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「ここで育てたい」は小学生娘の一言だった

東京都調布市で子育て支援を行っているNPO法人です。正式名称は「特定非営利活動法人ちょうふ子育てネットワーク・ちょこネット」といいます。長いですね…。任意団体から法人となったのは2013年のこと。
当初は、
「え?チョコレート?」
「ちょこっとネットさん」
など、聞き間違い、言い間違いも多くご迷惑をおかけしていましたが、10年以上地域で活動する中で、少しずつ認知されるようになりました。

子育てがつらい

理事長の私こと竹中は、東京都狛江市で10年、その後、調布市に転居して3人の子育てをしてきました。そんな娘たちもすでに(おおむね無事に)大人となりましたが、振り返ると私の子育ては本当に苦しかったし、誰にも相談できず、孤立し、当時はちょっと「おかしくなっていたかもしれない」とさえ思います。

何もかもが「うまくいかない」と感じていた子育て。少しずつ地域の児童館や公園に通うようになりましたが(公園デビューという言葉が生まれた時代でした)ごく限られた人間関係やむなく離職したこともあり、狭い世界に閉じ込められたようで、とてもしんどい時期でした。

当時はネットもなく情報は限られていたのも痛かった…。そんな中で本当に少しずつではありましたが、ご近所の方に声をかけていただき、上の子の通院時に下の子を預かってもらったり、子ども同士を遊ばせたりといった関係を持てるようになりました。

小学生娘が語る 「子育てするなら、こんな街がいいな」

ある日、当時小学校中学年ぐらいだった末っ子に、こんなことを言われました。

娘「私も子育てをするなら、こんな街がいいな

私「え?どういうこと?」

娘「(調布は)自然がいっぱいだし、ご近所づきあいがあるから

私が暮らしている家は、同じ時期に建設された戸建てが並ぶ路地にあります。ご近所のみなさんとは近すぎず、でもいつも挨拶をかわし、時には井戸端会議もあるなどゆるやかに繋がっています。子どもたちもかつての登下校時には
「行ってらっしゃい」
「おかえり」
と声をかけてもらっていたものです。

私の留守中に何か困ったことがあったときには、ご近所の誰かに助けてもらうこともありました。そんなご近所との関係は、娘たちにとって実は何よりの「安心」だったのかもしれません。

それにしても小学生がなぜ「子育てするなら」なんて言ったのでしょう。ちょっと不思議にも思いましたが、きっと何かのメッセージ? 

というわけで、ちょこネットのキャッチコピー「ここで育てたい」は生まれました。

野川には家族でよく出かけました (写真:コサイトより)
身近にこんな素敵な環境があるのも調布ならでは (写真:コサイトより)

子育て支援の「ソフト」部分を担いたい

少子化の今、国は少子化対策に躍起です。出産、子育てに関する制度や金銭的なサポートは充実し、自治体による子育て支援事業も確実に充実してきているなあとも感じます。

行政による支援は、いわば子育て中の方にとっては「インフラ」的な存在。日々の子育てを支え合うような「ご近所づきあい」は希薄になりがちな昨今ですが、それに似た交流、体験ができる場があれば、きっと子育て中の方たちは「おおらかに」「孤立することなく」過ごしていただけるはず。

そこで私達は「子育て中の方たち(ママ・パパ・祖父母など)が、たまには周囲に気兼ねせず、人が作ったごはんを食べながらくつろぐことができる場」「交流できる場」として「カフェaona」を。

天然木をふんだんに使ったカフェaonaの店内は靴を脱いであがります
27畳の座敷席が人気!
赤ちゃんを座布団に寝かせてゆっくりおしゃべり


そして、子育て中の人たちが「行きたくなる」「会いたくなる」「体験したくなる」街の情報をまとめた「調布子育て応援サイト コサイト」をいずれも2015年4月にオープンしました。

常に情報を更新しています!


つまり、インフラの隙間を埋めるようで、実は少しでも「子育てしやすい」と感じられるような「ソフト」を提供したいと考えたのでした。


自己紹介のつもりが、すっかり長くなってしまいました。今後は少しずつ、各事業の実態や、子育て世代が抱えている多様な課題、NPO法人としての今後などについて書いていきたいと思います








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