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カルロ・コッローディ「ピノッキオの冒険」(1883年)
ディズニーのピノキオを観たことがないので比較ができないのだが、こちらはかなり良い児童文学だった。
木の枝から作られたピノキオがありとあらゆる失敗を重ねながらも、彼を作ったジェッペットじいさんや、仙女たちに支えられて成長していく、という物語。
物語のトーンとしてはダークファンタジー的な雰囲気。
基本的にピノッキオを騙しにくるのは、子どもたちや動物たちで、結果的におとなのもとに売り払われたりする。おとなたちはピノッキオを酷使するが、彼らは自分の仕事の一環としてやっている。子どもを死ぬほど働かせるというのは今の世の中ではもちろん違法だが、当時はどうだったのだろうか。あたりまえだったのか、ある程度社会問題になっていたのか。
全体的にはピノッキオは貧困家庭の子どもであり、そこから、人間になって豊かさを手に入れるために頑張るという、今の時代にも刺さる要素が多い。
社会や文明は変わっても、人間の根本的な部分はあまり変わっていないのだ。
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