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人の後ろに人が見える子の10年後は

大学の広報誌に教え子が映っていた
思わずうれしくなる
絵が好きな子だった
高校の美術科からそのまま大学でも美術を専攻した
小学校のとき、工場群が映る水面の美しさに感動して、絵に表現した
その絵が八戸市の画集の表紙になった
とても繊細できれいな絵だった
私は、あの絵が大好きだった

だんだん記憶がもどってきた
その子は人の後ろに人が見える子だった
私も霊視してもらった
元気になればなるほど、人の後ろにいる人が増えるらしい
見てもらったが、5人、私の背中にいらっしゃるようだ
標準的には4人だから、だいぶ私は元気らしい
本当に霊感が強い子だった
バザーの日や参観日には、人の後ろの人の出入りも増えて、気持ちが悪くなった
他の人とは違った苦しみがあり、苦労していた
さらに、不登校傾向の子も霊視してもらった
学校に来られなくなった子には、背中に二人しかいない
元気のない子ほど、人の後ろにいる人が減るらしいということで、元気づける作戦に切り替えた


あれ?

写真を見て気が付いた

あのとき、かなり厚い眼鏡をしていたのだが、今はしていない
コンタクトにしたのかな?
それくらいしか思っていなかった
しかし、最近その子の友達から聞いた話によると、びっくりした
小学生の時が人の後ろに人が一番よく見えたらしい
でも、目に見える世界のものは見えなくて、眼鏡をかけた
しかし、年を重ねるたびに、人の後ろに人がみえなくなっていったという
それと反対に、視力が回復していった
つまり、人の後ろに立っていた人が見えなくなったら、現実的な世界が見えてきた、というのだ
眼鏡をしなくなった彼女は、今は全く人の後ろに人が見えなくなったらしい
不思議な話
でも、子供の成長をこれほどまでにわかりやすく表現していることはないと思う
一つ見えるようになれば一つ見えなくなる
そして、小学校の時に見えていた性格や気質も、大人になったら消えていることもよくある話

だから、どんな子でも、10年後、20年後と見定めて、じっくり育てる
子どもの人生なんて、どうなるかなんて誰にも分らないのだから、せめて子どもが子どもの足で歩いていけるように、きっちり構えていかなければならない

私たち、一人一人の大人が、ずっと先まで見越して、どっしり子どもを育てなければと、一人思っている

                     三浦健太朗

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