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【フランスおいしい旅ガイド】ピカルディの郷土料理

名物料理


○アミアンのパテPâté d'Amiens

フランス料理史上最も著名かつ真正なる野生の鴨のパイは、ソンム県アミアンのパテである。中世の頃からある料理で、16世紀の小説家ラブレー、また自然主義の作家ゾラ(1840~1902)の作品にも描かれている。撃ち落とした若い鴨を3、4日つるしてから取り扱う。羽をむしって内臓を抜き、骨も全て取り除いて1枚開きにする。別に鴨の肝臓、豚の背脂のみじん切りなどをバターで手早く炒め、コニャック、ジンといった酒類、塩、キャトル・エピス(クローヴ、ナツメグ、胡椒、シナモンか生姜)などで香りをつける。これをソーセージ用のすり身と一緒にすりつぶしてすり身を作り、鴨の上に塗り広げて、両端を合わせる。楕円形にのばした練りパイ生地に、残しておいたすり身を塗り、鴨を上に置き、すり身で全体をおおってからもう1枚のパイ生地をかぶせて縁を貼り合わせる。つや出しのため表面に卵黄を塗り、蒸気穴を開けて、オーヴンで1時間半~2時間焼く。1日位冷まして切り分ける。もともと骨つきの鴨で、ライ麦の粉で作ったパイ生地を使っていたとも伝えられている。

○カキューズCaqhuse(あるいはカギューズCaghuse)

ピカルディー地方固有の料理。鍋にバターをたっぷり塗り、骨つきの豚のもも肉を塊のまま入れる。できれば燻製にしたハムを使うとよい。玉葱はぶつ切り、あるいは薄く切って山のように周りに置き、塩、胡椒と少量の水を加えてオーヴンで2時間ほど蒸し焼きする。冷たくして食べる。

Le T'chiot Zinc, Amiens

○野ウサギのシヴェCivet de Lièvre

野ウサギを浅葱のかわりの玉葱などどともに赤ワインで煮込み、血でつないだ料理。

○コディエールCaudière

ピカルディー地方の魚のスープ料理。舌平目、ムール貝など英仏海峡でとれる魚貝を使って作る。卵黄と生クリームでつなぐ。

野菜料理


○ポロネギのスープSoupe aux Poireaux

ピカルディー地方のアミアン周辺では、湿地帯を利用した野菜作りが盛ん。キャベツ、ポロネギ、レタス、オゼイユ、ジャガイモ、カボチャなど味のよい野菜が様々の形で食卓に登場する。なかでも最も家庭的なのがスープ。ポロネギの薄切りをバターで炒め、水を加え、ナツメグの風味をつけてとろとろになるまで煮る。グリュイエールチーズをちらす。

○農夫のスープSoupe des Hortillons

キャベツ、ポロネギ、ジャガイモ、グリンピース入りのスープ。

○ポロネギのヴィネグレットソース添えPoireaux à la Vinaigrette

ポロネギの白い部分を煮立っている塩湯でやわらかくなるまでゆで、水気を切って冷蔵庫でよく冷ましておく。サラダ油、酢、マスタード、塩、胡椒で作ったヴィネグレットソースをかけ、パセリをちらす。

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