茶道雑誌 11月号 『京都発・季節の言葉 (四十七)』より
《紅葉(もみじ)にてまた花をやる桜かな 松永貞徳(ていとく)》
「この句、つまり真っ赤に紅葉した桜の葉を詠んでいる。桜は春に花を咲かせて時めく。紅葉の季節の秋には、桜紅葉でまたも時めく、というのである。この句の「花」はフラワーであると同時に華やぐ、時めくと言う意味でもある。
まるで謎解きというか、頓智話みたいだ、と思われたかもしれない。その通りで、貞徳のころの俳句は、謎解き、頓智に近いものだった。」
茶道雑誌 河原書店 2022年 十一月号 『京都発・季節の言葉(四十六七