茶道雑誌 12月号 『京都発・季節の言葉 (四十八)』より
《蒲団(ふとん)着て寝たる姿や東山 服部嵐雪(らんせつ)》
「芭蕉の門下の嵐雪が活躍した元禄時代に、京ではいちはやく綿入りの掛け布団が登場した。そして、私たちが普通に使っている蒲団、すなわち敷き蒲団と掛け蒲団のセットが関西では普及した。でも関東とか九州では掛け蒲団はあまり使われずもっぱら夜着(よぎ)(かいまき)が使用された。これは綿を入れた大型の着物で、それを着て寝るのが普通であった。江戸者の嵐雪は夜着の使用者だったが、彼は京に来て、夜着と違う掛け蒲団に感動したのだ。その感動