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ヘリコプターペアレントとは


  1. 子どもたちの変化

  2. 「ヘリコプターペアレント」とは?

  3. 子どもが失敗を体験することの重要性

  4. 子どもに尽くし過ぎないためには?


 学校で教員をしていると、一昔前の子どもたちと今の子どもたちの様子が変わってきているなーと思うことってありますよね。あまり、昔の方が良かったなーと考えたくはないのですが、時代の変化の流れについていかなくてはならないとも思っています。
それでは、子どもたちの何が変化しているのか、ちょっと述べたいと思います。

1  問題解決ができない(一人で)

 1人で問題解決ができない子どもが多くなっていて、周りに依存してしまったり、問題を放置してしまったりする事が多くなっているなと実感しています。
たとえば、忘れ物をしたときには、「先生に相談する」「友達に借りる」「家に取りに戻る」など、さまざまな解決方法があります。しかし、忘れても先生にも言ってこない、友だちにも借りようともしないなど解決策を見出そうとしないことはありませんか。

2 自己肯定感が極端に低い(自分を好きになれない)

 自信が極度に低い子が多くなっています。特に何か新しいことに挑戦することには、ためらってしまう場面が往々にしてあります。やる前からあきらめてしまい、「無理」「自分にはできない」「やっても無駄」などの言葉が飛び交うことがあり、クラス全体の士気も下がることがありませんか。そういったことが繰り返されると、自己肯定感が低くなり、自分のやることや考えることに自信が持てず、自分自身を嫌いになってしまうという悪循環です。

そんな子どもの変化を感じつつ過ごしていると、最近新聞を読んでいた際に、“ある言葉”を見つけて、驚いたことありました。上記のような子どもは親の対応によって生み出されているという記事でした。
その言葉とは「ヘリコプターペアレント」です。ネットで検索すると以下のように定義されていました。
「ヘリコプターペアレント」とは、ヘリコプターがホバリングするように子どもを見張り、子どものやることに必要以上に関わり続ける親のことです。アメリカで生まれた言葉で、過保護や過干渉と同じ意味で使われることが多いようです。ヘリコプターペアレントは、「子どもが傷つかないようにしたい」という思いから、子どものやることに必要以上に口を出したり、行動を制限したりします。そうすることで、困難なことや失敗を遠ざけ、子どもを守ろうとしています。

この意味をきいて私は親としても耳が痛かったです。しかし、子どもの為にもう少しヘリコプターペアレントについて考察していきます。
ヘリコプターペアレントとよばれる親にはどんな特徴があるのかを見ていきます。

①子どもがすべき問題解決をしてしまっている

 子どもの問題を勝手に親が解決してしまいます。たとえば、友達が使っているおもちゃをお子さまが欲しがったとき、「じゃあママが借りてきてあげる」と親が行動することはないでしょうか? これは、本来子どもが解決するべき問題を奪っていることになります。こういったときは、「貸してって言ってみようか」「一緒にお願いしてみる?」というように、問題解決の手助けをしてあげることが大事です。
親が問題を解決してしまうと、対処法が学べず、失敗する機会もなくなります。そうすると、大人になってからも課題解決ができず、さまざまな場面で困ってしまう可能性があるのです。

②子どもがすべき決断をしてしまっている

 人生には決断しなければならないことがたくさんあります。それらをすべて決めてしまうのも、ヘリコプターペアレントの特徴です。親がすべて決めてしまうと、考える力が育ちません。大人になって「決断しろ」と言われても自分で決められず、誰かに任せてしまうことになります。進路や就職先、結婚相手といった大きな決断であっても、自分でできなくなってしまうのです。
「何を着る?」「何を食べる?」といった日々の小さな決断の積み重ねが、いずれ大きな決断をするときの力になります。

③子どもが失敗を体験する機会を奪っている

 子どもに失敗をさせないように先回りするという特徴もあります。子どもを大事に思うがゆえの行動かもしれませんが、これは子どものためにはなりません。
もちろん、失敗すれば悲しくなり、傷ついて落ち込むこともあるでしょう。しかし、それを乗り越えれば成長することができます。失敗しないために次はどうしたら良いかを考えることもでき、自分で危険や困難を回避できるようになるのです。
親が先回りして成功する道を与えてあげれば、もちろん安全で心配もないでしょう。しかし、それを一生続けることはできないはずです。自分の力で歩んでいくためには、失敗を恐れずにチャレンジしていくことが必要ですよね。

④子どもに尽くし過ぎている
大事な我が子ですから、何でもしてあげたいと思う気持ちもあるでしょう。尽くし過ぎるのは、ヘリコプターペアレントの特徴です。
すべて与えてあげれば、子どもはラクでしょう。予定を決めてあげれば、困ることもありません。失敗も挫折もなければ、傷つかずに済みます。ただそれは、親が尽くしてあげられるから実現できるもの。「そろそろ大人だから自分でやってほしい」と思っても、手をかけ過ぎた後では難しいのです。手をかけ過ぎた挙句、何でも人のせいにする子どもに育ってしまいます。孔子も言ってますね。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」と。

「ヘリコプターペアレント」にならないために、どうすればいいのか、次回考察していきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました☆

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