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【フランスおいしい旅ガイド】ブルゴーニュの地方菓子

フランスの中央部ブルゴーニュ地方の郷土菓子をご紹介します。

土地の産物を使ったお菓子


○フラミュースFlamusse

ブルゴーニュ地方の、クラフティのようなフルーツ入りのケーキ。家庭で作るおやつ菓子。

○リゴドンRigodon

ブリオッシュを使ったパンプディング状のもので、クルミやへーゼルナッツ、フルーツなどを加え、シナモンで香りをつける。フルールのソースを添えて温かいうちに頂く。ハムやベーコンを加えて塩味とすることもある。

○クラピヨCrâpiau

ブルゴーニュ地方、モルヴァンおよびニヴェルネ地方のベーコン入りパンケーキ。Crêpe「クレープ」の方言。

○タルトゥイヤTartouillat

リンゴの薄切りを加えたクレープ生地を、キャベツの葉にのせて焼いたもの。tarte「タルト」の派生語。モルヴァンのデザート。かつてはパンを焼いた後の残り火で作ったおやつであった。

○サン・フロランタンSaint-Florentin

クリームとサクランボをはさんだスポンジケーキ。サクランボの産地であるブルゴーニュ地方の町サン・フロランタンが語源。同名のチーズもある。

○グージェール Gougères

チーズ入りシュー。鍋に水、バター、塩を入れて熱し、小麦粉をふり入れ、しっかりと混ぜながらなめらかな生地を作る。火からおろし、卵とおろしたグリュイエールチーズを混ぜ込んで、丸く絞り出しオーヴンで焼く。1750年ディジョンの菓子屋が最初に作った。ワイナリーでのワインの試飲の際につまみとして使う。ブルゴーニュ地方各地で作られる。伝統的には大きな冠型だが、小さなシュー型も作られている。

○ポワール・ベル・ディジョネーズPoire Bell-Dijonnais

丸ごとの洋梨をバニラ風味のシロップ漬けコンポートにし、ラズベリーピュレをかけて食べるデザート。

お祭りのお菓子


○グエロンGouéron

リンゴのケーキ。古フランス語goguer「喜ぶ」が語源。ブルゴーニュ地方では昔、祭用に作っていた。リヨンではグエールGouèreという。フロニャルドと同種。

民族の移動によって伝えられたお菓子


○ディジョンのパン・デピスPain d'Epices de Dijon

香辛料入りパン。英語ではジンジャーブレッド。発酵生地にハチミツ、スパイス、時にはフルーツの砂糖漬けを加えて焼いたお菓子。ハチミツの代わりに他の甘味料を入れ、保存がきくようにしたものもある。形は、多くはパウンド型だが、その他にノネット(若い修道女の意)という直径5cm、厚さ3cm位のパサパサしたもの、ジャンブレットという、丸または長方形の薄いクッキー状のもの、グラッセ・マンスという棒状で白く砂糖がけしたものなどがある。起源は10世紀頃中国で作られていた、小麦粉とハチミツを使ったお菓子「ミ・コン」だといわれる。このお菓子を13世紀に中国と戦ったモンゴルのチンギス・ハンが持ち帰ったという逸話もある。このお菓子がアラブに伝わり、11世紀に十字軍によってヨーロッパにもたらされた。当時はハンガリー、ドイツ、オランダ、ベルギーなど東欧を中心に食べられていたが、1369年に北フランスのフランドル地方のマルグレット王女がブルゴーニュ公国のフィリップ3世に嫁いだため、ディジョンでも作られるようになったという。(このフィリップ3世が、フランドル地方遠征中にこのパンを見つけ持ち帰ったという説もある。)当時のオランダには異国の香辛料があふれ、様々な料理に使うのが一種の流行だったようで、このパンもその1つであったのだろう。

フランスでは今でも、ランスとディジョンのパン・デピスが有名で、ランスに設立したパン・デピスの同業組合は、1596年フランス国王アンリ4世によって公式に承認されている。ランスでは材料にライ麦が用いられ、その製造の独占権を主張していたが、17世紀以来フランス各地の祭りで売られるようになる。現在ディジョンのものは小麦粉のみで、南仏産ラベンダーのハチミツを使うことが多いが、ベルギー(フランドル)風としてライ麦を加えることもある。小麦粉、ライ麦粉、ベーキングパウダー(または重曹)に、温めたハチミツを混ぜ、牛乳、卵、砂糖を加え、シナモン、クローヴ、生姜、アニス、ナツメグなどのスパイスを入れ、オレンジ・ピールやレモン・ピールなどを混ぜて、しばらく寝かせ、パウンド型で低温で1時間位焼く。仕上げにグラサージュ(砂糖で作るつや出し用の上がけ)を塗る。

Mulot & Petitjean, Dijon

○クロッケ・オー・ザマンド Croquet aux Amandes

パン・デピスから発生したといわれる焼き菓子。切り口に丸ごとのアーモンドが見えるビスケット。リヨン、ボルドー、ナントなどでも見られるが、ブルゴーニュ地方でもニエーヴル県を中心に多く出回っている。小麦粉、砂糖、卵、(時にバターも)に粒のままのアーモンドを加え、平らななまこ形に伸ばし、幅2cmくらいにカットして焼いたもの。バターが少なく乾いた感じ。イタリアのビスコッティに似ている。

コンフィズリ


○レジネRaisiné

ブドウ果汁で作るブルゴーニュ地方のジャム。raisin「ブドウの実」の派生語。19世紀までは完熟したブドウ果汁と砂糖を煮つめたものだったが、今日では花梨や洋梨、リンゴの果汁を加える。第2次世界大戦中は砂糖不足のために砂糖なしで作ったが、これを本物のレジネという人もいる。

○ル・ネギュスLe Négus

ネギュスとはエチオピア皇帝の尊称。1901年、当時のエチオピア皇帝メネリックがフランスにやって来た際に捧げられたお菓子。考案者はブルゴーニュ地方ヌヴェールの砂糖菓子職人グルニエ。チョコレート風味のやわらかいキャラメルを、砂糖を煮つめたダークな褐色の飴でコーティングしたボンボン。翌年、明るい褐色の飴でコーティングしたコーヒー味のキャラメル「アビシンAbyssin」を作った。アビシンとはコーヒー豆の国エチオピアの別名。

○アニス・ド・フラヴィニーAnis de Flavigny

フラヴィニーの修道院で作られる、アニスの香りの飴。アニスの種に何度も砂糖がけしたもの。

○カシシーヌCassissine

楕円形をしたカシスのペーストゼリー。表面にさらめがまぶされていて、中に濃厚なカシスのリキュールが入っている。ディジョンのスペシャリテ。

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