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おくれてやってくる痛みと喪失感

お久しぶりです。
あいもかわらずいろいろありますが、今日はわたしの体周りのことについて書きます。

昨年から脳神経外科に行ったり(noteにも書いた)、呼吸器内科でCT検査をしたり(書いてないかも?)、初めての科の体験が続いている。
とりあえず異常なしで来てはいるんだけど、不思議と続くことってあるよね。

お次の新規は、口腔外科だった。

数年前から口の奥の奥で密かに育てていた親知らずが、急にギシギシ軋みだしたんですよね。
これまではだましだましやってきていた。痛いんだけど、よくある頭痛みたいになんとかやり過ごすこともできていたので。

今回はマントルとマントルが押し合う的な痛み方。
これはいよいよかっていう覚悟を決めさせる痛みでした。

とある週末。
もうだめだーといつもながら重い腰を上げて、週明けに行ける病院を探す。

「大学病院でないと抜けないと言われた親知らずを抜いていただきました!」という口コミが決め手となり、一つ目の歯医者を予約。

大学病院で親知らずを抜いた複数の友達・・・の悲惨な話・・・
金槌のようなもので割られた、とか~
20分って説明だったのに1時間近くかかった、とか~
翌日に顔面(エラ)に地図のような赤あざ青あざができていたり、とか~

そういうネタを見聞きしてトラウマ状態だったので、大学病院に回されるレベルのことをさらりとやってのける優秀な町の歯医者さんにかかりたかったのですよ。

で、予約したんですけど、それが最短で1週間後。。。おーまいがー
耐えるか?なんとか持ち堪えられるか?と思ったんですけど、早晩「もう無理!!」となりまして、また新たに探しました。

二つ目に予約したのは口腔外科で、口腔外科ってなんぞや、なんですけど、歯医者とはまたちょっと領域が違うみたいで、ここも大学病院送りの抜歯を回避できるみたいなんですよね、口コミによると。

直近の週明け朝一に予約が取れたし、右ほほを抱えるようにして口腔外科のノレンをくぐりました。

先生は若くてパワフルでエネルギッシュでサクサク、デキそうな感じがにじみ出ている。
抜歯しかないからどうせやるならさっさとやってしまいましょう~♪
一瞬ですよ~麻酔の注射が一番痛いくらいで、あっという間ですよ~♪
今思うと若干ポジティブモンスターぽくもあったが。

わたしは痛みに弱くて、注射も大嫌いだし、怖気づいていたんですけど、抜かない限り痛みは続くわけで、後回しにしてもなにもいいことない。
で、やっちまってください!とこのポジティブ先生に託しました。

注射は痛くて、体感2センチくらいぐぃぃと差し込まれた感じでとても痛かったんですけど。
ここがピークなのよね!とたえしのびました。

先生が歯を、タケノコの土に張る根を断ち切るように二回ほどミシッミシッと揺さぶったかと思ったら、「はいもう抜けてますからね~」であっけなく終わり。
うっそーん。
時間にして10分ほど。本当に早かった。先生すげーうまいー拍手ーでした。

予約も取りやすいし上手だし当たりだったわ~とご満悦で病院を出て、スーパーに寄って買い物していると、麻酔が切れてきて。。。

うおっなんかめっちゃ痛い。
「這う這うの体」って現実にある事象だったのだな、と思いながら、急ぎ帰宅。出された薬(痛み止め、胃薬、抗菌剤)を飲みました。

ここから5日間、ずっと痛い地獄。
痛み止めが効いている間に用事をし、切れる前に次の薬を飲む、みたいな生活が続きました。
突発的に抜いたけど、ビッグイベントがない時でよかった~と後から思いました。

「注射が痛いだけであとはそんなに痛くないよ」って言ってたけど、事後がめちゃめちゃ痛いじゃん~って先生のことをすこし恨みました。
出産も痛いけど、後産もこんな痛いとは聞いてなかったよーみたいな。

1週間後、傷跡を診てもらい完了。
ついでに歯石などを取ってもらうことになったのですが、ピンクのお衣装をまとった歯科衛生士とかじゃなくて、ポジティブ先生自らだったのが驚きで。
体力っていうか、集中力がすごくて、一気に一息に、バリバリっとブルドーザーのような勢いで歯石を取り除き、今回も所要時間10分ほど。早すぎじゃね??

今まで行っていた歯科はなんだったのか…削って~磨いて~ツルピカにして~塗って~45分はかかっていたのに。
実にシンプルな工程。
先生の竹を割ったような性格(知らんけど)が診療スタイルにあらわれているのか、無駄がなくって、あっさりしてて、気に入ったーと思ったんですよね。

だが、だがよ。

抜歯の数日後、なんか腹痛いな~今までにない痛み方だな~と思ってましたら、お食事中の方すみませんが、トラブル発生ですよ。キレイな赤色だったんですよね。いちごジャムのような。

なに~?なんなの~?
これは、こういうのは、ヤバイのでは??と。

「血〇 腹痛」で検索かけまして、虚血性大腸炎であろうか?という見当をつけ(素人なりに)、
その原因を探っていたら、薬?となり、親知らずで飲んでいた薬サイドから調べましたら、抗菌剤の副作用としてあるあるだったので、まぁこれだな、と当たりをつけ(素人だってば)、
次は治療法を検索し、「胃腸を休める」くらいしかなかったので、安心して優しいお味のものを食べてすごしました。

でも、でもね。
わたしは素人なのね。
医学部出てないし。
検索がんばっただけ。
検査だってしてないわ。
もしなにか重大なことがあったらどうする~
ってことで、お墨付きをいただくために、また病院探しがはじまりました。

長くなったのでここらで切り上げようと思うんだけど、消化器内科の巻へ行く前にもう一つ書いておきたい不思議だったことがあって。

親知らずを抜いたあとには、ぽっかり穴があくんですよね。クレーター状の、切り株を掘りおこしたあとみたいな。
第一印象「ゴマがはさまってる?」だった親知らずさん。その存在に気付いてから数年、氷山の一角大になるまで見守り育ててきたので、かつてあったその場所を、舌で触れてもなにも無くてぽっかり空いてしまっていることに戸惑うんですよね。
歯があったときよりも、無くなってからの方が、無いことを確認しに行ってしまって、「あ、ないんだった…」と思ってしまったりして。
歯は無いんだけど、穴があることで逆に失った歯の存在を感じるっていうか、無くなった跡が有ることで、無いことをより強く思い知らされるっていうか。
その「無」に対してちょっと何か欠けた、もの足りなさを味わっているのが想定外で斬新な感覚でした。
親知らず相手にでもあるんだな、喪失感って。

つづく。

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