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七/レージフリーク

 響はミラノの地に降り立った。夕陽に照らされたロマネスク建築の波に、いつも畏敬と懐かしさをおぼえる。
 初めてこの地を踏みしめた時も、違和感なく溶け込むことができた。第二の故郷。彼はミラノの街にアパートメントの一室を持ち、住人としての楽しみも味わっていた。
 それは古びた建物だったが、味わいのある壁と最上階からの眺望は格別だった。歴史のある町並みを見下ろしながら、学生時代に培ったバーテンダーの腕で、自作のカクテルを作るのが最高の喜びだ。
 彼はドアの前に立つと、呼び鈴を押した。ジジジという馴染みのない音が廊下に反響する。途端に待ち兼ねていたと言わんばかりに扉が開き、中から赤毛の男が飛び出した。
「ヒビキ!」彼の顔を見るや否や、がむしゃらに抱きついた。
「会いたかった!」
 響と変わらない身長に赤いピンヒール。両肩の張った上半身にはパステルカラーのタンクトップ。ボトムにはワニ革のミニスカートを穿いていた。
「元気だったか、ルカ。おい、中に入れてくれよ」

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1,566字
オリジナルBL小説です。全30章。完結済み。 18禁につき、ちょっと過激な描写もあります。

天才ボーカリスト高階麗次の愁いに魅かれたモデルの響。 しかし、初対面でいきなり敵意を向けられてしまう。 彼は繊細な外見とは裏腹に予想外の「…

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