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miu404 第9話


 桔梗(麻生久美子)の自宅に盗聴器が仕掛けられた一件が進展する中、伊吹(綾野剛)、志摩(星野源)らのもとに、虚偽通報事件で逃走中の高校生・成川(鈴鹿央士)が暴力団の関係先に出入りしているという情報が入る。成川を取り逃がしたことに責任を感じていた九重(岡田健史)は捜査を志願し、陣馬(橋本じゅん)と共に成川を捜し出そうとするが…

 一方、成川は久住(菅田将暉)の世話になりながら、ナウチューバ―・REC(渡邊圭祐)に接触し、賞金一千万がかけられた羽野麦(黒川智花)の捜索を依頼する。

 そんな中、桔梗宅への住居侵入事件の主犯が、エトリと繋がりのある辰井組の組員だったことが分かり、関係各所への一斉ガサ入れが決行される。桔梗はエトリを再び取り逃がすことを恐れ、伊吹、志摩らにエトリにつながる人物を探すように命じるが…(公式HPから)


 間に合わせる話。ガマさんの事件を引きずる伊吹。いちばん大切な人が「最悪の事態になる前に止められ」なかった。間に合わなかった。志摩は伊吹に何度も言い聞かせる。「間に合わせるぞ」。エトリの話を聞いて、憤る伊吹。「もしもハムちゃんに何かあったら、隊長に何かあったら、ユタカに何かあったら、俺は許さない。許さない。」刑事であることをやめた、ガマさんの言葉と重なる。志摩は伊吹をじっと見つめた後、「安心しろ、俺も許さない。」
 普段の志摩ならたしなめるところだと思った。伊吹へのフォローの意味合いもあったと思うけれど、今回は意見が合いすぎている気がする。噛み合いすぎているというか。志摩も伊吹の影響を受けてきたということか。なんとなく違和感を覚えた。

 間に合った話。羽野麦を誘拐するために誘い出す成川。エトリの一味が待つポイントに誘導しながら、麦と話す。桔梗さんを「一緒に戦ってくれた人」といい、成川にもそんな人がきっと見つかる、と請け負う麦。麦を詐欺師と聞かされていた成川が、揺れ始める。自分がやってきたことは正しかったのか。これで良かったのか。今からしようとしていることは、間違っているんじゃないのか。
 羽野麦が、成川にとってのスイッチになったのかもしれない。羽野麦と出会えたことで、成川は最悪の事態になる前に引き返せた。間に合ったのだ。
 たがそのせいで、二人とも危機に陥る。「暗くて、寒くて、狭いところ」に閉じ込められてしまう。命を落としそうになる瞬間、志摩と伊吹がやって来る。彼らも「間に合った」のだ。その成川が沈みかけたとき、手を差し伸べるのが九重なのがまたエモい。「成川のことを忘れて職務にあたれるか自信がない」と言った九重もまた、間に合ったのだ。
 「間に合った」「間に合った」と声を掛け合う志摩と伊吹。これまでになく噛み合っている。ここで流れる「感電」。やっぱりなんか違和感。ハマりすぎている感じ。…こんなドラマだったっけ?

 やっぱりそんな話じゃなかった。ドラマはその後、急展開を見せる。エトリは久住の手によって強制退場、ここでラスボスはエトリから久住へと切り替わる。「噛み合わない二人が揉めながらエトリを追う」前半から、「力を合わせて久住を追う」後半へシフトチェンジするのだろう。だいぶ雰囲気が変わってきそうだ。

 あとは気になったところ。暴力団事務所へのガサ入れで「陣馬さんはきっと最前列」「顔が違う」のくだりに笑ってしまった。マル暴や事務所はガサ入れが妙にイカついのって、共通のネタなんだなと思った。個人的にはYouTubeとかに上がっている、大阪府警のガサ入れ映像が大好きだ。
 拉致現場に急行した陣馬さんが真っ先に「防カメ!」と叫ぶのが、リアルというか実際そうなんだろうな、と思った。ニュースなんかを見ても、警察の捜査はかなり防犯カメラに基づいている感じがする。まぁそうなるよね。
 3話で成川の犯罪を「自己責任」と切り捨てた九重が、成川の家族に食ってかかるシーン、良かった。成川の周りにある「障害物」に目を向ける成長ぶり、正しい道に戻してやろうとしない周りの人間に怒りをぶつける正義漢、分かったうえで止めてやる陣馬…。これまでのエピソードを踏まえた、「きちんとワークしてる感」。

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