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ホテルの料金変動はお嫌いですか?

同じ客室なのに、価格がバラバラで分かりにくい、ぼったくりなの? などなど、お客さまの声として、聞こえてくることがよくあります。

ホテルは他の販売業と違って、売れるから商品を増やそう、なんてことができません。当然、売れ残ったら明日に在庫をまわそう、なんてこともできません。限られた箱(室数)の中で、毎日、適正数を適正価格で販売をしないと儲からないのです。

例えば、50室のホテルがあります。
(注:金曜、土曜日は売れますが、日曜日や週の前半はあまり売れない傾向のホテルだとします。)
一律価格で1室10000円で販売をすると、全室売っても1日の売上は、
10000円×50室=500000円です。
全室販売したので稼働率は100%です。

仮に、①日~水曜日までの稼働率が30%、②木曜日が50%、
③金曜日が80%、④土曜日が100%とした場合、
売上は①150000円×4日、②250000円、③400000円、④500000円で、
週合計1750000円となります。

これ、稼働率の低い日の価格を、もう少し下げれるんじゃないの? と思いますよね。
当然、下げる場合は、客室清掃費、アメニティなどのコストとのバランスを見て価格を決める必要があります。
時期や場所にもよりますが、基本的に価格を下げれば、稼働率は上がります。

そこで、①の価格を5000円、稼働率60%、②価格8000円、稼働率70%、
③価格10000円、稼働率80%、④価格15000円、稼働率80%とした場合、
売上は①150000円×4日、②280000円、③400000円、④600000円、
週合計1880000円。
このように、①の期間の価格を半額にしても、週の売上は上がるんです。

もちろん、④の価格を上げ過ぎたら、周辺ホテルにお客さまを持っていかれて、稼働率が下がり、土曜日の売上を下げてしまう可能性もあるので、闇雲に設定をするのではなく、過去のデータからきちんと傾向を読み取ることが大切です。上記のケースのように、多少稼働率を落として販売価格を上げても、人件費などのコストカットになるので、稼働率を100%にすることに、こだわる必要もありません。

ご利用者さん側からすると、このように価格に幅が生まれると、安価設定の曜日を狙ってご予約されれば、お得にご利用いただくことが可能です。価格変動は、ホテル側が売上を上げる目的はありますが、ご利用者さん側にとっても、選択の幅が広がるので、悪いことではないのです。日にちを指定しないで予約サイトを見てみると、そのホテルのお得な日が見えてきます。
ぜひ一度、お試しください。

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