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私の単位戦争1


「私にもう一度チャンスを下さい」


2016年1月愛○大学法文学部にて
私はS教授にこう言った。 

時は遡り同年4月、3回生の私は焦っていた。


「単位が絶望的に足りない。」

愛○大学理学部物理学科は、3回生後期までにある一定の単位を獲得していないと卒業論文を書く資格が与えられない、

つまり、留年だ。


1回、2回生と遊びに遊びほうけた私は、このままでは単位が足りない!ということに3回生前期で”運良く”気づいたのである。

もちろん落とした講義は次年度に授業を受けなおしていたのだが、
2回生で落とした講義を3回生になって再履修しようとするが、、再履修すらできない。

なぜか。

専門科目とかぶってしまっているからだ。


愛○大学には1回生、2回生と共通教育と呼ばれる一般教養科目が存在する。

一般教養とはいうものの、文系よりの科目、理系向けの講義が存在する。

私が単位を落としたのは、その共通科目。

1、2回生向けに開講されているため、3回生以上の時間割には対応しておらず、専門科目とぴったりかぶっている。


一方、専門科目は学科で開講されている講義をほとんどすべて履修しなければ単位数が足りないように計算されているため、いわば「必修」だ。


3回生前期の時点で足りない単位は4単位。
それを埋めるためにはどうすればいいか。

必修の専門科目を外さず、且つ単位を稼ぐには。方法が一つだけあった。

時間割で空いているコマに唯一入るのが

「フィリピノ語」

だった。

理系学部ならではのルールなのだが、
言語科目(フランス語、ドイツ語など)の科目を履修すれば、共通科目としてカウントされる、のである。

ただし、言語科目はかなりハードルが高い。
それは、週に2回講義があるにもかかわらず、単位数は前期で2、後期で2。
その他の講義より単位のコスパが1/2なのである。


ただ、背水の陣のちょちょ氏には他に選択肢がなかった。
そうしてフィリピノ語を受講することになったのである。



単位が足りず、ほかの講義も専門科目とかぶっていてこれ(フィリピノ語)しか取れませんでした。


フィリピノ語最初の授業の自己紹介で、私はこう言った。

私をよく知っている人なら笑ってくれたかもしれないが、初対面且つ私以外1回生しかいない講義で、こう聞いたら笑っていいのかどうか困る事が容易に想像できる。

なにせよフィリピノ語なんて受講する学生はめちゃくちゃ真面目か陰キャしかいないだろう。(偏見)

案の定、私の自己紹介の後、たった8人のクラスは静寂に包まれた。


愛大の出席ルールに引っかからないように、というかクラスに友達がいないため、
テストに出る内容を聞き逃さないよう、前期、後期、1回も欠席しなかった。

欠席癖のある私でもやればできるのだ。

(1度ズボンが破れたことがあったが、それでも私は講義に出た)


クォーター制の為、1年を通して4回のテストがあるが1、2、3回目のテストは難なくクリア。
(というかS教授がテストに出るまとめプリントを配っていてくれたからテストは解けた)


授業にも慣れ、4回目のテストも余裕だろうと鷹を括っていた私は、これまでのようにまとめプリントを丸暗記するだけでテストに臨んだ。


結果、全く解けなかった。

テスト後、これはやばい、、、と流石に焦ったが、これまでS教授と一年も講義を共にした仲だし、最初に、

「単位が足りません」

と宣言したこともあって、忖度してくれるだろう、、、
と安易に考えていた。


3/1成績発表、
フィリピノ語の単位は「不可」だった。

そこで、私の留年が決定した。 
絶望した。



〜私の単位戦争2へつづく。

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