清肺湯により重症肺炎を改善させるか?

【調べた背景】採用されている去痰薬を全て使用したが、効果不十分だった。患者限定採用で清肺湯を使用したいと医師より依頼。清肺湯の効果について調べた。

【論文】清肺湯により重症肺炎後、在宅酸素療法から離脱できた一症例
https://doi.org/10.3937/kampomed.58.285

【論文の結果】重症肺炎後の呼吸不全状態に対し在宅酸素療法を導入した症例に対し, 清肺湯を投与したところ, 呼吸不全の状態から離脱できた症例を経験した。症例は76歳男性。高血圧症などにて外来治療中, 平成16年2月27日肺炎にて当院入院。抗生剤投与などにより炎症反応の陰性化が見られた後も低酸素血症が続いたため, 在宅酸素治療を導入した。その他の内服薬を変更することなく清肺湯を追加投与したところ低酸素血症が改善し, 画像上も器質的変化が著明に改善し, 在宅酸素治療を中止した。
清肺湯は肺の熱をさます作用を持つとされ, 気道のクリアランスを亢進させ肺胞などの炎症反応を抑制するとされている。本症例の場合も肺炎後の変化に対し清肺湯が改善効果を示し, 器質的変化を僅かに残存させるのみで呼吸不全からの離脱に寄与したと考えられた。

【対応】清肺湯使用後、低K血症、肝障害が出たため中止した。効果はやや改善した。カンゾウは1gだが、K値は下がった。肝障害も全身状態悪化から起きている可能性はあったが、効果と副作用のバランスを考え中止した。

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