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紅茶シリーズ その26 ブランド②

今回も紅茶のブランドについて紹介します。


【FORTNUM & MASON(フォートナム・アンド・メイソン)】

ロンドンの老舗百貨店であり、紅茶の販売でも有名です。
国際的に知名度も高く、歴史のあるブランドです。

大英帝国が誕生した1707年にウィリアム・フォートナムとヒュー・メイソンにより創立されました。

ウィリアム・フォートナムはアン王女に仕えるフットマンでした。
彼は王室の蝋燭の管理を命じられており、減り具合に関わらず毎晩新しいものを使うようにしたそうです。そして大量に出るまだ使える蝋燭を街で売っていたそうで、この儲けを軍資金として彼は部屋を借り、小さな食糧雑貨店を開きました。

ヒュー・メイソンはウィリアム・フォートナムが店を開くために借りた部屋の大家さんだったそうです。彼もまた自分の店を持っていました。

ウィリアム・フォートナムは店を大きくしたかったのでヒュー・メイソンに共同経営の話を持ち掛けました。
ヒュー・メイソンはこれに賛同し、1707年ロンドンのピカデリーに店を移し、名前を「FORTNUM & MASON」として新しくスタートしました。

ウィリアム・フォートナムはアン王女のフットマンであった時の繋がりを利用し、あっという間にFORTNUM & MASONは王侯貴族の間で人気の店としての地位を確立します。
ウィリアム・フォートナムの孫であるチャールズ・フォートナムはシャーロット王妃に仕えながらFORTNUM & MASONの営業にも携わりました。
彼もまた王室との繋がりを上手く利用しました。

FORTNUM & MASONが行ったことをざっくりと。

・旅行者相手に商売をするのに適した場所に位置していたので携帯しやすい食品を考案し、スコッチエッグを生み出し、人気を得た

・東インド会社とも手を組み、香辛料や紅茶など珍しく高級な品物を扱い、他の店との差をつけた

・郵便利用者の集客に目をつけ、郵便事業を始めたことにより店への人々の出入りがより盛んになる
(国営の郵便局が設立される前、郵便事業は誰でも行うことができました)

・戦時下には女王の命により物資を届けたりもした

・イギリスに初めてベイクドビーンズを広めた

当時の最先端のビジネス展開により、イギリスの歴史と文化とともに大きく発展していきました。

FORTNUM & MASONには300年以上の歴史があり、ヴィクトリア女王時代をはじめ現在もイギリス王室御用達として高い品質を保ち、国際的にも名高いブランドです。


以上、ブランド②でした!




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