2021年8月28日の朝日新聞夕刊より

「ポップスみおつくし 作者の罪と罰せられる作品と」

増田聡

〈私が奇異に感じたのは、この件をめぐる議論の中で、作曲者の不祥事と作品の取り下げとの直結が自明視されていたことだ。〉

〈ポストモダン華やかな頃には「作者の死」が唱えられ、作品とその作者を切り離す文化論が隆盛した。(…)佐々木健一に従えば、作品は自立的になればなるほど現実の作者とは切り離され別々のものとなる。〉

 これは音楽だけでなく全ての芸術に関わる問題だ。小説でも短歌でもそう。さらにこうした事態が起こるのは「クレームを避ける」発想からと論は続く。

 この議論には納得させられるし、一般的にはそうだと思うんだけど、ただ……やっぱり作者に「不祥事」とまで言われるようなことがあると、その作品に対して個人としては「冷める」。素直に感動できなくなるというか。とにかく色々議論のポイントがある論なので多くの人に読んで欲しい。

2021.8.28.Twitterより編集再掲