺はここで死ぬのか・・・なんて惨めな、悪夢だぁ」

お前、最後キャラ変わってるぞ、タイトル回収か?

ずっと判で押したような毎日が過ぎていくだけのつまらない人生だった。
せめてもう一度あの膝枕のお店に行きたかった。
お店のおねいさんとお話でもしていれば、俺の人生もすこしは変わったかもしれないのに・・・
この男が死の間際に考えることはその程度の事である。

だがこの男、生存本能だけは人並み以上に凄かった。
男は助けを求めて大声で叫んだ!

「たすけくださいおねいさん!」

そこでおねいさんかよ!

目を見開いて男はハッと飛び起きた。
周りを見るといつの間にか朝になっていた。
たしかに膝枕からは体は自由になっている。
脂汗をかいてはいるがどこも怪我はしていない。
男は膝枕を探した。だが目の前にあるのは、膝枕ではなく、
以前ホームセンターで買った
今にも中身の飛び出しそうな低反発枕であった。

「あー夢ですかそうですかお疲れさまでした俺。」

あの膝枕なんて買っていなかったし大人の階段を上らせてくれた膝枕のお店にも行ってすらいない。
いや、そもそもその店すらあるのかどうかもわからない。
きっとあんな夢を見たのは400億稼いだというあの映画の円盤を何度も何度も観たせいだろう。そう男は考えることにした。
どうせまた昨日と変わらない今日も明日もこのさきずっと平凡な毎日がまた始まる。
せめて仕事が終わったらあの膝枕のお店でも探しに行ってみようか、と男は思った。

身支度をして仕事に出かけようとしたとき。インターホンが鳴った。
玄関を開けるとどこからみても派手派手な配達員の男が立っていた。

「こっからはド派手にいくぜ」

「これは・・・吉原遊郭膝枕! 男と女の見栄と欲 愛憎渦巻く夜の街?秋まで待てなーーーーい!」

「派手だろ?」

男は今度こそ失敗しないと誓って受け取りに力強くサインした。
コイツはそういう男である。

---「膝枕・無限膝枕編」Ver.1.00+0.01、了---

あとがき

出来れば鬼の膝枕も出したかったけど無理でしたw
破壊殺とか言いながら猗窩座君でてきませんタイトル詐欺です
後に続く人がいたら出してやってくださいw

その後、今井先生から「鬼滅の刃の声真似をぶっ込んだ膝枕最大の破壊力」の称号を賜りました。
ほぼ原型を留めない怪作です。ありがとうございます。
先生からは何度も「わからないけど面白い」としか評価してもらえないので少しだけぶっこみました。タイトルは伏せておりますご査収ください。

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