「言葉にできない、そんな夜。」を見て、共感して泣いた話

 火曜日の夜、「言葉にできない、そんな夜。」を視聴する。この気持ちわかる~と共感する一方で、気持ちをここまで表現できる言葉ってすごいなと思う。感動したときすごい・ヤバいとしか言えない自分にとって、もっと言葉を知りたくなる番組だ。

 2023年6月13日の放送で「何かを諦めたとき」の気持ちを表す言葉が紹介された。そこで町田そのこさんの書き下ろしが紹介された。その文章を読んで、私は泣いてしまった。共感したのと、私自身の諦めた経験を思い出したからだ。
 この感情を私も言葉で綴ってみようかと思い、書いてみることにした。

 町田さんの文章を読んで、とても共感した。その夢を目指していたげど、途中で諦めて降りると決めたのは自分自身。降り始めてからも振り返って、もっと頑張れたんじゃないかと思ってしまう。そしてその夢は輝き続けている。

 私は学生のときから、漠然と図書館で司書として働きたいなと思っていた。だから、高校は進学校に入り、大学で司書資格が取れるコースを選択した。今から思うと、夢ばかり見すぎて現実を見ていなかったと分かる。図書館の状況や課題、雇用の実情、採用試験などなどもっと詳しく知っておくべきだったと思う。
 大学を卒業してから、なんだかんだありつつ非正規職員として公共図書館で働けることとなった。非正規雇用だが、採用試験の合格通知が届いたときは嬉しかった。雇用契約は数年だが、切れるまでに正規職員の試験に挑戦し続けようと思った。(その自治体の図書館は周りの自治体より正規採用の倍率がよかった)
 本命の試験は年に1度行われる。モチベーションを下げたくなかったから他の自治体の試験も行ける範囲で受けたり、有利になると言われた検定も受けたりした。
 しかし、雇用期間最後の試験を前に、私は試験勉強をあまりしなくなっていた。少し前までは他の採用試験で出た問題から対策をしたり、市政関係のこと見てみたりしていたのに。結局試験には落ちた。その前の年に落ちたときは悔しくて家で泣いたが、今回は最後の試験なのに落ちてホッとした気持ちもあった。
 試験前にやる気なくした原因も考えてみた。本命前に他のところの試験や検定を受けて疲れてしまった。図書館の仕事は好きだけど、できることが増え成長できたとしても非正規だから昇給はない。給料もなんとか生活ができる程度。有給は取れるけど、シフト制だから周りを見ながら取っていた。収入やお休みの関係上、推しのイベントに前ほど行けなくなった。年齢的にこのまま非正規でやっていくのか不安になった。などなど重なったためだと思う。落ちてホッとしたのも、これで非正規という立場から解放されるという思いがあったからだと思う。図書館の仕事は好きだったから、前のめりで仕事していた。楽しくやっている仕事を辞めることに寂しさもありつつ、安心した気持ちもあることが不思議だった。
 試験勉強をしなくなった時、司書を諦めることへの葛藤もあった。諦めることがつらくて泣いたときもあった。学生のときからの憧れだったし、数年だけど働いてやりがいや面白さもあった。成長していきたいという思いもあった。でも、最後には不安定な生活へのつらさが勝った。
 今は正社員になれたから、生活への不安は前より解消された。近所の図書館にも一利用者として通っている。図書館のニュースが流れてくるとやはり気になるし、改善されるよう強く願う。

 時々過去を振り返ると、夢に向かって駆け上っていた自分は輝いていたなと思う。その夢は諦めたけど、これからは別の目標見つけて、そこに向かって自分のペースで向かっていきたい。図書館で働いたのは数年だったけど、この経験は私にとって宝物となった。大変だったりつらかったりしたこともあったけど、本当に楽しかった。この宝物を残すため、そして整理するため、また綴ってみたいな。

 言葉って、すごい。

おわり