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【スタンダード】アトラクサ大襲来!主要デッキ別リアニメイト対策

こんにちは、ちょぼ裂きです。今回はスタンダードにて近年稀に見る熱量で「偉大なる統一者、アトラクサ」を使用したデッキが流行っている為、主要なデッキ別「アトラクサ」対策を書こうと思います。

まずは敵を知ろう

「晴れるや」さんの大会デッキリストではこのようなデッキが優秀な成績を収めました。

https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/481127/show/

また、マジックオンラインのスタンダードチャレンジでも「アトラクサ」を使ったデッキがトップに輝いていたり、レガシーのリアニデッキで定番だったグラセルブランドを押し除けて採用されるなど、いかにアトラクサが強力かが分かる結果が続々出ました。
MOのスタンダードチャレンジのデッキリスト→

細かい所は違えど、「報復招来」によりアトラクサやファイレクシアへの門を釣り上げると言う動きは共通しています。基本的には赤白のボロスカラーで、赤のカードとしては柔軟な手札入れ替えがパワーカード「鏡割りの寓話」、単体火力とかき回しを両立出来る「安堵の火葬」、「大勝ち」、などを採用し、ルーター能力を駆使してアトラクサなどの踏み倒し先を墓地に送ると言う様です。他のクリーチャーとしては「聖域の番人」を採用し、踏み倒してもそのまま唱えても嬉しいカードとして採用している様に思います。
また、他のバリエーションとして踏み倒しをせずに軽量除去や「力線の束縛」で序盤を耐え凌ぎ、その後はアトラクサに留まらず「神の乱」等のかなりのパワーを誇るカードを唱える事を目指す型もあるようですが、この型はデッキ全体が重い上に安定性が低く、打ち消しなどで対処は出来るので、今回はリアニメイト型のアトラクサ対策を書こうと思います。

対策方針

今のリストでは基本的に序盤は3点程度の火力による除去のみですが、踏み倒し先のアトラクサ及び聖域の番人、ファイレクシアへの門は優秀なETBにより踏み倒しが成功した時点でアドバンテージを失いにくいです。
特にアトラクサのETBはアドバンテージ獲得量が大きく、運が良ければ4枚以上を見て手札に加えられると言う恐ろしい事が可能です。そのアドバンテージ獲得能力により踏み倒されたら、短期決戦を決めるか長期戦で少しずつアドバンテージを取り返すしかありません。
しかしながら、踏み倒し手段の「報復招来」はそもそも5マナで4つの白マナが必要とかなり重く、タイミングも予想しやすいので打ち消しが有効です。相手の土地の状況によってはそもそも唱えられない事も少なくない上、そのことがこちらからは明確に分かりますが、似たような効果のリアニ呪文の「修復と充電」の存在には注意してください。こちらはクリーチャーを釣り上げる事は出来ませんがファイレクシアへの門などが出てきます。

アンコモンなのが凄い一枚

またデッキからいきなり飛んでくる訳でもなく墓地を経由する為、墓地対策も良い回答ですが相手はインスタントタイミングでのルーターを搭載しているのでこちらも素早い、もしくはタイミングが柔軟な墓地対策をしなくてはなりません。また、踏み倒す物はクリーチャーに限らないために「死体鑑定士」などの墓地追放出来るカードが限られるものは完璧な解答になり得ません。
また、「墓地の侵入者」は他のデッキに対して然程強力でない上、除去されるサイズで護法もちょうどよかったと言わんばかりにリアニメイト先を捨てられるなど案外弱いです。

デッキ全般の対策カード

「未認可霊柩車」は良いカードですが、相手も「削剥」によりアーティファクト対策がされている事にも注意が必要です。
もちろん、未認可霊柩車もインスタントタイミングの墓地追放により最低限2枚のカードを墓地から追放出来ますが、より完璧な解答としては別のカードにした方が良いでしょう。
しかし、どのデッキでも搭載できる墓地対策としてはこれ以上のカードはなく、デッキによって持ち得る対策手段を取ると言うのがベストに思えます。

ニューカペナで当初注目されていなかったトップレア。今ではモダン、レガシーでも活躍中

エスパーレジェンズ

エスパーレジェンズは早いゲームを目指す上に、除去やリアニメイト呪文を先延ばしにする「スレイベンの守護者、サリア」、リアニメイト戦術のメタになりながらスタッツも優秀な「敬虔な新米、デニック」など、そのままでもリアニメイトにとても強いデッキです。
サイドボードもリアニ呪文やクリーチャーがそのまま唱えられた時に強い「軽蔑的な一撃」を持ってくるだけで十分でしょう。ただし、いざアトラクサなどが出てしまった場合、勝つ事は絶望的なのでマリガンはしっかりしましょう。

グリクシスミッドレンジ

グリクシスミッドレンジは何も手が出ないと言う訳ではありませんが、ゲームスピードが比較的遅くジワジワとアドバンテージで勝つデッキの為、アトラクサが出た時には一気に立場が悪くなりし、かなりの長期戦に持ち込まれるでしょう。
特に踏み倒し先を対処出来なかった時には、アトラクサは飛行、絆魂、警戒によるライフレースの崩壊、ファイレクシアへの門は毎ターン無償のリアニメイトによる戦力、アドバンテージ差によって殆ど負けていると思います。

前述の通り、相手はクリーチャー以外のカードも踏み倒してくる上、インスタントタイミングで手札を捨てる事が出来るため「死体鑑定士」は結構心許ない対策です。ここは青が使える利点である打ち消し、そして黒の得意分野であるハンデスで対処すると良いでしょう。

個人的には見ている死体が男なのか女なのか分からないので若干モヤモヤしていたりする

初戦では「かき消し」でリアニ呪文を打ち消す事を第一に気にかけながら、隙を見て「死体鑑定士」や「鏡割りの寓話」等の墓地対策、もしくは圧力の強いカードを唱え、サイド後は霊柩車はもちろん「軽蔑的な一撃」、「強迫」などをサイドインして相手の勝ち手段を事前に、確実に潰す戦術を取ると良いと思います。間違っても相手のライフに余裕がある状態で「絶望招来」を撃ってリリアニ呪文を安全に唱えられる瞬間を作るなどの行動はしないで下さい。
また、序盤にライフを削ったり「かき消し」の犠牲用のクリーチャーを1〜2体欲しいですが、序盤の除去は結構用意されている為やたらクリーチャーを展開してマナを使い切り、リアニメイトへの対抗手段を失わない様に。
また、手札入れ替えがかなり出来る相手なので、「強迫」はあくまでその場凌ぎでしかなく、リアニ呪文以外を捨てさせてもあまり効かないのでもしかしたら他のカードを入れた方が良いかもしれません。例えば手札と墓地にある吊り上げ先を両方追放出来、ピーピングによってゲーム展開を見通せる「鋼と油の夢」なんてどうでしょう?

白単ミッドレンジ

白単ミッドレンジはかなり遅いゲームを目指し、単色故に対策カードも少ない為にリアニメイトデッキを苦手とするデッキです。霊柩車はもちろんありますが、それに頼り切りになってしまうのは宜しくないでしょう。
メジャーなカードで効果的なのは「選定された平和の番人」です。しかし、あくまでマナコストを2つ増やすだけで、先延ばしにしかならずお互いにロングゲームを目指す為にこれが居ても唱えられてしまう事も珍しくないでしょう。除去に弱い事もあり、もう少し別のカードで対策を練らなければならないと思います。
「告別」は踏み倒し後の除去、リセットとしては完璧ですが、やはりETBでアドバンテージを得られた後に使うというのは気掛かりです。
「災厄の痕跡」は2マナインスタントと軽いながら全ての墓地を追放しつつ、各プレイヤーはクリーチャーでない呪文を唱えられないと中々のロック性能を誇りますが、他のデッキに対しては少し弱い所が欠点です。
ここはむしろ無理に墓地対策をするよりは、踏み倒し先が出ても勝てるようなプランを組む方が良いかもしれません。

レガシーでも白単イニシアチブで活躍中。

私としては「獅子の飾緒」に注目しています。白単では貴重な墓地対策で、やはり「削剥」には弱いですが比較的メインボードから入れやすいカードなのが売りです。墓地からの追放にはマナがかかってしまいますが1ターンに何度でも出来ますし、何より「パーマネントカード」と言う緩い指定でパンプが出来るのが汎用的で、マナフラッドした時にいきなりムキムキなクリーチャーを場に用意し、既存のクリーチャーに装備して一気にゲームにケリをつける芸当が出来ます。パイオニアで注目されている「耐え忍ぶカー、ケンバ」とも相性が良いですし、一枚どうでしょう?

色々とユニークながら痒い所に手が届く便利なヤツ
これはひどい

ジャンドミッドレンジ

ジャンドミッドレンジは最近晴れるやのデッキ検索でメタゲームのトップに輝いているデッキですが、意外と墓地対策は豊富です。
「硬化した屑鉄喰らい」はマナクリでありながら墓地対策も出来る画期的なクリーチャーで、除去には弱いですがマナ加速や攻撃をしながら墓地対策をしたり、アンタップ状態ならインスタントタイミングで墓地のカードを一枚追放出来ます。マナ能力なのでほぼ確実に墓地対策が出来るのは素晴らしいですね。
「土建組一家の魔除け」は色拘束が強いものの、対戦相手の墓地のみを全てインスタントタイミングで追放したり、そうでなくとも除去したいであろうクリーチャーやプレインズウォーカーの布告除去や3枚の衝動的ドローなどの汎用性の非常に高いモードが選べてかなり便利な一枚です。

一番脳筋な三色カラーの癖に結構器用

まだ発展途上で、様々な型があるデッキなので詳しく動きはあまり語れませんが、こちらは速効性のあるスピーディーな攻め方が出来るため、リアニメイトしそうならインスタントタイミングの墓地対策で封じて、早めにゲームを終わらせた方が良いと私は考えています。
下のデッキリストは私が特に面白いと思ったものです。上のものは「土建組一家の魔除け」が3枚もあり、「歓喜する喧嘩屋、タイヴァー」の常在型能力で「樹海の幻想家、しげ樹」のランプ能力をすぐさま起動するギミックがあり、下のものは4種のプレインズウォーカーや「ティラナックス・レックス」などのフィニッシャーが多く採用されているデッキで、どれも個性的ながら使ってみたくなるものばかりです。

マルドゥミッドレンジ

マルドゥミッドレンジは正直リアニメイト戦術とかなり相性の悪いデッキです。白単よりは対抗手段は多いものの、デッキコンセプトと噛み合う墓地対策の出来るカードは少なく、また「怒りの大天使」のキッカー能力による大逆転もアトラクサやファイレクシアへの門の前では流石に対処しきれないのが中々辛い所です。
対策手段は白か黒のカードに頼ることになるでしょうが、合致するカードはあまり無いためいっそ踏み倒し先を出されても勝てるようなゲームプランを立てた方が良いかも知れません。幸いクリーチャーやアーティファクトへの除去は豊富で、白があるため粘り強く戦えるので長期戦向けのカードを多く採用してはどうでしょうか。

イラストがネタにされたが結構ガチ性能だった天使

アグロ全般(赤単、兵士等)

相手に5ターンも生き永らえさせるな。

デッキコンセプト的にわざわざリアニメイトに対しての対策をせずその前に殴り切る事を目指しましょう。アリゾリウス兵士はそこまでに殴り切る事は難しいですが、なら「スレイベンの守護者、サリア」や打ち消しが搭載出来るためそこで対策を。
相手は除去もそれなりに豊富なのでそこは注意を。赤単なら火力除去に対して「ロノムの発掘家、フェルドン」を出す事で少しはアドバンテージを失わずに済むと思います。

本当に工匠なのかと疑う程、脳筋な性能である

最後に

正直自分が思っていたよりも強力だったアトラクサですが、所詮はリアニメイトと言う訳あって弱点自体は多い部類です。これまでのスタンダードの禁止カードではリアニメイトの踏み倒し先が禁止となった事はなかったので、禁止はないと思いますが、果たしてどうなるのでしょう?
また、これを受けて自分は白が中心色故に「報復招来」を打ちやすい三色である「バントカラー」でのリアニデッキも作ってみたいですね。では!

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