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居心地のよい場所づくり

 もうすぐ、夏休みが終わり、学校に子どもたちが戻ってきます。
子どもたちにとって、学校は居心地のよい場所になっているでしょうか。今回は、このことを少し考えたいと思います。

1, 否定のない空間


「夏休み、家族や親戚とバーベキューして美味しいものいっぱい食べたよ。」
Aさん「久しぶりに会えた人もいてよかったね。」
Bさん「美味しいものいっぱい食べたんだ。」
Cさん「コロナなのにそんな危ないことしたの。」
Dさん「夏休みの最高の思い出になったんだね。」

 夏休み明け、教室での何気ないバーベキューの会話に言葉を返してくれた4人です。Aさんの一言で、会えて良かったねというメッセージが伝わってきます。Bさんの一言からは、ごちそういいなあという気持ちも伝わります。Dさんの 「最高の思い出」の言葉を聞くと、仲間みんなの気持ちも嬉しくなります。
反対にCさんの一言は、悲しくなってしまいます。きっと、コロナ対策をしながらのバーベキューをしたのに、と辛くなったり、せっかく話したのにどうしてそんなことを言うのと思ったりします。
だれでも発言や行動を否定されると、雰囲気は悪くなります。そうなると、クラス全体、学級全体にもそれが広がります。仲間の言動に否定しない空間が居心地のよい空間づくりの第一歩だと思います。

2, 笑顔のある空間


「先生、見て見て、この手芸、大成功したよ」
「Aさん、夏休みが終わったから、また一緒に教室でイラストかこうね。」
「Bさん、明日も遊ぼうね。今度は、みんなで長縄しよう。」
教室で聞いていて、思わず笑顔が溢れます。クラスには、必ず、いつもにここしている太陽のような子がいます。
 そんな子は、嫌なことがあっても、
「大丈夫。だって思いきり頑張っていたもんね。かっこよかったよ。」
と言って笑顔で応援してくれます。すると、クラス全体も笑顔になります。周りのみんなが安心感に包まれるのです。
 学級担任としては、そんな子の存在が本当に有難いです。もちろん、教師も笑顔でいることを心がけていますが、笑顔の輪が広がると本当にいいクラス、学年、学校になります。
「笑顔をありがとう」

3, 元気にしてくれる空間


「夏休みの工作、折れたとこ、後で一緒に直そう。手伝うよ。」
「さっき、二重跳び、3回も飛べててすごかったね、かっこよかった。」
「算数の問題の解き方が分からなかったけど、Aさんの説明で分かったよ、ありがとう。」
 前向きな言動する子の周りには、必ず、子どもたちが集まります。集まった子どもたちは、きっとその子からエネルギーをもらえるのだと思います。エネルギーをもらって元気になって
「また、頑張ろう。」となるのです。
クラスにそんな子がいたら本当に助かります。「ありがとう」って言いたくなります。

4, まずは、教師から


 とはいっても、子ども頼みの居心地のよい場所では、教師としては失格かもしれません。私たち教師自身が、「居心地のよい空間」とするために、太陽のような子を育てていくことが何より大切です。
そのために、前述の三つのことをまず、教師自身が率先して行うことが大切だと思います。そうすることで、少しずつクラスにそれが文化として根付いていきます。

 夏休み明けは、子どもたちがとてもナーバス(神経質)なっています。些細な友だちからの一言で大きな痛手を受けることもあります。
まずは、私たち教師から始めましょう。居心地のよい空間作り目指して!
大賀重樹


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