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miu404 最終話

 同時多発爆破テロのニュース映像はフェイクとわかり、大混乱は間もなく収束した。伊吹(綾野剛)と志摩(星野源)は、犯人が乗っているとネット上で拡散されたメロンパンの機捜車両404での密行は行えずにいた。別の車両で密行していると、その車中、伊吹は志摩の態度がおかしいことを追及。結果的に2人の関係がギクシャクしてしまう。

 実は、トラックにひき逃げされた陣馬(橋本じゅん)は、爆破テロの大混乱で救急搬送が遅れてしまった…。志摩はフェイクに気づけずに判断を誤った自分を責めていた。九重(岡田健史)も陣馬の相棒として一緒に行動できなかったことを悔やみ、桔梗(麻生久美子)は班長としての責任を痛感。それぞれが無力感にさいなまれていた。そして伊吹は…。

 さらに、依然として久住(菅田将暉)の行方は掴めないまま…。4機捜はこのまま久住を捕まえられず、バラバラになってしまうのか…。
(公式HPから)

 今回は全部のエピソードの集大成のような回だった。車が普通のセダンに戻ったのは1話と同じ。「無意味に張り合うな」とか。志摩が伊吹に謝るくだりは2話と同じ。メロンパン号からチャリが飛び出すのは3話と同じ。スイッチの話も出てくる。防カメのローラー作戦は出前太郎のときと同じか。「刑事の自分を捨てても許さない」のは蒲郡と同じ。「汚いもん見んようにして、自分だけは綺麗やと思てる正しい人ら」という言葉はベトナムの事件を思い出させる。ゴミの上にできた夢の島。ゴミ、クズミ、トラッシュ、スレイキー。陣馬の家族も出てくる。ネットの自浄作用のくだりでは、いままでの関係者がちらっと出て来る。

 タイトルの話、「ゼロ」。久住のバックグラウンドの話か。東京ニーゼロニーゼロの話も出て来る。ラストで新国立競技場のことを「ゼロ地点」と呼ぶ伊吹。屋根のデザインは確かに「0」に見える。 冒頭で、東京オリンピックのチケット高騰の話をし、「金持ちしか入られへん」と言いながら、TVで流れる無償ボランティア募集をどことなく憎々しげに眺めていた久住。「みんな泥水に流されて、全部無くしたらええねん」と言いながら「10年経てば、みんな忘れる」と切り捨てるあたり、ほんとうに被災者だったのかな、思ってしまう。

 そしてまたまたスイッチの話。今回のキーになるタイミングで、志摩の語りがはじまる。「何かのスイッチで進む道を間違える。その時が来るまで、誰にも分からない。だけどさ、どうにかして止められるなら、止めたいよな。最悪の事態になる前に。」3話のスイッチの話は、やはりこのドラマのテーマでもあったんだと思う。そして今回は九重がスイッチの話を持ち出す。ぜんぜん響いてないように見えたのに、ちゃんと影響されてたんだな、と思うと嬉しくなる。志摩が最後につぶやく。「毎日が選択の連続。また間違えるかもな」「まぁ間違えても、ここからだ。」
 今回は、陣馬へ大量に差し入れられたうどんをきっかけに、九重が二人を救うスイッチになった。どんなことがスイッチになるか、良い方に転ぶか悪いほうに転ぶか、そんなことは神様じゃない限り完全には分からない。善意が最悪の結果に繋がることもあるかもしれない。それでも、できる限り意識して、誰かの良いスイッチになれるように生きていこうと思う。

 あとは気になったこと。
・LINE的な「LIME」ってアプリが出てきたけど、アイコンが輪切りのライムになってて、妙に凝っててよかった。
・ナイトクローラーRECって、映画の「ナイトクローラー」から来てたのか。部屋にポスターが貼ってあった。スクープとるために危ない橋を渡る人間を描いた映画に憧れたとなれば、そりゃああなるよなぁ。
・ずーっと気になってたけど、九重はなんで博多弁?親は警察庁ってことは東京暮らしでは?それとも、父親が単身赴任とか両親は東京で、祖父母に預けられてたとかかな、と思うと、微妙な距離感に納得がいく。どうなんだろ。

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