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燃え上がるキャンドル

つい最近、姪の結婚式に参列した。
その時、ふと自分の披露宴のことを思い出した。

時はバブルの真っ最中。
友人の式ではゴンドラが飛んだり、スモークもくもく出過ぎて、新郎が新婦の姿を見失ったり・・と、それはそれはなんだか今思えば「すっご」という感想しか出てこないような感じのものが花盛りだった。
ムスメに話したら「うわ〜バブル〜って感じぃ〜」とむっちゃ頭の悪い感想を述べていたが、まぁまさにそれである。
なんかなんでも「バブルめ」とワタシのことを揶揄するムスメに、「ゆとりめ」と応じるワタシもどうかということはさておき。

ともに好きでその時代を生きたわけではないぞ、ということで毎回着地している(笑)

そんなわけで、バブル真っ盛りの時の披露宴。
今はどうなのか知らんが、当時はキャンドルサービスというやつがあって、新郎新婦が各テーブルを回ってテーブルの上のキャンドルに火を灯してご挨拶して回る、というやつがあった。

招待客にとっては、新郎新婦が近くに来てくれるチャンスなわけで、まぁそこそこ盛り上がるわけである。
そして、すべてのテーブルを回った後に、新郎新婦は、自分たちの席にあるハート型のキャンドルの一番下の部分に2人で着火すると、火は左右に分かれてぱぱぱっと次から次へとキャドルに火を灯し最終的には、燃え盛るハートが完成する、という、今書いているだけで小っ恥ずかしくて鳥肌がたつような代物でゴール、ということになるのであった。

想像できる?

イメージはこれ。


徐々に下から1つ1つ導火線をたどってキャンドルに火が移っていくのが、2人のこれまでを描くような感じで・・みたいなことを、当時のウェディングプランナーの人が言ってた気もする(うっすら)

そして当日。

各テーブルへの点火も無事に終え、ドレスの裾を何度も新郎にふまれながらも、ドレスの下はとてもお見せできないような角度で膝を割って踏ん張りつつ、なんとかコケずに裾を取り返し、ようやくハートキャンドルまでたどり着いたワタシ。

「さぁ!ハートキャンドルへの点火です!!」みたいな大仰な司会のセリフとともに、ワタシとオットは一番下のキャンドルに火を移した・・


のだが。


・・・・・


あっという間に、オット側の半分のハートは、どんどん炎が移ってボボボボボっと頂点まで駆け上っていった・・



のに。


ワタシ側のキャンドルは、オットと共に火をつけた一番下のキャンドルから、ジリジリ・・・ジリジリ・・・と1本・・・・・また、ジリジリ・・・・ジリジリ・・・・2本・・・ジリジリ・・・・・・・・


と、ひたすらジリジリを地道に続けているではないか。(;´・ω・)


いや、これちょっと気まずい・・・・。

ワタシがまるで結婚を躊躇しているのを如実に表しているようなこの躊躇しまくりのキャンドル。

期せずして、宴席から忍び笑いが聞こえてくる。

そう、悪友たちが座っているテーブルである。
うんうん、わかるよ、ワタシもそこにいたら笑ってる。

しかし!!
新郎サイドのお客様もたくさんいらしているこの宴席で、新婦たるワタシが「やだちょっとウケる~!」的な態度で笑ってはいかん。
必死で笑いをこらえつつ、炎に向けて「はよ!はよ!」と圧をかけるぐらいしか、初々しい新婦にはできないのである。

そんなワタシの気持ちを全く忖度することなく、隣で燃え盛っているオット側のキャンドルは蝋を垂らさんばかりに炎を揺らしているというのに、
ワタシ側のキャンドルはようやく2本目から3本目へゆらゆらと移動しつつある、という遅れっぷり。

うそでしょ~・・・(笑)

もう会場は小さくざわめいていたのが、だんだんクスクスと笑い声が聞こえだし、ついにわははははと笑う輩も出はじめ・・・

さすがのワタシも我慢しきれずに、顔を伏せながら笑いで肩が震えるのを我慢することができなくなってしまった・・。あか~ん。


結果、オットから遅れること数分、ようやく「しかたねーな」という雰囲気でワタシのキャンドルが頂点まで火を移し、見事ハート形のキャンドルは完成したた。もう地獄か。

司会の方のつなぎがとってもお上手で
「おおっ!どうしたことでしょう?新婦側のキャンドルが恥じらっております」とか「新郎、キモチが高ぶりすぎてしまったのでしょうか?」とか、数分の間を繋いでくれたので、もう宴席は大爆笑の渦であった。
いやいやいや、ワタシ、気まずいやん(笑)
なんなの?なんの罰ゲームなの?って感じであった。

結婚後30年近くなるいまになっても、結婚式の思い出は?と問われると、このキャンドルじりじり事件を一番に思い出す。
もう一つあるのだが、またそれは次の機会に(笑)






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